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近年、ベルリンで数多くの注目スタートアップが誕生している理由

ドイツの首都・ベルリンが、最近「スタートアップ都市」として注目されています

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Apr 23, 2017 by Sato Yuki Reporter

3 Lines Summary

  • ・ベルリンはここ数年で注目度上昇中の「スタートアップ都市」
  • ・都市の特徴は「安い、国際的、自由なカルチャーがある」
  • ・いま注目のベルリン発のスタートアップ3社を紹介
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上:ベルリン最大のテックフェスティバル TechOpenAir、2016年度の会場の一つ。 Credit:著者

「スタートアップ都市」とは、新しいビジネスモデルをつくって事業を急成長させてエグジットをめざす会社形態を指す「スタートアップ」が集まる都市のこと。パソコンとプログラミングスキル、斬新なアイデアさえあれば、以前に比べるとずっと少ない資金で起業ができるようになった10年ほど前から、仲間とともにスタートアップをつくる創業者(「ファウンダー」とも呼びます)は急増しました。今では世界的な大企業となったFacebookも、かつてはハーバード大学の学生達が立ち上げたスタートアップでした。

そして、パソコンとチームとアイデア、そして睡眠時間を極力削ってでも打ち込めるようなエネルギーと情熱さえあれば、どこででもスタートアップを立ち上げるようになった現在、数多くのスタートアップ・ファウンダーたちを惹きつけている都市が存在するのです。

注目度上昇中の「スタートアップ都市」――ベルリン

サンフランシスコやシリコンバレーは、誰もが知っている「スタートアップ都市」。米国内ではボストンやニューヨークもスタートアップシーンが大きく成長しています。欧州では、ロンドン、ストックホルム、パリといった代表的な都市でもスタートアップが多く誕生しているのです。それに加えて、ベルリン。実は、欧州の中でもここ数年でかなり注目度がアップしている都市であるといえます。

ベルリンには、スタートアップが2000ほどあるといわれています。ベルリンのスタートアップへの投資額も成長しており、昨年ベルリンのスタートアップが資金調達した件数は202件、総額10億7000万ユーロというデータがあります。件数だけで比較すると、ロンドン、パリに続いて、欧州内では3位。そして、注目するべきはドイツ国内の資金調達件数のうち約半数近くが、ベルリンのスタートアップに集まっているという点。ドイツ国内ではベルリンのスタートアップシーンが突出しているのです。

ベルリンは「安い、国際的、自由なカルチャーがある」

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上:テックフェスティバル TechOpenAirも、公用語は英語。世界各地から参加者が集まる。 Credit: 著者

「スタートアップ都市」としてのベルリンのユニークな特徴は、「安い、国際的、自由なカルチャーがある」ということ。

ロンドンやパリ、ストックホルムといった大都市に比べると、ベルリンは物価が低く、そのため起業コストも抑えられます。そのコストといえば、オフィス代や人件費ですが、ここを安く抑えられれば、長く「生き延びる」ことができます。ここ数年でベルリンの家賃は上昇していますが、それでも60平方メートルのアパートの平均家賃が約600ユーロ(光熱費別)です。4、5年前はさらに4割ほど家賃が安い状況でした。

そして、国際的である点もベルリンの特徴です。スタートアップ関連のイベントはすべて英語で行われますし、スタートアップの社内公用語も英語であることがほとんど。ビザの取得が比較的しやすいという点も、ベルリンの国際化に貢献しています。英語が通じる環境が整っていれば、全世界から人材を調達しやすくなりますし、グローバルに展開するプロダクトを作りやすくなるというメリットもあります。

また、アーティストやクリエイターを惹きつける自由な雰囲気・カルチャーがあるというのもベルリンのユニークな点です。ベルリンは冷戦時代に壁で分断されていたため、大きな産業が根付かず、壁崩壊後も混乱の状態がしばらく続きました。しかし、それがアトリエや実験的な試みが大好きなアーティスト・クリエイターたちを国内外から惹きつけたのです。こうしたものづくりが好きな人が多いというカルチャーは、スタートアップカルチャーとも親和性が高く、それらが増加する背景の一つでもあります。

