アスリートが知って得する睡眠技術とは?
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アスリートが知って得する睡眠技術とは?

<睡眠負債シリーズVol.8>

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Nov 24, 2017 by Suzuki Makoto Reporter

3 Lines Summary

  • ・「嫌なことは寝て忘れる」はレム睡眠の役割
  • ・「身体が覚える記憶」の整理はノンレム睡眠時に起きる
  • ・朝ランと夜ランは役割が違う

睡眠負債シリーズもいよいよ第8弾。

今回はアスリートが知って得する睡眠技術を、睡眠のエキスパート、ニューロスペースの小林孝徳社長に鈴木款解説委員が聞いた。

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小林孝徳社長

アスリートに重要なのはノンレム睡眠

ーー早速ですが、アスリートのパフォーマンスと睡眠は、どう関連しているのですか?

大いに関連しています。まず、知っていてほしいのは、睡眠は大きく2つに分けられるということです。

1つが、皆さんも聞いたことのあるレム(REM)睡眠。

もう1つがノンレム(non-REM)睡眠です。

ーー2つは具体的にどう違うのですか?

まず、レム睡眠ですが、REMというのはrapid eye movement、急速眼球運動の略です。つまり、眠っている間も目が動いている状態、脳が休息せずに働いている状態がレム睡眠なんですね。ですから、夢を見るのはレム睡眠の時です。

また、レム睡眠時は記憶の整理を行います。

記憶には、たとえば「試合に負けた」という事実と「悔しい」という感情が一緒になっていますが、レム睡眠はこれを切り離す役割があります。よく「嫌なことは寝て忘れる」といいますが、これはまさにレム睡眠の役割を言い当てていますね。

一方で、レム睡眠時、身体は休んでいるので動きません。余談ですが、「金縛り」と言われる状態はレム睡眠時に起こります。

ーーではノンレム睡眠は?

実はノンレム睡眠こそが、アスリートのパフォーマンスにとって重要なんです。ノンレム睡眠はレム睡眠と逆で、脳が休んで身体が動いています。

レム睡眠で整理される記憶は、陳述記憶、つまり「言葉にできる記憶」ですが、非陳述記憶と言われている記憶、つまりアスリートが必要な「身体が覚える記憶」の整理は、ノンレム睡眠の時に起こっているのです。

ーーではアスリートはノンレム睡眠を多くとればいいのですね?

一概にそうとは言えません。よくレム睡眠=浅い眠り、ノンレム睡眠=深い眠りと言われ、ノンレム睡眠を多くとればいいと思われていますが、それぞれ役割が違うんですね。

アスリートでいえば、タフなメンタルをつけるためにはレム睡眠が必要だし、昼間の練習を効率的に定着させるためにはノンレム睡眠が必要です。

どちらが多くと言うよりは、睡眠の質を高めることのほうが重要なのですね。

ーーノンレム睡眠の質を高めるためには、どうしたらいいのですか?

プロフェッショナルなアスリートは、よいノンレム睡眠を取るために寝具に気を使っています

ノンレム睡眠は脳が休んで身体が起きているので、寝返りが起きます。寝返りは適切な体温調整をして深部体温を下げ、良い眠りを取るために必要です。

プロのアスリートはよく、寝返りを促進するためのマットレスを使っていますね。いかに質の良い睡眠をとれたかが、他のアスリートに差をつけることになるのを、彼らはよく知っているのです。

また、当たり前ですが、睡眠の質を高めるためには、寝る前のお酒は阻害要因になります。

興奮して眠れない時は頭を冷やす

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ーーアスリートにはよく大会前に興奮して眠れないということもありますが、この場合はどうしたらいいのですか?

脳が興奮して温度が上がっている状態なので、頭を冷やすことです。その場合、冷やす場所が重要で、後頭部の耳から上の部分を冷やすとスーッと眠くなります。

一方、副交感神経というリラックスする神経は、首に密集しているので、首を温めると寝付きやすくなります。逆に首は冷やしたら眠れなくなるので、オフィスで眠気が起きた場合は、首を冷やすといいですね。

ーーランナーには朝ラン派と夜ラン派がいますが、睡眠の観点から見ると、どちらのほうがパフォーマンスは上がりますか?

それぞれ役割が違います。

朝ランの一番いいところは、光を一杯浴びれることです。これによって眠気が遮断されて、深部体温も上がるので、昼間のパフォーマンスが上がります。

結果として、夜の眠りもいざないやすくなります。

ーーでは夜ランは?

1日の中で深部体温が一番高いのは、起きてから11時間後なので、朝7時に起きている人は、夜6時が一番高くなります。その時に運動すると、睡眠の質を上げる成長ホルモンの分泌が増えることが判っています。

つまり、夜ランは、起きてから11時間後にすると、睡眠の質を上げるのに最高です。ちなみに、成長ホルモンは糖分や脂質の代謝を促すので、ダイエットを目指す人は夜ランのほうが効率いいです。こうした考え方は時間医学からきています。

ーーなるほど。アスリートは睡眠技術をうまく使っていけば、パフォーマンスを劇的に上げることも可能なのですね。ありがとうございました。

 

睡眠負債
vol.8

アスリートが知って得する睡眠技術とは?(この記事)

4.0

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