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「加計文書」告発者は罪に問われるのか? 専門家が徹底解説
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「加計文書」告発者は罪に問われるのか? 専門家が徹底解説

告発者が国家公務員法違反に問われる際のポイント

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Jun 17, 2017 by FLAG7 Reporter

3 Lines Summary

  • ・国家公務員法では秘密漏洩が罪になるが、秘密漏洩の判断基準ははっきりしない
  • ・「加計文書」は国家秘密にはあたらない
  • ・内部告発を許す度量の広さが政権には必要

ニュースのおさらいと論点

学校法人「加計学園」をめぐる「総理のご意向」などと書かれた文書について、6月15日、松野文部科学大臣は追加調査の結果を公表し、民進党などが存在を指摘していた19の文書のうち14の文書が文部科学省内の共有フォルダや職員の個人フォルダなどに存在していたことを明らかにした。

複数の文書が確認されたことについては「大変申し訳ない」と陳謝している。

また、自由党の森裕子参議院議員が6月13日の参議院農林水産委員会で、義家弘介文部科学副大臣に対し、告発した職員が国家公務員法違反に問われる可能性について「今回告発した人は“公益通報者”にあたると思うが、きちんと権利を守る認識はあるのか」と質問し、「守るって言えないのか。そういう人たちの権利は守ると言ってもらえないのか」とただすと、義家文部科学副大臣は「国家公務員法(違反)になる可能性がある」と
文書を流出させた文部科学省の職員を処分する可能性を示唆した。

「加計文書」を流出させた職員は国家公務員法違反に問われるのか? 三浦瑠麗が専門家2人に聞いた。

三浦瑠麗の視点

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森裕子議員が指摘した問題というのは、要は内部告発者が委縮しないように、仮に国家公務員法違反にあたる可能性があるとしても、特例でそういうことはしませんよと、政権としては検挙したりしませんよ、ということを確約してほしかったということですかね。

確約というのが現時点でできるかというと、難しい可能性があります。

内部告発者を守る法律がある

青山学院大学法務研究科教授/弁護士・浜辺陽一郎さん

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公益通報者保護法という法律がありまして、それによって公益通報であれば、労働者、あるいは仕事をする地位を奪われない、不利益処遇を受けないという、そういう保護法律があるんですね。

公益通報者保護法にあたる事例は法律で決められていまして、企業が何か不正をして、消費者の利益を害するような刑罰法規に反するようなことをやっていて、その企業の従業員が内部告発をした場合、通報先ごとに公益通報になる要件が定められていまして、公益通報に該当すれば、保護される。つまり、不利益処遇を受けませんよと。

もし仮にそれで不利益処遇を受ければ、たとえば解雇だとか減給とかがあったら争うことができて、企業のした行為は無効になると。そんなかたちで法律で定めがあるんですね。

国家公務員法では秘密漏洩が罪になる

一方、国家公務員法では秘密漏洩が罪とされています。

ただし、そういうことが抽象的に書かれているだけなんです。そうすると、秘密と言えるのか言えないのかというのは個別に判断しなきゃいけないわけですね。

国家公務員が扱っている情報っていろいろな情報があって、秘密じゃないものもあれば、秘密のものもあるわけですが、どれが秘密でどれが秘密じゃないのか、これはグレーなところも出てきます。

ひとつの考え方としては、実質的に秘密に値するものが保護されるけれど、実質的に秘密に値しないものは、たとえそれが漏れたとしても、この法令には違反しないという議論があり得るわけです。

今回の場合、それが実質的な秘密なのかどうかっていうのは、これだけでははっきりしないですよね。

秘密漏洩の判断基準ははっきりしない

秘密漏洩の判断基準は必ずしもはっきりとしないところがあって、私的な利益のため、つまり、情報漏洩をしてそれによってお金をもらうといったようなものは、おそらく不当だということになるんでしょうけれど、義憤に駆られて国民のためにっていうことであれば、それは必ずしも不正の目的ではないのかもしれないと。

だから、どういう趣旨なのかっていうのは個別に検討しなければいけないんです。

「加計文書」は国家秘密にあたらない

上智大学新聞学科教授・田島泰彦さん

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国家公務員法が言う秘密というのはなんでもかんでも秘密にしましょうという趣旨では全然なくて、実質的にその秘密として守る、保護することが必要なものが本来の秘密であると。

じゃあ今回、実質的に守るに値する秘密というのがあったのだろうかというと、たとえば、国を危うくするような情報が暴露されちゃったとか、そういうことでは全然ないんですよね。

あるいは、誰かのプライバシーが侵害されたとか、そういうことでも全然なくて、今回の一連の加計学園をめぐる要請のプロセスがどうなっているのかっていうことを解明する上では、今回の文書というのはむしろ、国民が判断しなくてはいけない大事な情報のひとつということですから。

これを秘密扱いして、漏らした者はけしからん、処罰をするぞみたいなことで説明することは、到底できないと思います。

行政のプロセスを議論すべき

文書の中で示されているものも含めて、実際に行政がどういうプロセスのもとに、どの力学が重なって、実際にどうなったのかっていうことこそ、政治の舞台で議論すべきところですよね。

中身そのものを、あるいはもっと広い、獣医学部全体の日本の状況の中でどうなのかとか、あるいは他の科学領域の中でどういったかたちで位置付けていったらいいのか、といったもうちょっと高いレベルで今回の問題を位置付けて議論をしていかないと、結局なんだったのかというのが、なかなか見えにくくなってしまうのではないでしょうか。

三浦瑠麗のまとめ「内部告発を許す度量の広さが政権には必要」

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政権をバッシングするためのリーク、情報漏洩っていうものは相当行き過ぎない限り、日本では罰されないできたと。

だからこそ官僚は、政権が自分たちの意向に逆らって、ものを進めようとしたり、してくれなかったりすると、後ろから刺したりできるんですね。

この刺したりできるっていうのは、たとえば、ご記憶のように、民主党政権のときの鳩山さんの末路であるとか、あるいは小沢一郎さんに対する検挙であるとか、あるいは福田康夫さんが「あなたとは違うんです」と言った会見がありましたけれど、ああいった怒りを生んだほどの、後ろから刺されたというような、当時の状況があるわけですけれど。

まあ、大変な権力を官僚の方はお持ちですから。官僚を“巨悪と戦う存在”としてだけ見てしまうと、よくないということは国民の皆さんは知っておくべきかもしれない。

ただし、自分の上官、上司、政権といった自分より強い人が間違いを犯していると思ったときは、やはりリークをするというのは古今東西、使われてきた手段なので、「それはそれでいいんじゃないか」というぐらいの度量の広さは政権に欲しいところではあります。

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6月15日放送「ホウドウキョク×FLAG7」より
記事の内容を動画で見る→ https://www.houdoukyoku.jp/archives/0009

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