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フランス政府が選ぶ「自動車産業」は
ルノー? それともトヨタ?

フジテレビ 風間晋解説委員の分析

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Aug 09, 2017 by Kazama Shin Reporter

3 Lines Summary

  • ・仏・英の化石燃料車販売禁止は “産業政策”
  • ・自動車産業はどの国でも保護の対象
  • ・政府はインフラ整備でメーカー支援

風間晋解説委員:
今日のテーマはトヨタが『EV(電気自動車)』の開発を表明した背景です。

これまで次世代エコカーの開発では『FCV(燃料電池自動車)』一筋でやってきたトヨタですが、ついにEVへ進出する背景の一つは、フランスやイギリスが2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する政策を発表したことです。一見、温暖化防止に積極的な政策と思われがちですけども、実は “産業政策”の側面が見えてきます。

自動車産業は裾野が広くて関係する雇用が多いと言われます。これは日本だけではなく、主要な自動車メーカーを抱えるすべての国に共通します。例えばフランス政府の場合は、ルノー、プジョーといった自国のメーカーに、熾烈なエコカー開発競争を生き残ってもらいたいという動機が強く働きます。ですからガソリン車やディーゼル車の販売禁止がルノーなどを不利にする政策判断であるはずがないんです。限界が見えてきたディーゼルエンジンに見切りをつけ、EV開発を続けるルノーなどの背中を強くプッシュする、そういうものだと言えると思います。特にフランス政府の場合はルノーやプジョーの大株主でありますから、なおさらだと思います。

そして、次世代エコカーはインフラ整備がとても大事なんです。EVの場合は「充電スタンド」、FCVは「水素ステーション」というものが必要なんですが、もしルノーを後押しするのであればルノーはEVであるため、フランス政府は国内でまず充電スタンドを整備します。VOLVOは2020年までに販売する全車種をEVにすると発表しています。そうするとスウェーデン政府も充電スタンド、フォルクスワーゲンもディーゼルに見切りをつけて電気自動車にすすむという方向性を表明しています。ですからドイツ政府も充電スタンドを整備します。ほとんどの先進国が財政赤字を抱えていますから、充電スタンドに加えて水素ステーションまで整備してくれるかどうか、かなり危ぶまれます。そうするとトヨタのFCVは、少なくともヨーロッパでかなり厳しい見通しに直面にしていると言えます。

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ーーこれまでは水素で動く車が未来の自動車になる流れができていたのでは?

風間:
日本の自動車メーカーの中でも日産はEV、トヨタはFCVでやってきたわけです。今、自動車文化は大きな曲がり角に来ていて、それが「自動運転」なんです。自動運転というのは運転することが楽しい人たちにとっては、「自動運転、何だコレ?」って思いますよね。

元々、自動運転というのは弱者にとって、ありがたい技術ではないかと言われていたわけです。お年寄りの方や、体が不自由な方とか、このような方たちが移動の自由を確保するために、自分で運転しなくても移動できる手段があるかどうかが大きいという部分があるわけです。でも、それだけではなく、「運転が好きではない」「得意じゃない」「運転しないで済むのであれば運転したくない」という人たちも少なくないんです。そういう人たちにとっても完全自動運転があれば便利ですよね。

その自動運転が注目されたのは、ここ4~5年だと思います。特にGoogleとか異業種の企業が参入してきたのが自動運転の分野で、それがEV熱を盛り上げてきている理由とも言われます。EVと自動運転は相性が凄く良い。コンピューターでコントロールしやすいというのがEVと自動運転の共通点で、FCVは個人的な印象ですが機械的な部分が相対的に多く残っている感じがします。EVは部品の数が37%ほど減るといわれ、となると、機械的な不具合が発生する可能性が低くなってコントロールが安定しそうだなと思われます。

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ーーバッテリートラブルはあるのでは?

バッテリーの警告システムがしっかり導入されると思います。EVの走行距離の短さを指摘する声がありますが、例えば中国ではレンタルサイクルのシェアが盛んで、スマホで予約して料金を払い乗り捨てる。EVなら同じことができるのではないかと思います。1000kmを移動したい場合、スマホで出発地と目的地を指定すると、仮にEV1台が200kmしか走れなくても200km先、さらに400km先での乗り換えも自動的に予約してくれるようなサイトがあればいい。EVならレンタルサイクルと同じ発想、ビジネス・モデルを実現しやすそうだと思います。

ーー充電スタンドもそれだけ増えていかなければいけませんよね?

そうですね。やはりインフラ整備が凄く大事で、インフラ整備が勝敗を分けるファクターになるのではないかと思います。イギリスやフランスは国の政策として、EVを推進しようとし始めています。日本との差が決定的という訳ではありません。日本メーカーの力をもってすれば、まだまだトップをとれる状況だと思いますよ。

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