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選挙の争点に「教育」が急浮上。各党の何を見ればいい?
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選挙の争点に「教育」が急浮上。各党の何を見ればいい?

教育改革加速の千載一遇のチャンス

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Sep 23, 2017 by Suzuki Makoto Reporter

3 Lines Summary

  • ・安倍政権は、消費税増税分を教育無償化の財源にする政策を掲げて選挙戦
  • ・民進党は「パクリ」と猛反発
  • ・教育が争点になるのは、教育改革が加速するチャンス

「教育」は票にならない?

「教育って票にならないんですよね・・」

教育改革に積極的なことで有名な、ある自治体の首長が苦笑交じりにこんな内訳話を始めたのは去年のことだった。

「選挙中、街頭演説で教育改革の話をすると、人が集まらないんです。年金や医療の話には皆さん立ち止まってくれるのですが、教育になるとさっといなくなる」

しかし、今回の選挙の争点の一つとして、安倍政権が挙げるのは「教育」だ。

2019年に引き上げられる消費税率2%分、約5兆円の税収は当初、借金返済に4兆円、社会保障費=医療や介護、年金、子育ての4経費に1兆円を充てる予定だった。

これを安倍政権は、教育分野=教育無償化の財源にする政策を掲げて選挙を戦うという。

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これまで教育分野は、「国家百年の計」と言われながら、予算が重点的に配られることはなかった。

日本の教育予算は対GDP比で、先進諸国の中で最低レベル。

一方、いまや国の予算の約4割は社会保障費が占める。

自民党の若手議員には「票にならない」教育関連の部会は敬遠され、「票になる」社会保障関連の部会が大人気だという。

ある文科省の幹部からは、「いま文教族のなり手がいなくなって困っている」と嘆きの声もあがっている。

こうした中降ってわいた「教育」の争点化に、ある教育関係者は、「これまで教育が選挙の争点になるなんて、なかったんじゃないか。本当に様変わりだ」と感慨深げだ。

「教育」は選挙の争点になる?

では、「教育」は、はたして選挙の争点となるのか?

民進党は22日、選挙に向けた公約の素案を明らかにした。

素案では、消費税率引き上げ分の使い道を、就学前教育の無償化や大学授業料の減免など教育財源とすることを盛り込んでいる。

これまでも民進党は、消費税引き上げ分の税収を教育無償化の財源に使うべきだとしてきた。

前原氏は代表選で、「消費税率の引き上げ分はこれまで借金の穴埋めにあてられ、国民に受益感がなかった」として、就学前児童の教育・保育の無償化(1.2兆円試算)や高等教育の無償化(1.6兆円試算)を税収の使い道に挙げていた。

つまり自民党と民進党は、消費税増税分の使い道についてほぼ同じ主張だ。

だからこそ選挙戦では、両党の政策の実現力、本気度が問われることになる。

民進党は安倍政権の政策について、「パクリ」だと猛反発しているが、選挙戦ではどちらが急ごしらえなのか、国民に分かりやすく示してほしい。

そもそも教育の財源については、これまでさまざまな議論が行われてきた。

その一つが自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長ら若手議員が提唱してきた「子ども保険」だ。

また、使途を教育に限定した「教育国債」の発行も、与党内で議論されてきた。

しかし「子ども保険」については、「現役世代と事業主にのみ負担を強いる」(経団連)、「そもそもリスクに備えるのが保険。理念としておかしい」(民進党枝野代表代行)と異論も多く、「教育国債」については麻生財務相が「将来世代への負担先送り」だとして否定的な考えを示している。

高等教育無償化に関しては、在学中は授業料を取らず卒業後に所得に応じて納付するか、所得制限付きで給付型奨学金を広げるか、これからの議論となるが、いずれにしても数兆円規模が必要とされ、財源についての議論は選挙戦でヒートアップしそうだ。

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安倍首相は20日のニューヨーク証券取引所での演説で、全世代型の社会保障として、幼児教育の無償化を挙げるとともに、教育改革として「所得の低い世帯の子供たちを対象に、真に必要な子供たちの高等教育を無償化します。大学を卒業できるかどうかで、生涯賃金は6000万円規模で違ってくる。貧しい家庭で育った子供たちが、そのチャンスを諦めずに済むよう、しっかりと投資していきます」と述べている。

ロボットやAI、ビッグデータやIoTの人材育成で、日本はすでに米中やドイツに後塵を拝している。

一方、国内では子どもの貧困による教育格差、大都市への一極集中による地域格差が拡大するばかりだ。

これまで日本の教育危機が叫ばれてきたものの、政治のスポットライトが当たることはほとんどなかった。

「党利党略で選ばれた選挙の大義だ」との批判があるが、「教育」が選挙戦の焦点となることは、日本の教育改革を加速させる「千載一遇のチャンス」である。

次世代の教育の充実こそ安全保障と並ぶ国家的課題であり、選挙戦で与野党が議論を尽くしてほしい。

鈴木解説委員の選挙関連記事はこちら。https://www.houdoukyoku.jp/posts/18396

衆院選2017

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