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北朝鮮はテロ“支援”国家ではない
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北朝鮮はテロ“支援”国家ではない

トランプ政権による再指定で考えたこと <フジテレビ二関吉郎解説委員>

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Nov 21, 2017 by Ninoseki Yoshio Reporter

3 Lines Summary

  • ・北朝鮮は「テロ支援国家」ではなく「テロ国家」である
  • ・ 「いかに野蛮で、人命を意に介していない国か」
  • ・韓国が包囲網の抜け穴を作ってしまうのを防止する効果も期待する

「テロ支援国家」ではなく「テロ国家」

本日、合衆国は北朝鮮をテロ支援国家に指定する。」

“Today, the United States is designating North Korea as a state sponsor of terrorism.”

 ホワイトハウスで20日午前に開かれた閣議冒頭のトランプ大統領の発言である。

当然と言えば当然の措置で、安倍総理も、そして、かつて指定を解除したブッシュ政権時代の担当者達も、一様にこれを歓迎している。

だが、「テロ支援国家」、原文では“a state sponsor of terrorism”という定義には少々疑問を感じる。

北朝鮮は、テロ或はテロ組織を国家的に支援しているのではなく、直接、テロ行為を行っている。よって「支援国家」ではなく「テロ国家」と断じる方がより的確ではないかと思うからである。

「いかに野蛮で、人命を意に介していない政権か」

単なる揚げ足取りではないかと批判されるとそれまでだが、不十分なレッテルは期待した効果を挙げるとは限らない。かつてアメリカのレーガン大統領がソヴィエトを「悪の帝国=an evil empire」と呼んだことを思い出して欲しい。このレッテルがアメリカ及び西側各国世論の団結を強め、冷戦勝利の原動力の一つになったことを忘れてはならない。

トランプ大統領が再指定を発表した閣議の後、午後に開かれたホワイトハウスの定例会見で、ティラーソン国務長官は、再指定とこれに伴う追加制裁措置は「とても象徴的=very symbolic」と率直であった。

だが、長官が同時に言ったように、再指定は「(北朝鮮が)どれ程のならず者の政権か。いかに野蛮か、人命を意に介していないかを示すもの。」(what a rogue regime this is, and how brutal this regime is, and how little they care for the value of human life.)であるならば、「支援国家=a state sponsor」ではなく「テロ国家=a state of terrorism」と断じても良かったのではないかと思う。

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「制裁が魔法の杖になるとは限らない」

話は少し変わるが、ティラーソン長官は、この日の会見で「北朝鮮では燃料の供給が滞り始めているなど様々な制裁が効果を挙げている。」「しかし、(制裁で)全てを絶ったとしても、それが、彼らを交渉のテーブルに着かせる魔法の杖、或は、銀の銃弾(魔法の杖と同義)になるとは限らない。」(I don't know that all -- that
the cutting off of all is the magic wand or the silver bullet
that is going to bring them to the table.)と、やはり正直であった。

しかし、同時に、北朝鮮との関係をベトナムが縮小し、フィリピンが貿易を止めたことなどを例に挙げ、「我々は他の多くの国に独自の(制裁)行動を執ることを促し、圧力を強めていくことを継続する。」と、その決意を改めて強調した。

その上で、北朝鮮が60日間の実験自粛期間を設けて、これを履行すれば、アメリカは二国間の接触を開始するという提案をしたとの報道に絡んで、ティラーソン長官は「我々は“彼が”この静寂期間を継続することを望む。」(カギカッコ内の“ ”は筆者)とも述べ、話し合いのきっかけを探る方針に変化が無いことも明らかにした。

韓国が包囲網の抜け穴を作ってしまわないか

つまり、再指定が、北朝鮮に対する包囲網に多くの国が協力するきっかけとなり、こうした動きが最終的に話し合い(と話し合い解決)に繋がる…、それが期待されるという訳だが、この点で筆者が不安に思うのは実は韓国である。韓国が包囲網の事実上の抜け穴を作ってしまうのを心配しているのである。

万が一、戦争になれば最大の犠牲者が出るのは韓国である。それ故、危機レベルが高まるほど韓国が融和的になるのは理解できなくも無い。だから、韓国は、少々金が掛かっても、少しでも早く、北朝鮮を大人しくさせたいはずである。もしかしたら、ピョンチャン五輪を平和裏に成功させるためにも、北朝鮮への経済支援を再開したくてうずうずしているかもしれない。裏では、中国に対し、締め付けをし過ぎないように働きかけているかもしれない。
 
だが、ここは踏ん張り時である。国連の制裁決議に加え、今回のテロ“支援”国家再指定は、韓国が北朝鮮の脅しに未然に屈し腰砕けになるのを防止する効果もあると期待している。

今はそれどころではないと言うべきか、鬼が笑うと言うべきかと思わない訳ではないが、東京五輪を前に、悪しき前例が出来てしまっては絶対に困るとも思うのである。

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