なぜ日本人と外国人は分かり合えない?「理想の職場」をつくるポイント
Main 5a9a37a2 cf82 4777 b9f7 275c82700327
なぜ日本人と外国人は分かり合えない?「理想の職場」をつくるポイント

「日本と海外のコミュニケーション 違いのポイント」 

Default portrait
Sep 08, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・日本人ミドル層は何でも頑張る「長距離走」型が多い 
  • ・外国人ミドル層は専門分野に時間と能力を集中する「短距離走」型が多い 
  • ・チームに若者を入れるのも大事 

日本人-外国人社員 中間世代で広がるギャップ

職場のミドル層が、日本人と外国人の2つに分裂したことがあった。
 
転職して来た40代の外国人が、カタログやホームページなどデザイン全てをグローバル風にリニューアルする、と入社早々、周囲に相談なく、突然上司に提案したのがきっかけだ。 
「勝手に決めて」「会社のことは何も知らないのに」と、日本人ミドルは、日本人同士で集まっては、愚痴や文句をいう。外国人ミドルも「日本人はすぐ反対して面倒」と言い、ほかの部署の外国人と一緒に行動するようになった。 

ともにミドル世代であっても、終身雇用の下で働いてきた日本人と、経験を買われ転職してきた外国人では、役割や期待のかけられ方がちがう。 
外国人のミドル層は、高度な技術や専門知識をもち、グローバル対応や組織の成長・イノベーションを進める率先力として、高い期待をかけられている。 
一方、日本人のミドル層は、インターネット上で“働かないオジサン”といった記事が溢れ、「変われない困った人」とネガティブなレッテルをはられることも多い。「中間層の活力低下は社会の課題」として、働き方改革を進める要因にもなっている(政府の骨太2017より)。 

Fe26e26b e0f7 4c01 959d d6b767b6263a

二者には、どのような違いがあるのだろうか。どうやって相互に交流し、コミュニケーションすると、職場全体が良くなるのだろうか。

仕事のやり方の違い 「長距離走」型と「短距離走」型 

日本人のミドル世代は、いつも何にでもがんばる「長距離走」型だ。 
上司の指示があれば、即座に結束し、チーム一丸となって仕事に取り組み、役割や出番が無いときでも、予備要員として待機している。
上司や年長社員との人間関係に、常に気を配るのも、年功序列の下でキャリアの階段を上がるには、時間と忍耐が必要だからだ。 

ただこれでは、いざという時に息切れして、力が発揮できないのではないだろうか。 

外国人のミドル世代は、専門分野を持ち、そこに時間と能力を集中させる「短距離走」型だ。 
仕事の内容やレポーティングライン(報告する人)もはっきりし、成果が、給料や待遇にすぐに反映される。そのため、チャンスをつかむために、目の前の仕事と上下関係に、集中的にエネルギーを注ぐ「短距離走」を、何度も繰り返してくる。 

仕事や報酬にメリハリがあり、モチベーションも上がる外国人ミドル。同じ職場で同世代であっても、がんばりが均等の日本人のミドルとは、対照的だ。

お互いの長所と欠点 

それでは、外国人のミドル社員の方が優れているのか、と言うとそんなことはない。 
日本人のミドル社員の強みは、「総合」力ではないだろうか。

全体の調整や連携プレイが得意で、大小の集団の中で、様々な世代と仕事やコミュニケーションを経験している。 
一方、外国人のミドル社員は「個人」重視で、単独での作業が得意だ。ただし、仕事全体を見渡し、個々人の仕事を取りまとめる調整役が必要とも言える。 

以前、社内の重要な会議の開始直前で、プレゼンテーション資料を見直すことになった。 
外国人ミドルは意思決定が早い。どこを修正し何を反映しないかを、少人数で即座に決める。
日本人ミドルであれば、関係者との調整や承認に時間がかっただろう。 

