広告なのに邪魔じゃない!「表示の最適化」はどこまで進化するのか
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広告なのに邪魔じゃない!「表示の最適化」はどこまで進化するのか

特集「未来はどうなる?買い物のカタチ・買い方のカタチ」第4回

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Jul 13, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・検索結果から購買履歴…広告最適化の進化
  • ・検索しなくても、位置情報で広告が表示される
  • ・あと一歩!「偶然のような出会い」は実現可能!?

一度購入した物や検索したページなどがウェブ広告として表示される。人に見られたくなかったり、何度も出てきてウンザリしたり、そんな経験はないだろうか?しかし、広告最適化の技術は飛躍的に進化しており、リクルートコミュニケーションズは量子コンピュータによる最適化研究も始めようとしている。

そう遠くない未来、「本当に欲しいと思っていたものが欲しいタイミングで表示される」なんてことが実現するかもしれない。広告表示の最適化は、今どこまで進化しているのだろう。最新事情について、ITジャーナリストの林信行さんに聞いた。

インターネットの普及、ブログの流行など
広告の最適化の変遷を振り返る

まずは、これまでどのような進化を遂げてきたのかということを、おおまかに教えてもらった。

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「インターネット広告は、注目が集まるページに目立つバナーを置き、表示された回数に応じた広告料を支払うバナー広告から始まりました。その後、このバナーの見られた回数(インプレッション)ではなく、クリックされた回数に応じて広告料を支払う『ペイ・パー・クリック』という概念が誕生。さらにクリックされる率をあげるべく、できるだけWebページに表示された内容に関係の深い広告を表示するコンテキスト広告という考え方が出てきます。最初のコンテキスト広告は、検索連動型広告でした。例えば『車』というワードを検索したら、車関連の広告が表示されるといった仕組みです」(林さん、以下同)

また、2001年ころからはブログが大流行。そこで、検索ページだけではなく、ブログでも見られる広告に移っていったという。

「これまでは、ユーザーが検索したキーワードをもとに広告を表示していましたが、少し人工知能的になってきて、ブログの内容に連動するようになりました。例えばラーメンの記事ならラーメンの広告といったように、ページの情報を理解して、表示させる仕組みができたのです。こうすることで、大手だけではなく個人のページでも広告を表示できるようになりました」

同じころ、Amazonでは「この商品を買った人は、こんな商品も買っていますよ」という購買履歴からほかの商品をオススメするように。それらが重なり合い、混ざり合ってきたものが現在につながっているという。

スマホの普及で変化アリ!?
GPSの位置情報で広告最適化

インターネットの普及やブログの流行、さらにネットショッピングの人気上昇など、都度、時代背景にあわせて変化してきた広告最適化技術。では、現在の潮流は?

「従来のように、ウェブのどのページを見たかという『閲覧履歴』のほかに、『GPSの位置情報』を使っています。ですので、そのページをいっさい見ていなかったとしても、その時どこにいるかを判断し、その場所に適した広告が表示されることがあります。Facebookでは、『近くに友だちがいます』と、GPSで位置情報を拾っている機能がありますが、それと同じ原理です。以前、その時いた場所の近くでシャンパンのイベントが開催されていました。たしかに私はシャンパンが好きなのですが、特に検索したわけではありません。ただ、近くにいるというだけで、広告が出てくるのです」

このような位置情報を用いた広告表示は、2007年以降のスマホの普及に由来すると、林さんはいう。

「10年前、米国でiPhoneが発売されてから2カ月ほどで、Googleへの携帯電話からのサーバーアクセスが10倍に増えました。この10年でパソコンよりもスマートフォンからのインターネット検索のほうが多くなってしまいました。それまでは一日のうちパソコンの前にいる時間しかインターネットを使いません。ですが、スマホの台頭により、料理をしながら、移動しながら、トイレに入りながらなど、接触時間が長くなりました。Twitterもそう。以前は室内のつぶやきばかりでしたが、スマホの普及以降は街中での投稿が増えましたよね。ネット上の情報の性質が変わってきたこと、位置情報が広告において重要になったのも、スマホが出てからです

また、2008~2009年頃に、広告サイズをスマホの画面に合わせたスマホ最適化広告が増加。これによって、インターネット上の広告クリック数も激増した。

欲しいタイミングで表示も実現可能!
未来の広告最適化はどうなる?

ここまで、広告最適化の歴史を見てきたが、このまま順調に行けば、「本当に欲しいと思っていたものが欲しいタイミングで表示される」なんて「偶然のような出会い」も不可能ではないように思えるが…。

「今、日本の広告業界が一番力を入れているのは、『最適化』ではなく、記事としても楽しめるような『記事広告』だと思います。それは、そもそも広告を出す側にテクノロジーがないからですが」

冒頭、リクルートコミュニケーションズによる「量子コンピュータ」での広告最適化研究も、まだまだ道半ば。将来的には実用化が見込まれるかもしれないが、現段階ではまだ何とも言えない状況だ。

とはいえ、さらなる進化を期待して、林さんはこんな話をしてくれた。それは、日本ではまだあまり知られていないが、アメリカで大流行の「Amazon Echo」についてだ。

「Amazon Echo」とは、アマゾンが所有する人工知能「Alexa」を自宅で利用できるというもの。質問への回答や音楽の再生、電子書籍等の読み上げ、Amazonの注文履歴から再注文など、さまざまな情報を提供してくれる。

また、IoT技術を使って、例えば「エアコンをオフにして」「あの番組を録画して」などのやり取りも可能だ。

「広告とは少し違うのですが、『Amazon Echo』というのは、スピーカーのようなもので、アメリカでは今かなり売れています。スピーカーやマイクを家に置いて、例えば『トイレットペーパー 1ダース 発注』と言えば、勝手に家に届くという仕組みです。Amazonが勝手に学習していき、『そろそろトイレットペーパーいりませんか?』というのも始まっています。これと同じように、ネット上での自分の動きを学習して、広告業界でも応用できる日は来ると思います」

これまでも、どんどん進化してきた広告最適化技術。現在も、さらなる発展に向け、さまざまな動きが見られる。実現されるかどうかもわからないし、いつ頃実現されるのかもわからない。しかし、今回話を聞いてみて、「期待せずにはいられない」。そんな気持ちになったのは、きっと筆者だけではないはずだ。

■取材協力
林信行
http://nobi.com/

取材・文=明日陽樹/考務店

未来はどうなる?買い物のカタチ・買い方のカタチ
vol.4

広告なのに邪魔じゃない!「表示の最適化」はどこまで進化するのか(この記事)

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