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「大事なのは細かいフィードバック」成毛眞が語る“料理”と“仕事”の本質
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「大事なのは細かいフィードバック」成毛眞が語る“料理”と“仕事”の本質

特集「料理は、ビジネスパーソンの必修項目だ」第1回

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Jun 12, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・料理も仕事も、“大衆”になったらおしまいだ
  • ・重要なのは「コミュニケーション」ではなく、細かい「フィードバック」
  • ・変わったことばかりではつまらない。簡単で美味しいものほどアイデアが詰まっている

“料理”と聞くと、身構えてしまうビジネスマンは多いかもしれない。しかし、手際の良さや段取りが求められる料理には、ビジネスにも通じる要素があるはずだ。さらにいえば、トップリーダーにとっての料理には、深い意味が隠されているかもしれない。そこで話を伺ったのが、日本マイクロソフトの元代表取締役社長であり、4月に『コスパ飯』(新潮新書)を上梓した成毛 眞さん。

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料理で“リア充”ぶりを表現するのはおやめなさい

おしゃれなディナーや、手の込んだ自作料理などの画像がSNSに次々とアップされている昨今。しかし、『コスパ飯』で家庭料理として紹介されているのは、卵かけご飯や湯豆腐など、凝った食材や複雑な調理過程が全くいらない、料理が苦手でも真似できる簡単なものばかり。

料理も仕事も、“大衆”になったらおしまいだ

万人が夢中の料理を好むと、万人になってしまうから。すなわち人材として優位性や特異性を失ってしまうからだという。あまのじゃくなのには理由があるのだ。

「料理も仕事もその他大勢、つまり“大衆”になったらおしまいですからね。すこし変わった人でいないとチャンスに気付かないし、新たな製品もサービスも作り出せない。大衆から抜け出られない限りは、経済的にも立場的にも大衆のまま。だとしたら、ある意味で変人になればいい。服や髪型を奇抜なものに変えるとか、なんでもいいんです。すると、周りに感覚の鋭い人たちが集まってきて、チャンスやアイデアが飛び込んでくる。

僕は20年ぐらい、ずっと霜降りより赤身のエイジングビーフがうまいって言ってたんです。マイクロソフト時代、アメリカに出張するたびに現地の店で食べていた。日本じゃ誰も知らなかったんだけど、この3年ぐらいで日本でもメジャーになって、食わなくなりました。でもね、アメリカのエイジドビーフは本当に美味しいんだけど、日本で最近出ているもの偽物っぽい。肉の厚みが違うからと気づきました。ステーキの基本はボリュームなんです」

重要なのは「コミュニケーション」ではなく、細かい「フィードバック」

トップリーダーともなれば会食の多いイメージがあるが、成毛さんの場合、基本的には会食は断り、週のほとんどは自宅で奥さんが作った手料理を食べるという。

「うちの奥さんの料理は、下手なそこらのレストランよりもよっぽど美味しい。私も昔から料理は相当やっていて、10年くらい前までは一緒作ったりしていたんだけど、今はあまりに彼女の料理がうますぎて、手の出しようがない。毎日サラダから、1時間くらいで5品くらい出てくる。おそるべき手際のよさです。ただし、手放しに『美味しい』とは褒めません」

サラダひとつでも、「この時期に夏みかんを添えたのはいいアイデアだ」とか「ホワイトビネガーのブランドを変えた?」など、1皿ずつ細かく感想を伝えるそうだ。

「文句ではなく、フィードバック。食べて3秒後には伝えるから、何も言わずに食べるより嬉しいみたいです」

それは、ビジネスでも応用できること。

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「上司から部下にであれ、その逆であれ。料理でも仕事でも、いいものを作り出して関係を良くするためには“フィードバック”が必要です。居酒屋で盛り上がるような馴れ合いの『コミュニケーション』はいらない。フィードバックは、相手の人格ではなく、その人が作ったもの、つまり仕事を全力で評価するということ。完全に一方的でも構わない」

「うまい」はただの結果にすぎないから、そこにいたるまでのプロセスを評価する

トップリーダーには、仕事だけでなく、料理に対しても“細かい”人が多いと語る。

「優れたリーダーって細かくて、うざい(笑)。『うまい』とは言わないんです。『うまい』のはただの結果で、プロセスや脈絡が一切省かれてしまう。仕事でもそうでしょ。部下に、細かく『こうやって』と伝えるのがちょうどいい。成功しようと思ったら細かい方がいいですよ」

さらに、“細かさ”は、成毛さん自身が料理を作る際のスタンスにも通じる。

「ラーメンなどの麺類の茹で時間は、気温や鍋の大きさなどでばらつきます。そこで今でも必ず自分で硬さを試してから麺を引き上げます。麺を茹でるというシンプルなことも立派な料理。切ったり焼いたりすることだけが”料理”じゃない」

変わったことばかりではつまらない。簡単で美味しいものほどアイデアが詰まっている

一番美味しい料理は「家で食べるもの」という成毛さんにとって、外食とは「家で作るうまいもののヒントを得るチャンス」。外食での“美味しい気付き”を、家で再現することもあるという。

「めちゃくちゃ美味しいけど、手間なく真似できるアイデアがある。例えば以前外食した際に、サラダの上に菜の花を強めに素揚げしていたものがさりげなく乗っていた。センスのいいシェフでした。うちでも真似しています」

つまり、「簡単で、誰もやっていなくて、本当に美味しいもの」ほど、面白いアイデアが詰まっている“かっこいい”料理と言えそうだ。しかし、そこには必ず“定番”がなければいけないと成毛さんは考えている。

「例えば、普通の冷凍のフライドポテトでも、トリュフソルトをかけるだけで一皿の料理になる。ただし、その横にケチャップも用意しないとダメだと思うんです。アレンジとは別に、定番があって、それを“外さない”というか。仕事でもそうで、定番の『これはやっておかないとダメだ』ということはどの仕事にもあって、そのなかでアレンジを加えるでしょう。基本を維持してどう応用するかが、料理でも仕事でも重要だと思います。繰り返しですがステーキは厚みこそが外してはならない基本。そこに気付かないといい仕事はできないですね」

とはいえ餅は餅屋。たとえ定番であっても、難しすぎるものに手を出すのは時間の無駄だという。

「自宅で最高級のネタと海苔をつかって手巻き寿司をつくると、そこらの寿司屋より美味しい。しかし天ぷらはダメです。明らかにプロのお店が美味しい。ビジネスも一緒。自分がプロじゃない領域には、そのカテゴリーごと、絶対に手を出しちゃいけない」

どうやら料理は、仕事においても新しい発見をもたらしてくれそうだ。料理が得意な人も苦手な人も、初心に立ち返る意味で、シンプルな定番料理に挑戦してみてはいかがだろう。そのプロセスを通じて、仕事の基本に立ち返ることができ、かつ新しいひらめきがあるかもしれない。

文=周東淑子

成毛 眞(なるけ まこと)
1955年北海道生まれ。中央大学卒業後、自動車部品メーカー、アスキーなどを経て、日本マイクロソフト入社。91年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社であるインスパイアを設立。2010年、おすすめ本を紹介する書評サイト「HONZ」を開設、代表を務める。17年4月、初めての食の本『コスパ飯』を新潮新書から上梓。早稲田大学ビジネススクール客員教授。

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料理は、ビジネスパーソンの必修項目だ
vol.1

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