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社会通念に押しつぶされないように…堂々と胸を張って逃げ出すには

特集「ビジネスマンの賢い逃げ方」第4回

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May 11, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・社会の常識から外れることは悪いことではない
  • ・周囲に合わせることよりも、自分の心を大切にしよう
  • ・「逃げること」と「逃げだすこと」は全くの別物

つらくて苦しいと感じるなら、そこに立ち向かうだけが手段ではない。時には、逃げることも有効だろう。しかし、「逃げること=悪いこと」という社会の風潮があるのもまた事実。はたして、逃げることは本当に悪いことなのだろうか?

今回話を聞いたのは、作家・心理カウンセラーで、『堂々と逃げる技術』(学研プラス)の著者でもある中島輝さん。

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彼は、幼いころから数多くの心の病や巨額の借金、10年間の引きこもり生活、自殺未遂など、波乱万丈な人生を歩んできた。

しかし、そんな苦しい状況から這い上がって来れたのは意外にも「逃げる勇気を奮い起こせたから」だという。そんな彼の実体験のなかには、正しく逃げるためのヒントが隠されているはず。さっそく探ってみることにした。

家族のために、会社のために…
自分の意志はどこへ?

現在は心理カウンセラーとしてカウンセリングや講演など、積極的に活動しているが、中島さんはこれまで、躁鬱症やパニック障がい(障碍)、強迫性障がい(障碍)など、様々な心の病を乗り越えてきたという。そもそも、どうして心の病にかかってしまったのだろうか?

「以前の私は、自分の意志とは無関係に、『一度始めたら最後までやり遂げなければいけない』『社会通念上はこうだから、こうするのがいいに決まっている』と、ルールに従うことが最善だと思い込んでいました。だから、社会の常識のようなものから外れることは『悪いこと』で、道を外れることへの不安や罪悪感を感じていたのです」(中島さん、以下同)

それに対し自分では違和感を感じていても、「こうあらねばならない」と思い込んでいたせいで自分の感情にフタをし続けてしまい、精神的に病んでしまった。「今なら分かりますが、視野がとても狭くなっていたのです」と、中島さんは続ける。

自分の価値観や信念をないがしろにして、「社会のルールから外れないように。周囲に合わせて外れないように」と、視野が狭窄的になっていた中島さん。しかしその視野の狭さは、現代のビジネスマンたちにも当てはまるという。

「30~40代の男性クライアントさんに多いのですが、みなさん『頼まれたら断れない』とか、『周囲の期待に応えなきゃ』とか、周囲に合わせる生き方を選んでいる傾向が見受けられます。しかもそこには、『自分の意志』がありません。自分そっちのけで、人のためにばかり一生懸命になっているのです」

このように、自分を後回しにして周囲に合わせる生き方をしているうちに、逃げるチャンスをなくしていくのかもしれない。

恩人の死がきっかけで気づかされた自分に正直に生きることの大切さ

社会の常識にとらわれ、“逃げる”という選択肢を考えられていなかった中島さん。何がきっかけで考え方が変わったのか聞いてみたところ、「恩人の死がきっかけ」と話してくれた。

「心の病にかかった時に、いつも声をかけてくれていた恩人が突然亡くなってしまったんです。悲しみに打ちひしがれていた時、ふと、『永劫回帰』という言葉が浮かびました」

永劫回帰とは、ドイツの哲学者・ニーチェの言葉。「今、人生が終わったとして、一分一秒ズレることなく、もう一度まったく同じことを繰り返すとしたら、それでいいのか」という意味だ。

「これまでの道のりを振り返ったとき、また同じ道を歩むのは嫌だなと思いました。周囲の人たちから『逃げた』といわれても、『自分の心に正直に生きよう』と決心しました。人生は一度きりだし、後悔のない人生にしたかったので」

さらに、「周囲の期待から逃げてみたら、凝り固まった考えから抜け出し視野を広く持つことができた」と、中島さんはいう。またそのためには、「いろんな価値観と出会うことが大切」とも。

「たくさんの人と出会ったり、本を読んだり、旅に出たり。自分がこれまでいた環境では出会わなかった新しい価値観に触れることで、視界がパッと開けます。狭い世界にいた自分を俯瞰してみることができるのです。それは、自分を見つめ直す機会でもあります」

「現状から逃げたいけど、逃げられない」と悩んでいるようなら、まずは、自分の視野を広げるために、新しい環境に飛び込んでみよう。そうすればきっと、逃げられる道を発見できるはずだ。

「逃げること」は「悪いこと」ではない自分の人生に責任を持って行動しよう

最後に、直球で「逃げることは悪いことですか?」という質問をぶつけてみた。中島さんの答えは、「NO」。

「もちろん、逃げることは悪いことではありません。ただし、自分の人生に責任を持った上で、堂々と逃げましょう」

「逃げること」と「自分の人生に責任を持つこと」。一見、相反することのようにも思えるが…。

「私が考える『逃げる』というのは、他人の目線や周囲の期待に合わせてばかりいて、『自分の心と向き合うこと』から逃げるということ。『自分の人生に責任を持つ』とは、逃げた後に起こる全ての結果を受け入れようということです。逃げたことによって生じるデメリットからも『逃げ出す』ことは無責任だと思います」

つまり、中島さんのいう「逃げる」は、自分らしく生きるということ。

「失敗しても、成功しても、自分で決めたこと。文句を言ったり、他人のせいにしないように。どんな結果でも、肯定的に考えましょう」

あまり自分でも気がつかないかもしれないが、日常には、自分の意志ではなく他人の目を気にして決断してしまう機会が多く潜んでいるのかもしれない。大切なのは、自分。一度立ち止まって、「このままで後悔はしないか」「本当にやりたいことは何なのか」、整理し直す時間も必要だ。

■中島輝
作家・心理カウンセラー。
小学 4 年から躁鬱病・パニック障害・統合失調症などに苦しむ。 25 歳から 10 年間実家を出れず、自殺未遂を繰り返す。 困難な精神状態の中、独学で心理学やセラピーを自ら実践し、35 歳で克服。

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取材・文=明日陽樹/考務店

逃げることは悪いこと?ビジネスマンの賢い逃げ方
vol.4

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