ベルリン発注目スタートアップ3選

こうしたベルリンのスタートアップシーンの特徴を反映する、注目スタートアップ3社をここで紹介したいと思います。

GoEuro

まず、旅行手段検索エンジンの「GoEuro」。陸続きの欧州内を旅する際、旅行手段としては飛行機、鉄道、長距離バスと様々ありますが、それら各手段の所要時間と値段をまとめて検索・比較できるオンラインプラットフォームを開発しているのがGoEuroです。米国人のナレン・シャーム氏は、4カ月間欧州内を旅行していたときに、陸続きにもかかわらず各国の交通手段が「分断されている」ことに気づき、一つのプラットフォームにまとめる必要があるという思いで起業しました。

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GoEuro

2012年創業後、12カ国500以上の交通機関と提携し、各交通機関のデータを統合させて、より便利なサービスを作るべく奮闘中です。昨年の10月には、シリコンバレーのトップVCから7000万ドルを調達して注目を集めました。
http://www.goeuro.co.uk/

Clue

「Clue」もベルリンを代表するスタートアップの一つ。これは、女性が自分自身の月経周期を簡単にトラッキングし、それに基づく健康についてより理解を深められるようにすることを目的にしたアプリです。デンマーク出身の女性ファウンダーであるイダ・ティン氏が、女性のリプロダクティブ・ヘルスは、全女性にとっての関心・重要なことであるにもかかわらず大きなイノベーションが起きていないことに気づき、このアプリの開発を始めました。

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Clue

Clueがユーザーを惹きつけることのできた秘密は「使いやすいUIデザイン」と「デザインをピンクにしなかったこと」。ともすれば、女性向けのアプリとなると「うさぎ」や「ピンク」といった可愛らしい雰囲気のデザインになりがちですが、女性が本当に求めているものはなにかを追求した結果、現在のデザインに至ったそうです。2013年に創業し、昨年の秋時点で全世界のユーザー数は500万人以上といわれています。
https://www.helloclue.com/

EyeEm

最後に紹介するのは、写真共有アプリ・マーケットプレイスを開発している「EyeEm」です。もともとは、写真好きの4名のファウンダーが「スマホで撮影した写真のコンテストをやって、ベルリンで写真展を開催しよう」というアイデアから、オンラインで写真好きのコミュニティが生まれたのがきっかけでした。2011年のことです。

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EyeEm

スマートフォンを使えば個人が高品質でユニークな写真を撮れるようになった時代の変化に着目したEyeEmは、個人の撮影した写真を、それを求める出版社やブランド、メディアとつなぐマーケットプレイスを充実させることに注力しています。写真好きを集めたオフラインのミートアップや展覧会の開催、作品を掲載する雑誌など、様々な形でEyeEmコミュニティを築き、そのコミュニティにより多くの機会と収益源をもたらすために進んでいます。ピーター・ティール氏が創業したVC、Valar Venturesが主導で2015年4月に1800万ドルを調達しています。
https://www.eyeem.com/

【特集「ワールド・テック・リポート」】

第1回  【世界のスタートアップ】イスラエル発、ベッドの下の“見守り役”。呼吸や心拍の異常を検知して通知

第2回  まもなく上陸?「シンガポール版メルカリ」が日本に注目する理由

第3回  近年、ベルリンで数多くの注目スタートアップが誕生している理由(この記事)

第4回  ユニクロ&楽天も取り入れた注目ベンチャー「ViSENZE」の画像解析技術

第5回  ベルリンで増加するヘルスケアスタートアップ、企業との連携を促進する「アクセラレータプログラム」

第6回  「マッチングアプリは見た目がすべて」はおかしい。女性起業家、NYで挑戦

第7回  レストランと個人を結ぶ。廃棄食料削減を目指す、新しいアプリ

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佐藤ゆき
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Sato Yuki
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