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小野寺防衛相、任務遂行中のイージス艦を異例の極秘視察のわけ

「大臣として頼もしさを感じている」と発言した小野寺大臣。一方で連続する事故により米海軍イージス艦のやりくりが難しい状況が

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Aug 29, 2017 by Nose Nobuyuki Reporter

3 Lines Summary

  • ・横須賀拠点のイージス艦が、また衝突事故。弾道ミサイル防衛可能なイージス艦のやりくりが難しい状況
  • ・そのタイミングで小野寺防衛相が秘密裏に日本海に作戦展開中の イージス艦を視察
  • ・複数同時飛来の弾道ミサイルに対応できる米海軍のDWES。日本も連携により迎撃が効率化

アシスタント・千代島瑞希:
横須賀を拠点とする弾道ミサイル防衛用イージス駆逐艦の1隻「ジョン・S・マケイン」が8月21日、マラッカ海峡の東側でリベリア船籍の化学製品のタンカー「アトランティック・MC」と衝突。船の横に大きな穴が開き、4人が負傷、乗員10人が行方不明になりました。のちに数人の遺体が艦内で見つかったとのことです。この事件の責任ということで8月23日、第7艦隊司令官Vice Adm.Joseph Aucoinが解任されました。

能勢伸之解説委員:
亡くなった方にはご冥福をお祈りするしかなく、また行方不明9人の方が無事に見つかることを心よりお祈りするしかなのですが…
この事故は日本の防衛という観点からも考えておかなければならないという現実があります。

軍事評論家・岡部いさく:
そうです。アメリカ海軍にとってこの事故は大きな衝撃で、訓練の方法を見直さなければならないという話になっています。そして能勢さんの言うように日本の防衛に大きな影響があります。私の書いたイラストをご覧ください。

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これが横須賀に配備されているイージス艦。そして水色のラインから左側が弾道ミサイル防衛能力を持っている艦船です。左上のミサイル巡洋艦シャイローを中心として駆逐艦が6隻いるんですが、先日伊豆沖でタンカーと接触事故を起こしたフィッツジェラルドと今回のジョン・S・マケインの2隻の損傷状態を見ると、この赤く囲った2隻は当分動けない。フィッツジェラルドは本国に持って帰ることになりました。ジョン・S・マケインの方も映像を見ると機関室に近いところに損傷があり、あれだけ艦内に海水が入ってきている。

そうするとミサイル巡洋艦シャイローを中心にして動けるイージス駆逐艦はたったの4隻になってしまいます。この4隻は弾道ミサイル警戒で日本海に展開していると言われていますが、一旦港に入ると、修理、整備、近代化改修ということになって、やりくり大丈夫か?ということになります。

能勢解説委員:
というタイミングで小野寺防衛大臣が日本海で警戒にあたる海上自衛隊のイージス艦を秘密裏に視察しました。小野寺大臣はイージス艦内の戦闘指導や迎撃ミサイルの発射訓練などを視察(タイトル写真)、そのあと防衛省で会見を行っています。

防衛省が、大臣が視察に訪れた艦の名前を伏せるということはめったにない事です。現職の大臣が作戦行動中の護衛艦に乗艦することも前代未聞というか極めて珍しい。だから名前を伏せているのかもしれませんが…。防衛省が公開している画像では小野寺大臣が乗っていたヘリはSH-60K(エスエイチ・ロクマル・ケー)ですね。

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ヘリのボディに「46」とありますから該当する番号は「8446」で第21航空隊所属の機体。そうすると2017年7月29日の館山航空基地祭で確認されたようなので、その後部隊の移動がないとすると、佐世保の「ちょうかい」に館山の機体が恒常的に着艦するとは思えないので、大臣の利便性を考えて日本海に行ったのかと推察されるのではないかと。

視察後の会見で小野寺防衛大臣は「現在あるアメリカ側のイージス艦、日本に4隻あるイージス艦の連携をもって、しっかり『穴がないように対応していきたい』」と言ったとのことです。

千代島瑞希:
やはりアメリカ海軍が2隻マイナスというのは不安要素なんですね。日米のイージス艦の連携というのは具体的に実現しているんですか?

岡部いさく氏:
横須賀の艦で言うとミサイル巡洋艦のシャイローに乗っているのが大佐、ほかの4隻に乗っているのが中佐となっていてシャイローの艦長がBMDコマンダー、つまり弾道ミサイル防衛作戦の指揮官になる。

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このシャイローをリーダーに日米のイージス艦に指示を出すわけです。
アメリカ海軍の場合にはDistributed Weight Engagement Scheme (DWES:重点配分交戦スキーム)というのがあって、それぞれの船がいまどれくらい迎撃ミサイルを残しているか、どういう体制にあるかを自動的に送って来る。例えばシャイローから見るとスティザムやバリーといった駆逐艦がどこにいてSM-3ミサイルが何発あってどんな体制か瞬時にわかる。

さらに「この弾道ミサイルは君が撃って、こちらのは君に任せる、そしてこれは僕が撃つから」といったことを自動的に割り振りできる。日本のイージス艦もDWESを導入すればこの連携に組み込まれて、無駄撃ちのない体制が作れるんです。これから先建造される日本の4隻のイージス艦はDWES 対応しようということになっています。

能勢解説委員:
正確にはDWESはMaritime Integrated Air and Missile Defense Planning System :MIPSの機能のひとつで、ほかの船がどんなミサイルをどれだけ持っているかというのはMIPSの中でやる。DWESはその機能のひとつとして「お前はこの迎撃ミサイル持っているんだから、この弾道ミサイルを担当しろよ」というところをやるという形です。

コマンダーが乗っているシャイローはイージスBMD 4.0.1よりも発達しているかもしれない。海自の弾道ミサイル迎撃能力のあるイージス艦「こんごう型」はBMD 3.6と、それより若干劣る能力。それでも基本的には現状でもシャイローから指示されれば迎撃は効率化するかもしれない。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

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