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我が子が「YouTuberになりたい」と言ったら?マネー教育のチャンスだ

特集「子どもとお金」第3回

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Jul 19, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・マネー教育とは「生きる力」を学ぶところ
  • ・子どもが納得のいく人生を送る方法を知る
  • ・子どもがYouTuberになりたいといったら一緒に考えるチャンス

子どもの現在と未来のお金をひもとく今特集。第3回目は、「子どもにマネー教育は必要か?」。

2016年には、子ども名義で証券口座が開設できるはジュニアNISAが開始。そして近年、子ども向けマネー教室が盛んに行われていると見聞きする。ここではいったい何が教えられているのか。財テク力を磨いて将来お金持ちになるエリート教育が施されているのだろうか。

その実態を約10年前より全国各地にてマネー教室を開催している、キッズ・マネー・ステーションの八木陽子さんに聞いた。

自分で稼ぐ力こそ今の時代に必要

「私たちはいくつものテーマの講座を開催しておりますが、その目的を究極に絞るなら『子どもが将来、自分で稼ぐ力を身につけ、その一部を社会に還元し、自分も社会もハッピーな未来を築く』ためです」(八木さん、以下同)

日本でお金の話というと、いやしいなどとネガティブなイメージを持たれる。だが、お金は生きていくうえで避けては通れない分野だ。なぜなら時代も次々と変化しているからだ。

「かつての日本では、ひとつの会社に長く勤め、何もしなくとも給料は上がりました。そしてお給料を郵便貯金などに預けていれば年利6%で右肩上がりに資産が増えた頃もありました。けれども時代は変わり、日本もグローバル競争に巻き込まれています。仕事は人件費の安い国にどんどん働く場が奪われています。こんな時代だからこそマネー教育が大切とされています」

今の時代、海外で就職せず国内で生涯働くつもりでも、自動的にグローバル競争に参戦させられているのだという。そのグローバル化社会でも立派に生き抜く力のひとつがマネー教育で養われるのだ。

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お店屋さんごっこで多様な職業体験をする子ども達

「グローバル教育の『3種の神器』とは何かご存じですか? ひとつは英語、もうひとつが会計、最後がITリテラシーです。学校ではすでに何年も前から英語教育を強化しています。また近々プログラミングも近々必須科目に組み入れられます。でも会計はどうでしょう? 会計とはすなわち収入と支出をコントロールする力を指します。ここを日本で教えてくれる人は誰もいませんでした。だから私たちは学校教育では足りない、『稼ぐ力』と『管理する力』の両方を身につける方法を教えています」

今まで、マネー教室といえば支出をおさえる「節約」について考えることが多かった。けれども支出のコントロールだけでは、限界がある。家計は「収入と支出」ふたつをセットとして見て初めてバランスが取れるのだ。

夢がかなわなくてもモチベーションは下がらない

しかし「稼ぐ力」と言っても簡単ではない。大企業に勤めてもリストラの憂き目にあったり、YouTuberの台頭をみると必ずしも従来の安定した大企業への就職や公務員になることが幸せとは思えない。どうやって子ども達に自立して働く力を身につけさせるのか。

「子ども用の通貨を利用した『お店屋さんごっご』を通して、多様な職業体験をしたり、自分たちの生活費を見直し、生きていくコストを実感させたり…。お金と言っても切り口はいろいろです。

例えば『ポテトチップス』が食卓に届くまでを考えるとします。ポテトチップスをつくるには、まず農家さんがジャガイモを育てないと始まりません。そしてそのジャガイモの育成に農機が必要です。その機会をつくる人、そしてジャガイモを工場まで運ぶ人。さらにポテトチップスを買いたくなるようなパッケージを考える人、消費者と商品をつなぐお店の存在などが見えてきます。ポテトチップスというひとつの商品にも多くの人や職業が関わっていること実感させます」

私たち親世代も同様だが、知っている企業や職種なんてほんの一握りにしか過ぎない。社会に出る前に、知っている職業を増やすのは、働くことに対して、モチベーションも変わってくるという。

「よくサッカー選手になりたいという子がいます。けれど年齢を追うごとに、プロになれるのは、ほんの一握りの才能ある人物しかないと気がつくでしょう。しかし、サッカーに関わる仕事はこれだけではありません。選手をサポートする人、グッズを販売する人、試合会場を提供するなど、多くの人がサッカーに関わっています。このように多くの関連職種があることを子どもが知っていれば、子どもがたとえ選手になれなかったとしても、子どものモチベーションは下がらないはずです

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キッズ・マネー・ステーションでは電子マネーとの付き合い方など幅広いテーマで講座を行う

「YouTuberになりたい」も一緒に考えるチャンス

サッカー選手や野球選手こそ昔から人気の職業だ。では子どもがYouTuberになりたいと言い出したらどうするか? やみくもに否定するのではなく、一緒に可能性を考えることが大事だという。

YouTuberのなかでも『どんな人が稼いでいるの?』と考えさせる機会を与えます。すると『表現力のある人』『マメに更新する人』『普通じゃない発想をする人』などと意見が上がってくるでしょう。これらの人より秀でた能力を身につけるには、『学校でまず勉強しないと身に付かないよね』と、学校の勉強をがんばりつつYouTuberを目指すことを伝えましょう」

親の役割は子どもと一緒に考えることだ。例えば子どもが「トリマーになりたい」と言った場合、待遇面を考えて「止めなさい」と言うのは簡単である。でもトリマーに関連した職業でも「トリマーを養成する仕事」の場合はどうか。どんな職業にもいろんな切り口があることを一緒に考える姿勢が大切である。

「自分で稼ぐ力は、英語学習と一緒でひと晩で身に付くものではありません。講座はきっかけにすぎず、折に触れて調べたり、子どもの意見を聞いたりと、日々の努力が必要です。子どもが将来、納得した生活を送るためにも『マネーの意識』を強化することが今後は必要でしょう」

ひとつの夢に挫折しても、腐らず次の仕事にやり甲斐を見出す。こんな子どもが大人になれば日本の社会も明るいに違いない。



八木陽子
株式会社イー・カンパニー代表、ファイナンシャルプランナー、キャリアカウンセラー、「キッズ・マネー・ステーション」主宰。上智大学卒業後出版社を経てファイナンシャルプランナーに。現在までに、1000件以上の相談を実施。一貫して、顧客の立場に立った「マネープラン」「キャリアプラン」を提案。2017年より文部科学省検定の高等学校の家庭科の教科書に、ファイナンシャルプランナーとして初めて掲載される。『6歳からのお金入門』(ダイヤモンド社)など著書多数
http://www.1kinsenkyouiku.com

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取材・文=武藤徉子

子どもとお金
vol.3

我が子が「YouTuberになりたい」と言ったら?マネー教育のチャンスだ(この記事)

3.5
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