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AIで会話が弾み、SNSで思考が衰える。これから「伝え方」に起きること
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AIで会話が弾み、SNSで思考が衰える。これから「伝え方」に起きること

【パックンと探る】日本人のコミュニケーションの現状と改善するための方法

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Jun 28, 2017 by Shimizu Toshihiro Reporter

3 Lines Summary

  • ・AIが引き出しを把握して、会話の中で面白そうな話を提供
  • ・ツイッタ―などの短い文章だと反論が入れられない
  • ・意見の合う人同士の集まりは恐ろしさや危険性が大きい

固定電話、ポケベル、PHS、ガラケー、電子メール。いつの時代も、新しい技術や機器が登場するたびに「便利にはなったものの、人間の絆が…、記憶力が…」などと批判や懸念の声が出るのは世の常といった感じ。

AI(人工知能)やSNSなどの進化を、お笑いタレント・パックンはどう考えているのか、話を聞いた。

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もし、AIに頼ったらどうなる?

――ホウドウキョクの記事では「AIがどんどん発達して、コミュニケーションの形が変わっていくんじゃないか」という未来を考えるテーマが人気です。
例えば、パックンにインタビューする時には、AIが質問する内容を考えてくれる。しかも、それを3択で表示してくれるメガネなんて登場するかもしれないですよね。

選択肢1に「パックンの生い立ちを教えてください」、選択肢2が「今後のことについて聞きましょう」…そんな感じでメガネに表示されて、3つの質問から選ぶだけでいい。

遠くない未来にそんな時代が来るかもしれない。ただ、そうした技術が発達しすぎると、コミュニケーションができない人がどんどん増えていくという懸念の声もあります。

逆にそれを「補足」だと思えば、コミュニケーションが楽しくなるかもしれませんよ。

僕ら芸人のようにしゃべる職業の人は、頭の中に引き出しがガーッと並んでいるんですよね。どこかの資料室のように。そして、しゃべっている間にも“ラベルを見ている目”があるんですよ。

若いころの話、大学の話、社会人になってからの話、本で読んだ話、ウィキペディアで調べた話、自然界の例え、社会の例え、アメリカの例え、このあいだ行った国の例え、報道で見た何か、映画で見た何か…。保管箱のラベルを常にチェックしているんですよ。

ちょっと心に引っかかった話だと、何かタイトルが付けられるんですよ。そこから引き出して使おうとする。しゃべりながらずっと「探す作業」と「タイトルをつける作業」を脳の奥では同時進行でやっているんですよ。

それをAIがやってくれて、僕が持っている引き出しをすべて把握してくれるなら、会話の中で面白そうなものを「ピッ」と提供してくれるかもしれないですよね。

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知らない言葉はAIが教えてくれる

――確かに会話が盛り上がりそうですね。

僕らはコンビで活動していて、お互いの引き出しをよく知っているんです。だから、自分が忘れていても相手が「お前、あれだし」って振ってくれる。僕も自分の引き出しから相方に振る。

番組の司会をやっていると、それぞれのゲストの引き出しを把握していればしているほど、面白いことを引き出すことができるんです。だから、AIがその答えを補足してくれるなら、さらに面白くなるかもしれない。

インターネットを使っていて知らない言葉が出てくると、リンクが貼ってあると楽じゃないですか。それをもしかしたら、会話の中でAIがやってくれるかもしれない。「蛇足」という言葉が出たら、ピッって蛇に足が書いてある絵が出てくるとわかりやすいよね。話を止めないで注釈が見えるわけ。

グラスなのか、それとも直接、神経に繋げるのかはわからないですけど、そういう日はくると思うんですよ。そうしたら、コミュニケーションができなくなるどころか、話が止まらなくなるじゃないですか。面白いから。

でも、それが来るのは10年、20年先なので、AIを待っていないで、自分たちで「資料室の閲覧」を日々から練習しておくといいですよね。

短い文章は強くもあり危険性もある

――SNSなど短文でやり取りをするコミュニケーションについては、どう見ていますか?

僕はニューメディアを否定したくないです。

正直、僕は長い文が好きです。ニューヨーク・タイムズとか週刊誌の記事とかが好きなんですよね。長くて、読むものとして歯ごたえがあると思う。

でも、140文字でまとめるツイッターの必要さはもう認めざるを得ないですよ。だから、2000字を1000字に絞る作業を極めてもらうんですね。要点だけをキャッチーに伝える力です。

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――「もともと絞っていなくて短く、深く考えていない」というケースもありそうですか?

LINEのやりとりも短いですよね。速いですし。グループの会話だったら、速くないとおいてかれる。

僕の高校時代には、みんなが集まって議論するときは、しゃべっている人のことを最後まで聞くっていう礼儀がありました。でもLINEでは、誰かが書き込んでいる間もみんながザーッと会話を続ける。すると、書き終わる前に話題が関係なくなってしまって、書き込みを削除するなんてこともあると思うんです。

せっかく考えて、せっかく議論のタネを提供しようと思ったのに、それを植え付けないで、育てないで、結局タネも捨てちゃう。何も実らないで終わってしまう。もったいないなと思う。

短い文章は、強さはあるけど、恐ろしさや危険性もあるなと思います。

それに、長い文章を日々、研究していないと思考は鍛えられないです。ツイッターなど短い文だと、自分の論文に「反論」を入れられないことになるんですよね。

自分の主張に対する反論は“仮想の敵”

――すると、反論が考えられなくなってしまう?

本来なら、自分の主張に対する反論も予測して、それも含めて先制攻撃をしなければならない。「こう反論されるだろうけど、それにはこういう甘さがある、こういう落とし穴がある、こういう見落としがある」っていう事前防御が必要なんです。短い文にはそんな余裕ない。

今の社会を見ていると「意見の合う人同士が集まって、最初から反論を聞かない」という傾向があると思います。反論を聞くとしても「あいつらはこう思っているよね」という感じで、“あいつら”から直接聞くんじゃなくて、仮想敵みたいな存在にしてしまう。そして、バッシングするだけ。

みんなで論破しようぜっていう真の主張でもないし、真摯にそれを受け止めて考えようともしていない。

短い文とか、今の趣味嗜好の似たものだけが集まっているグループの派閥化は、恐ろしさや危険性が大きいと思うんですよ。

実際に、会社に入ったり生の人間と接したりするときに、思考も鍛えられていないし、反論の仕方や受け止め方もわかってないから、議論もできない。これが恐ろしいなと思うんですよ。

イラスト=さいとうひさし


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世界に通じる伝え方・話し方
vol.3

AIで会話が弾み、SNSで思考が衰える。これから「伝え方」に起きること(この記事)

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