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“絶対やってはいけない3つの行動”?「見出し」と「コメント」の問題点

【NewsPicks × ハフポスト × ホウドウキョク】“ネット時代”のニュースのあり方『新・週刊フジテレビ批評』The批評対談(3)

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Aug 13, 2017 by Shimizu Toshihiro Reporter

3 Lines Summary

  • ・ニュースのコメント欄には誹謗中傷など溢れる
  • ・PV至上主義だと見出しが中身と違うことがある
  • ・現代は信頼性が目減りしている時代

記事盗用やキュレーションサイトの信頼性、フェイクニュースの問題など、様々なネットニュースを巡る話題に、各サイトはどう取り組み、ニュースをどう伝えているのか。3つのニュースサイトの運営責任者が語った。

佐々木紀彦(NewsPicks編集長)
竹下隆一郎(ハフポスト日本版編集長)
清水 俊宏(フジテレビ「ホウドウキョク」運営責任者)

コメンテーター:津田大介(ジャーナリスト) 

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コメント対応でメディアが疲弊

津田(ジャーナリスト):
ニュースのコメント欄の問題などYahoo!に対する社会的な批判は、ここ1年で急速に増えてきました。Yahoo!側の対応は今注目されるところです。


竹下(ハフポスト):
Yahoo!のコメントを見ると、特定の宗教や、民族、国に対するヘイトスピーチなどが溢れています。

見ていて本当に不快。主義主張のレベルを超えて誰かを嫌う、存在を抹殺するようなコメントがあって、読者としても嫌な気分がしてしまいます。巡回をする、コメントを削除するなどの対応をもう少しやっても良いと思います。
 

清水(ホウドウキョク):
Yahoo!はプラットフォームとして大きいので、削除が追いつかないという面もあるようです。皆さんのメディアもコメントができると思いますが、そういった不快なコメントに対してはどうやって対応していますか?
 

佐々木(NewsPicks):
NewsPicksでは、誹謗中傷が出た場合は削除したり、書かれた当事者から通報があればすぐ対応したりしています。

言論の自由と、意見の多様性は絶対に担保したいと思っていますが、明らかに個人を非難している、真実に基づいていないなど、そういった場合は削除するようにしています。
 

竹下:
ハフポストでも同様に「トランプさんが好き」、「○○首相が好き」という政治的なスタンスは良いと思うが、そこに加えて「だから○○人はダメ」などといったコメントは削除するようにしています。

言論の自由なのか、誰かを誹謗中傷しているのかということを見るようにしています。

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津田:
少し前にFacebookのコンテンツ基準のガイドラインが流出して話題になりました。アメリカでも日本でも、コメントの是非の判断は表現の自由は憲法にも関わってくるので、なかなか難しいです。

結局その基準を一民間企業が決めないといけないところも議論の余地があると思います。
 

竹下:
ハフポストでは、削除をすると、削除された人から「どんな権限があって削除しているのだ」と批判がきます。個別にメールがきた場合には、削除の理由を開示しますが、当然納得しない人もいます。

その対応は全てメディア側の負担になっていて、もう少し業界全体、あるいはプラットフォームを巻き込んで基準を考えないと、それぞれのメディアが疲弊してしまいます。
 

津田:
アメリカでは、例えばヘイトスピーチなどの場合には、それらを監視しているNPOがしっかりしていて、NPOが見て判断をします。Facebookが判断するのではなく、外部の専門的知見を持った人に委ねるという考えです。

日本の場合は判断する機関が手薄いので、同じようなことが難しい状況です。
 

清水:
Facebookの中で問題のあるコメントがあった場合には、そのコメントしたユーザーを表示しない機能があります。ユーザー本人には削除されているとの通知がいかず、その友達にもコメントが見えている状態。しかし、一般の友達ではない人には見えないので不快な思いをしないという機能です。これもメディア側が対応するのは大変です。

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竹下:
言葉は本当に難しいです。親しい人同士で「バカ」と言っても、それは愛情表現で通じますが、知らない人に「バカ」と言うと何で急に言ってくるんだとなりますよね。

明らかなヘイトスピーチや悪口は分かりますが、文脈を読まないとわからないコメントなどもあります。それを削除してしまうと言論を封殺してしまうことになる。人工知能に任せれば良いという議論もありますが、本当に難しいテーマだと思います。

絶対やってはいけない?

佐々木:
ニュースメディアでは強烈なインパクトのあるタイトルが並んでいて、読んでみたら中身が全く違うという見出しの問題もあります。

それもPVを追うことがインセンティブになるシステムが良くないです。読んでみてがっかりされたらブランドが下がるはずですが、とにかく焼畑農業的にやってしまう問題があるんです。

課金システムなどが広がれば信頼が大事になって、扇動的にしないでおこうと抑制が働いてきます。経済的な原理、どういう形で稼ぐかのシステムが一番大事だと思っています。


竹下:
Facebookでは記事のタイトルよりも、誰がシェアしたか、どんな感想を持ったかが注目される要因となります。そのため、良くも悪くも見出しの意味がなくなっています。

見出しでなく本文で人の心を動かし、シェアするユーザーが自分で付けた文章やタイトルが宣伝文句となって広がるところが変わってきています。

なので、ハフポストでは、シェアしてもらう時に良いコメントを付けてもらえる記事をどう書くかということを編集部で話し合っています。見出しも相当考えて作っていますが、「見出しでクリック」という時代ではなくなっています。
 

津田:
記事をどうやってインフルエンサーに見つけてもらうかが、ネットメディアにとっては大きいです。ただ、インフルエンサーも必ずしも良識的ではないという問題があります。例えば百田尚樹氏がシェアした場合はどうかなど、違った文脈が出てきます。
         

清水:
ホウドウキョクはフジテレビで訓練された記者たちが実際に現場を取材して書いているという強みがあります。なので、内容には自信がありますが、Yahoo!やスマートニュースなどで他のメディアのコンテンツと一緒になった時には、タイトルの強さでしか選んでもらえません。

ありがたいことに「ホウドウキョクが好きだ」と言って選んでくれる人も増えています。しかし、不安を掻き立てたり、否定的なタイトルを使ったりした方が多くの人に読まれやすいという実態はあります。

例えば、「ビジネスパーソンがやっておくべき日常の行動」よりも、「ビジネスパーソンが絶対やってはいけない3つの行動」など、否定的なタイトルの方が明らかにクリックされます。

そのようなテクニックはいくらでもありますが、何でも世の中を否定的に捉えるニュースサイトで本当に良いのか疑念があります。

本当にクリックだけを狙っていくのであれば、不安を煽るような記事ばかりにすれば良いですが、ホウドウキョクを好きで、ホウドウキョクを見たいという人を増やすためには、違うタイトルの付け方を研究しなければならないと思っています。


津田:
現代は信頼性が目減りしている時代です。どんなメディアも完璧ではない。個人のジャーナリストも同じ。自分もたくさん炎上する。しかし、その積み重ねがポイント、偏差値のようになる。

信頼を大きく下げないことを繰り返し、それを数年積み上げていき、最終的に評価がされる時代になっていくと思います。

また、身近な人が言う「これ良いよ」という言葉の重みがどんどん増しています。それだけ共感を求めている人は多く、単に客観報道だけをすれば良いという時代は終わりを告げているということです。

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新・週刊フジテレビ批評「The批評対談」(2017年7月22日放送より)

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