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「助言」に見せかけた妨害行為も…企業トップが受けた嫉妬の実例

特集『本当は怖い「オトコの嫉妬」』第3回

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Jun 28, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・面白そうな新規事業に対する嫉妬は“批判”を生み出す
  • ・事業が軌道に乗ると嫉妬は“根拠のない自慢”に変化
  • ・人は頑張れば同等になれそうな相手に嫉妬する

周囲からの忠告は“親切心”ではなく“嫉妬心”

男性同士の嫉妬というと、恋愛のいざこざよりも仕事に関するものの方が多いイメージがある。そこで、ビジネスの現場で起こり得る嫉妬について、これまで数々の妬み嫉みを買ってきたであろうスタートアップ企業の代表に聞いた。

話を聞いたのは、キャンピングカーレンタル事業やスマホ農業IoT事業といった、世の中になかった新しいサービスを創造するファインシードの代表取締役社長・頼定誠さん。実は、ビジネスマン向けに“オトコの嫉妬”に関するセミナーを開催しているという。なぜ、嫉妬に関して話そうと思ったのだろうか。

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「17年前くらいに転職をしようとしていた時、先輩から入社しようと考えていた企業に対して『その会社はやめた方がいい』と言われたんです。親切心かと思ったら、忠告してきた人達は過去にその企業から不採用になった経験があることがわかったんです。私が採用されたことへの嫉妬による行為でした」(頼定さん・以下同)

この経験から仕事の場でも嫉妬されることを知った頼定さんは、その後たまたまビジネススクールで嫉妬や承認欲求の話を聞き、興味が湧いたそう。

「自分の経験と絡めながら嫉妬に関する知識を得ていくうちに、嫉妬は社会的な感情だし、知っておくことでビジネスの場で生かせると考えて、セミナーを始めたんです」

ビジネスでの嫉妬は“批判”と“自慢”を生む

ファインシードは順調に業績を上げているが、会社そのものや新規事業の立ち上げの際には、転職時と同様に周囲から忠告されたという。

「現在行っているキャンピングカー事業を始める時に、以前の職場の上司から『キャンピングカーは借りるものではなく買うもの。そんな事業に資金を投入するのはおかしい』と言われたんです」

中には、頼定さんのビジネスパートナーに「車に関する事業をやったことないやつが新規参入しても、結果的に巻き込んだ人に迷惑をかけるだけだよ」とネガティブなことを言い、新規事業をやめさせるように仕向ける元上司もいたとか。

「これも原因は嫉妬だと思います。キャンピングカーレンタルという明らかに面白そうな事業を起こそうとしている元部下を見て、仕事を楽しめていない自分を顧みた時に『なんであいつは楽しそうなんだ』って思いが湧いて、悪口や批判につながったんでしょうね」

キャンピングカー事業が軌道に乗り始めた時には、批判的だった元上司達の言動が一変。「やはり彼の新規事業はうまくいくと思ったよ。俺もかなり相談に乗ってやったし」と、周囲にまったく逆の意見を言い始めたのだ。

「元上司には『新規事業を始めようと思います』と報告しただけで、相談に乗ってもらったことはないんですけどね(苦笑)。他にも『新規事業の提携先、資金調達先は、昔俺が紹介してやったのに』と、無茶苦茶な理由で紹介料を要求してくる人もいました。これもすべて、順調に事業を進めている私や企業に対する嫉妬ですね」

元部下の功績を、まるで自分のもののように吹聴し誇示するのは、相手に対して「羨ましい。自分もそうなりたい」という感情を抱いているからだと考えられる。では、元上司に「俺のおかげだろ」と言われた時、どう対応すれば波風立てず、相手の嫉妬心を沈められるのだろうか。

「嫉妬してくる相手を認めることです。私のような場合ならば『当初の批判的な意見がとても参考になりました』『実は自分も半信半疑で新規事業を始めたので』など相手の言い分を認め、褒めると嫉妬心は収まると思います」

頼定さんは「立ち上げ当初に批判された時点で『相談に乗ってもらえますか?』『一緒にやりませんか?』と声をかけるのも一つの方法」という。相手は批判的なため乗ってくることはほとんどないが、伺いを立てた事実があることで後々の嫉妬につながりにくくなるようだ。

取締役にイケメンが少ないのは嫉妬のせい!?

元上司による執拗な嫉妬に困らされた頼定さん。これまでの経験を踏まえて考える“オトコの嫉妬”とは?

「実は男性って、周囲をよく見ていると思うんです。私の独自調査によるものですが、一部上場企業の取締役にイケメンは少ないんです。これは、男性同士の嫉妬が働いているからだと考えられます」

例えば職場での飲み会、女性社員はイケメン男性社員と話しやすい位置に座ることも多い。その様子を男性の上司や同僚は見ていて、結果的に「あいつは顔はいいが、仕事ができない」とイケメン男性社員の価値を下げるようなウワサを流す――ということが男性社会にはあると頼定さんは話す。

「嫉妬は、頑張れば同じ位置まで行けそうな人に対して抱くものだと思います。30代の男性が今から頑張ってイチロー選手になるのはまず無理なので、『俺だってメジャーリーグで活躍できるはずだ』と嫉妬心を抱きませんよね。でも、国や都道府県の議員だと同等になれる可能性がゼロではないから、文句を言う(=嫉妬する)ことがあるんです」

ビジネスの場での嫉妬は、同僚や上司からされやすいといえるわけだ。しかし、嫉妬自体は決して悪いものではないという。

「嫉妬がいい方向に動けば、『自分も成功してやる』と粘り強さや努力に結び付くはずなんです。ただ、悪い方向に働くと、相手の足を引っ張って、自分と同じところかそれ以下に下げようという気持ちが芽生えてしまうんだと思います」

嫉妬を原動力に変えることが、ビジネスで成功する秘訣なのかもしれない。

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■頼定誠さん
株式会社ファインシード代表取締役社長。日本IBMや博報堂でキャリアを積んだ後、エフツーエム、モブキャストで取締役を務める。エフツーエムではアスタリフト事業立ち上げに参画。2015年4月から現職。

文=有竹 亮介(verb)
撮影=今仲俊介

本当は怖い「オトコの嫉妬」
vol.3

「助言」に見せかけた妨害行為も…企業トップが受けた嫉妬の実例(この記事)

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