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いくら貯めれば足りる?「子どもの学費」を確保する方法

特集「子どもとお金」第2回

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Jul 18, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・児童手当を家計に組み込まなければ学費は貯める
  • ・お年玉は重要な財源、コツコツと貯蓄させるべし
  • ・リスクを取るなら全体の3分の1までと心得よ

少しでも良い職に就くために決断した大学進学。けれども想定していたよりも給料の伸びは低く、毎月の返済に長く苦しめられる。今、奨学金を借りた若者が返済の重圧に悲鳴を上げている。

子どもとお金の付き合い方を考える特集「子どもとお金」第2回。今回は、親が将来のわが子の進学費にどう備えればいいのか一緒に考えていきたい。

最低300万円貯めればなんとかなる

少子化の今、大学全入時代を迎えている。大学、専門学校などで学ぶことが将来どれくらいのリターンを生むのか疑問視する声もある。けれども、少しでも子どもの可能性を伸ばしてあげたいと思うのが親心というもの。しかし国公立大学ですら授業料が安くはない現在、どれくらいの資金を将来に備えておけばいいのか。

前回に引き続き、「子どもマネー総合研究会」のFP・豊田眞弓さんに聞いた。

「学費といっても、純粋に授業料だけを用意すればいいのではありません。受験するにあたり、参考書を購入したり、塾に通ったり、受験するにも受験料や人によっては宿泊費や交通費もかかります。入学しなかった場合でも納付金が必要だったり、入学後の通学費、教科書購入代、施設設備費、自宅外なら寮や部屋探しのコスト、寮費や家賃、生活費などもかかります。それを試算したのが下の表です」(豊田氏、以下同)

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自宅から国公立大に通学する場合、4年間で合計457万5000円。私立大学で自宅外通学をする場合は、文系で1220万1000円。理系では1362万6000円が必要。やはり大学進学費用はそんなに安いものではない。今でさえそんなに余裕のない家計でどうやって捻出するのか。

「学費の貯蓄は実は簡単です。細く長くコツコツと貯めればいいのです。一番貯めやすい方法としては、児童手当をそのまま貯金することです。今、子どものいる世帯では、子どもの年齢や所得に応じて、5000円〜1万5000円を自治体から支給されているはずです。所得制限のない家庭で0歳から15歳までのすべてを貯蓄した場合、200万円弱になります。それプラス、子どものお年玉やお盆玉、親戚からもらった臨時のこづかいなどを貯金させれば、300万円も遠くはないです」

財形貯蓄など給与から強制天引きを!

前回の「おこづかい」の記事でもお伝えしたように、今や子ども自身で将来に備える時代。お年玉の何割かを貯蓄させれば、18年間で数十万円から100万円越えも夢ではない。

しかし、それでも最低進学費用450万円には150万円ほど足りないのだが…。

「300万円あればなんとかなるラインです。不足分は、例えば母親がパートをする、子どものおこづかいは自分でバイトさせる、また一部奨学金を利用する、などで補えます。しかし、本当に毎月カツカツでなければ、親が児童手当に毎月1万円プラスするだけでも、かなりの額になります。学費を貯める王道は細く長くです。使う時期が決まっているので、計画的に備えることもできます

0歳から18歳まで、毎月1万円を積み重ねれば216万円にもなる。しかしこの「毎月」を実践するのがなかなか難しい。月によっては冠婚葬祭など特別な支出もある。それはどうクリアすればいいのか。

「児童手当が振り込まれる口座を家計と別に設ければ、うやむやになりません。もしくは、会社で財形貯蓄のある方なら『児童手当額+1万円』を給料から天引きにしておけば使い込むこともありません。会社で財形の制度がない人も、銀行で『自動積立』の設定を行えば、毎月決まった日に決まった額を積立の口座に移してくれます」

「こんなはずじゃなかった」に気をつけて

学費はなるべく簡単に引き出せないような方法で保持し続けたい。ではどのように持つのがいいのか。学費といえば、学資保険やジュニアNISAなど、も浮かぶ。

「実は、学資保険を含む、貯蓄型保険の標準利率と呼ばれる利回りの基準値が、今年の4月に引き下げられました。学資保険は、あまりうま味のない商品になっています。保険会社としてもあまり儲けのない商品なので勧めてこないはずです。


そこで保険会社が今、勧めているのが『外貨建て』の保険です。予定利率は円建てより高いです。ですが、なにより為替リスクがあり、円高になると資産が大幅に目減りする危険性もあります。ただ将来、海外へ留学に行く予定があるのなら、いいかもしれませんが、外貨建ては教育資金の一部にとどめたいものです」

もうひとつ、注意したいのがジュニアNISAだ。子ども名義で証券口座を開設し、株などで資金を運用できる。運用で得た利益は非課税なので「増やしたい」と思う親には向いているのではないか?

「ジュニアNISAは、年間80万円まで投資ができ、その運用益や配当は非課税です。けれども口座は、子どもが『3月31日時点で18歳である年の前年12月31日』まで引き出せません(実際は引き出せますが、課税されてしまいます)。つまり高校3年生の1月からしか非課税でお金を取り出せません。

今、大学生の約半数がAO入試や推薦入試で入学しています。つまり高校3年生の秋から受験は始まっており、10月頃から受験料などが必要になります。運用したい人にお勧めしたいのは、来年の1月から始まる、つみたてNISAですね。投資できる額は年間40万円までですが、運用期間は20年と長く、資産の引き出しはいつでも可能です。学費のように毎月コツコツ貯めるには親名義でつみたてNISAを利用するのがいいかもしれませんね」

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近年、国民に株を買わせようと政府は躍起になっている。また景気もインフレに上振れするのではと、ささやかれている。だが、豊田氏は運用は安易には勧めない。

「将来の景気がどうなるかなんて、だれも予想できません。教育資金の場合、外貨建ての商品や問う姿勢の商品を組み込むなら、資産の3分の1までにとどめるべきでしょう。残りの3分の2は安全性の高い商品を購入しましょう。積立はできませんが、個人向け国債(変動10年)は、利回りもよくインフレにも対応できお勧めです」

投資は長期が儲かるとはいうが、資産が目減りする危険性もある。さまざまな景気の局面に備え、株や投資信託の外貨建て商品を買うのはいいが、リスクを分散させるには3分の1という枠に抑えよう。

教育費は“児童手当”プラスαを“細く長く”続ければ、受験を迎えても慌てることはない。今すぐ学費を確保するよう行動に移そう。



豊田眞弓氏
経済誌・経営誌などのライターを経て、1995年より独立し、ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザーとして活動。個人相談やセミナー講師の他、書籍・雑誌の執筆や監修などで活動。オールアバウト「子育て・教育資金」ガイドも務める。人生3大支出の中での教育資金や、子どもの金銭・金融教育を得意としている。
http://oyako-kintore.jp/

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※掲載の表「大学でかかる費用の目安」は豊田眞弓さんが作成

イラスト=さいとうひさし
取材・文=武藤徉子

子どもとお金
vol.2

いくら貯めれば足りる?「子どもの学費」を確保する方法(この記事)

3.5
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