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いくらが正解? 我が子のためになる「おこづかい」にはコツがあった

特集「子どもとお金」第1回

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Jul 17, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・おこづかいの相場は昔からほぼ変わらない
  • ・おこづかいは子どもの欲求を抑える大切な訓練
  • ・お年玉は将来の教育資金

社会の変化とともにお金の在り方も変わる。時代が変化してもわが子には上手にお金と付き合って欲しい。子どもとお金を考える今特集の第1回の今回は、子どもが一番初めに触れるお金、「おこづかい」について探る。

今でも「学年×100円」は健在

今どきの若者はゲームをするならスマホ、音楽を買うならiTunes、買い物をするならメルカリで。幼い頃から親と一緒にゲームセンターでカードゲームを楽しむ。この20年で子どもの娯楽のかたちは大きく変化してきた。欲しいものが多くてさぞかし親におねだりをしているのだろう、と思ってしまう。きっとおこづかいの額も跳ね上がっているのでは?

「そんなことはありません。実は子どものおこづかいは、この過去40年程を見ても大きくは変化しておらず、むしろやや抑えめな傾向です」とは、「子どもマネー総合研究会」のファイナンシャル・プランナー・豊田眞弓さん。下の表とグラフを見て欲しい。これは2015年、金融広報中央委員会が全国の小中高生、約5万人に調査したおこづかい額のデータだ。

小学生の場合、例えば「月に1回もらっている」高学年の子どもは500〜700円未満が最も多く、おおよそ「学年×100円」という相場は健在のようだ。

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中学生のおこづかいは、1000円未満から5000円以上とさまざま。しかし、この平均値は2536円であった。また高校生もさまざまな額が並ぶが、平均値で5114円である。つまり中学生は「学年×1000円」。高校生はだいたい5000円くらいといったところが相場である。

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昔とあまり変わっていないことに驚きを覚えるが、数々の家計を診断している豊田氏の感覚では、減少傾向にあるのではと語る。

「今は親の意識が変わり、『おこづかい』を金銭教育の一環と捉えるようになってきたように思います。どちらかというと昔の親の方がお金に無頓着で無造作に子どもにお金をあげていたように思います。変化してきた理由としては、時代が変わって今やお給料が上がらず景気もよくなりません。家計が厳しくなったことも、子どもにもしっかり金銭教育を施すようになってきた理由だと思います」

しかし、データの平均値はあくまで平均値だ。すべての小学生が「学年×100円」をもらっているわけではない。

「よく、おこづかいは、いくらぐらいが適正額か聞かれます。おこづかいの額に正解はありません。あなたが住むエリアのママ友や、あるいは子供が親しくしている親同士で話し合って、相応の額を与えればいいのではないでしょうか」(豊田氏、以下同)

おこづかいを与える時期も同様だという。子どもが興味を示すのはだいたい小学校3年〜4年生。普段付き合いのある子供の親同士で話し合って決めるのも手。特別な哲学や家計の事情などがあれば別だが、子どもの社会生活に配慮するなら、周囲と足並みをそろえるのがベターだという。

おこづかいの「やりくり」は欲求を抑える訓練になる

では、どのようなおこづかいのあげ方が、子どもにとって良いのか。それは、干渉しすぎないことだという。

「おこづかいをもらうと、その日のうちに全部使ってしまうような子もいれば、まったく使わずに貯めていくタイプの子もいます。でもおこづかいの使い道はその子に任せましょう。足りなくなっても補填しないこと。また使い道にも原則は口を出さない方がいいでしょう。おこづかいは、その子のお金の使い方の『クセ』を知って、問題があるなら親の目が届くうちに治す良い機会です。自分のクセを知らずに大人になって社会に出てしまうと、収入以上に使ってしまいいきなりお金の問題に直面することも」

親が干渉しすぎると、「クセ」が見えずに問題を先送りすることにも。こんな例があるという。

「小中とおこづかいの管理がきちんとできた子に、高校生になったタイミングで今までその子のために貯めてきた100万円が入った通帳を渡し管理を任せたんです。でも手にしてすぐに、そのほとんどのお金をゲームに費やしてしまったそうです。実はそれまでおこづかい管理ができていたのは親が干渉していたせいで、そのせいで本当の『クセ』が見えていなかったのです。でもまだ社会に出る前にわかったことで、学生の間にお金の使い方への注意を促すこともできました」

子どもに「おこづかい帳」を付けてもらい、おこづかいを渡すときに前月どのような使い方をしたか報告してもらう程度でいい。使い方までは干渉しないようにしたい。

お年玉は学費として貯金するのが今や常識!

さらにもうワンステップ、子どものおこづかいの上手な与え方は、お年玉も含んだ「やりくり」を覚えさせることだという。少子化の現在、お正月や盆に子どもにとっては大金を手にする機会は増えた。この臨時収入をまるっと、子どもに渡さないことが重要だ。

「例えば、1万円もらったら、1:9の割合で、9000円を貯金する、などルールを設けておきましょう。そしてその貯金は『あなたの将来の学費なのよ』と未来に備える大切さも教えます。割合は、子どもとの交渉で決めてもいいでしょう。このお年玉という特別収入と毎月のおこづかいで1年をやりくりするように伝えます」

大学進学費用が年々高まる今、子ども自身が大学や専門学校の進学に備えることが今や珍しいことではない。なので間違っても「預かってあげる」といって、親がお年玉をうやむやにするのは避けたい。

そもそも、おこづかいとは、子どもを信頼して家計の一部を子どもに預ける行為だ。親が必死に稼いだお金を預けてもらっている、という共通認識が生まれれば、お金のありがたみと同時に、親への尊敬の念も抱くはずだ。
ではお年玉の管理はどうするのか?

「おこづかいの『見える化』をしましょう。銀行口座の通帳は子どもと共有します。9000円を親が預かったのなら、できれば親子で入金しにいき、残高が増えたことを一緒に確認します。ただ子どもはすぐに自分の貯金額を言いふらすので、周囲には言わないよう口止めすることも忘れずに」

親の生活すら先行きが見えない中、子どものおこづかいの扱いから親も学ぶ点が多いはず。この夏、お盆玉をもらったり、親戚からの臨時でおこづかいをもらったら、親子で将来の話をしておきたい。


豊田眞弓氏
経済誌・経営誌などのライターを経て、1995年より独立し、ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザーとして活動。個人相談やセミナー講師の他、書籍・雑誌の執筆や監修などで活動。オールアバウト「子育て・教育資金」ガイドも務める。人生3大支出の中での教育資金や、子どもの金銭・金融教育を得意としている。
http://oyako-kintore.jp/

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イラスト=さいとうひさし
取材・文=武藤徉子

表・グラフ出典
2015年金融広報中央委員会「知るぽると」より抜粋

子どもとお金
vol.1

いくらが正解? 我が子のためになる「おこづかい」にはコツがあった(この記事)

3.5
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