ただ、外国人のミドルは、自分の職域だけに留まる傾向がある。自分たちが決めた修正点を共有できておらず、日本語版のプレゼンが最新になっていないことがあった。そういう時に素早く気がつきフォローできるのは、日本人のミドルだ。 

最近は、日本語・英語をはじめ、多言語で資料や文章を作成する機会が多く、外国人との協力や連携が、欠かせなくなっている。 

Cfcd7342 0c02 4ae2 b34f ebc91d4b4236

外国人ミドルは、会議でも活発に発言し、新しいアイデアをドンドン出してくる。
しかし、筆者が参加した会議では、外国人が多すぎて、意見が多様すぎたり主張を譲らなかったりで、限られた時間の中では収拾がつかないことがあった。 

皆さんも経験があると思うが、会議には、意見を整理整頓できる人がいないと、議論は平行線をたどるだけだ。 
こういう時でも、様々な意見を組み合わせまとめ、進行管理ができるのは、日本人ミドルだったりする。

若者世代もまじえ交流を 

日本人ミドルと外国人ミドルの間には、様々な違いがある。 
しかし、若者世代を交えて交流すれば、二者の違いは活かされる。ポジティブな影響は、若い人にも及んでいくだろう。
 
冒頭で紹介した、日本人ミドルと外国人ミドルの対立で、二者の関係が改善したきっかけは、若手社員が新しくプロジェクトメンバーになったことだ。
 
会議で、外国人ミドルが「プロジェクトの一部を外部に委託する」と言い出した時は、若手社員が「従来のやり方と比較したほうが良いのでは」と提案した。「関係者への連絡は自分がやる」と外国人ミドルが仕切ろうとした時は、「日本語ができる人もいたようが良いですよね」と、社内の事情に明るい日本人ミドルを巻き込もうとした。 

若者世代は、受け身で指示がないと動かない、と言われる。しかし、経験を積める機会だと思えれば自主的に関わってくる。人とのつながりを大切にするため、チームワークも上手い。 
そんな若者世代の様子を目にして、「外人は面倒な仕事ばかり振ってくる」とこぼしていた日本人ミドルも、「少し手伝ってくれるかな」と外国人ミドルに声をかけるようになった。自分が得意な調整役は「慣れているからやるよ」と買って出て、外国人ミドルのサポートにまわることも出てきた。 

外国人ミドルも「英語だけど参考に」と資料を渡しながら、「コーヒーブレイク?」と、日本人ミドルを休憩に誘うようにもなった。 
多国籍で多様な人々と働くためには、相手を受入れ、認めることが求められる。ただ、それに限らず、自分自身の長所・欠点もふりかえり、長所を伸ばしていくことが大切なのではないだろうか。 

日本人ミドルと外国人ミドルが良好な関係にあれば、若者世代は安心してミドル世代とかかわることができる。それは、若者世代にとって、仕事への理解と経験を深め、新しい領域や人間関係に、関心を広げていけるチャンスになるかもしれない。 
多様性と世代のちがいは、社員一人一人が主役になり、交流することにより活かされていくのではないだろうか。

Cfa00cff 2c39 4d47 bb74 fa64f352f300

大友 幸 
日本再建イニシアティブ  
主任研究員、広報担当

Tag:
App icon

ホウドウキョク

ニュース

Fuji Television

Appstore badge

Google play badge

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

Default portrait
ホウドウキョク編集部
Reporter
Thumbnail 0436638a 2638 475b bb6a 98f6ba84309c
Special
 
これで目覚めはスッキリ! 睡眠の質を上げる3つのコツ
Sep 10, 2018
4.0
editors room
Reporter
Thumbnail 21afb27b 98c4 4f10 83b8 6454da56b925
幸せは遺伝する。「世界最高の子育て」をするために知るべきこと
Sep 10, 2018
3.5
editors room
Reporter
Thumbnail 9ec6f0b3 b442 4b35 af09 a13f11eb01f4
「子どもの睡眠を奪う親が多い」5歳児に必要な睡眠時間はどれくらい?
Sep 10, 2018
3.5
editors room
Reporter