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2018年は「AI」がポイント。企業はどう取り入れていくのか?
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2018年は「AI」がポイント。企業はどう取り入れていくのか?

フジテレビ解説陣が集結 2017年の経済を振り返り、2018年を予測【第4弾】

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Jan 05, 2018 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・AIは人々の仕事を代替する役割を担えるか?
  • ・「働き方改革」がベースでAIがフォロー 
  • ・高齢者の働き方も変わってくる?

2017年は、トランプ大統領就任や北朝鮮のミサイル、天皇陛下退位の決定や眞子さま婚約、働き方改革や小池旋風、衆議院議員選挙など様々なことがあった。

2018年は一体どんな一年になるのか。

今回は、フジテレビ経済担当の解説陣による座談会、第4回目。 

2017年によく耳にした「働き方改革」、「人づくり革命」や「生産性革命」。私たちの生活にも密接しているこの政策とAIはどう関わってくるのかを聞いた。

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AIと人間のすみ分けが必要

ーー2017年は、企業にとっては好景気でしたが、個人にまではその波が来なかった気がしますが、どうしてでしょうか?

大山泰:

意外と見えていないのは社会保障費でとられる額です。特に厚生年金が企業も個人も上がってきています。さらに今年の夏くらいから、原油価格が上がっているので、ガソリンなんかがどんどん上がっているわけですよ。
そういったものでミクロ的に相殺すると、春闘などで賃上げが2%とか3%上がっても、基本的に吸収されちゃうことが多いんです。

「実感なき景気拡大」と企画の紙にタイトルで書いてありますけど、景気拡大が、昔のバブルの時のようなことのようなことを指しているのであれば永久に二度と来ないですし、毎年毎年飲んだくれても、ちゃんとお給料が増えていくというのは高度成長期と、ちょっとおかしかったバブルの時しかないです。

可処分所得の増えない部分は、意外と皆さん指摘しないんですけど、一万円お給料が増えてもそれとほぼ同じくらい実はお給料明細からひかれている社会保険料部分が増えているところはあるんですよね。

智田裕一:
そういう意味で言うと、安倍首相は「人づくり」や「生産性革命」を打ち出しています。設備投資とかリカレント教育を促す政策だと思いますが、あれが実際にどういう風に効いてくるかというのは2018年の課題です。現状だとちょっと羅列的なものになってしまって、起爆剤にはなり得ないんじゃないかというところが批判されていますが、真に効いてきて、点火するというところに結び付けられるかどうかが一つのポイントかなと思います。

企業収益という点でAIの話がありますが、生産性革命の中でAIで生産性を上げることも含めて、2018年はAIが焦点になるかと思いますね。結局人手不足とかは慢性化して、2017年もだいぶその傾向が強まっていて、AIが代替する役割を担えるかどうか、企業がどのように取り入れていくかが大きなポイントになります。

しかし、すべてがAIに置き換わってしまうと、新たな雇用の受け皿が整う前に雇用を締め出してしまうことにもなりかねない。AIができるものと、緊密なコミュニケーション、対面スキルが求められる分野、新しい商品の企画開発や生産活動全体のマネージメントなど、人間が得意とする領域をすみ分けて、企業収益をうまく好転させて景気の好循環につなげられるかどうかが、生産性向上のカギを握る気がします。


AIの活用を考える

鈴木款:
電通の問題もありましたけど、今の「働き方改革」は、長時間労働の是正だけになってしまってます。本来の働き方改革は、働く環境、例えばリモートオフィスをどう活用するかとか、人事評価とか賃金体系、経営判断などを変えていかなきゃいけない話で、その部分を2018年は変えていかなければならないんだと思います。

また「2017国際ロボット博」を見てみましたが、今後の日本は生産年齢人口が減っていき、農業の平均年齢が65歳を超えているように、働く人が益々高齢化していく。そうすると、ロボットやAIの助けがないと生産できない状況になっていきます。

また、介護の分野ですね。たとえば人を運ぶのはすごく大変で、ロボットへのニーズは高いですね。

他には、物流。人手不足が深刻になっている物流業界ですが、今後形の違うものをロボットやAIが瞬時に判断して荷揚げや荷卸し、ピッキングなどしていく。今までできなかったことができるようになってきているので、どう活用していくかを考えなければならないです。

とにかく今後人口が減っていき、今に人口6000万人になると言われている日本は、そのときどれだけちゃんと生産性を高めて、みんなが食べていけるかというのが大切だと思います。人口減少に合わせて国内のマーケットも当然減っていくので、じゃあ海外に物を売っていくのかと。2018年はピンチをチャンスに変える年です。

大山:
今の話で言うと製造業で働いている人は2割いないんですよ。サービス業の方がはるかに多いんです。しかしサービス業の労働生産性は低いので、ロボットやAIなどのテクノロジー系はおそらく、サービス業の生産性をあげるために使われていくと思います。

日本の働き方改革に一つ事例があるんですが、北陸のある地方銀行では残業を無くすことに特化したソフトをあるIT企業と作ったら、10億円あった1年間の残業代が、4000万円になりました。定時になったら銀行員たちが帰れるようになり、そこの部分のマンパワーをコンサルティングや企業関連と深い融資や投信などに持っていった。みんなが定時に帰れて、なおかつ利益が上がったんです。

2018年は正念場という話が出てきていたが、本当にその通り。サービスやソリューションにどう企業が踏み込んでいくかの工夫を、中長期的な計画と一緒に立てる年になると思います。

智田:
これから社会を劇的に変えると言われるAIをはじめ、ロボット、IoTの分野で、企業の成長余地は特に大きいと思います。
たとえば、AIの活用でオーダーメイド医薬品を浸透させたり、自動運転車やドローンを買い物弱者対策に活用したり、といったビジネスモデルは、この先深刻化する高齢化にも対応できますし。またあらゆるものが、ネットにつながって個人のニーズに合わせて、最適なサービスを提供すると同時に、無駄をなくすことで、費用を最大限節約するという生産性革命の流れが強まり、企業はこれまでとは違う能力を求められることになります。

AIやIoTにより、組織や生産工程が最適化され、在庫や商品需要などの膨大なビッグデータが集約されて、最適な作業方法が取捨選択されるなかで、競争環境は大きく変わっていきます。
業務プロセスの省力化・自動化によりいかに生産性を高められるかが企業の生き残りを決めるカギになって、そこに大きな新ビジネスのチャンスや投資機会も生まれることになっていくと思いますね。

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鈴木解説委員

山田博:
「働き方改革」の話が出ましたが、安倍首相はこの改革が“後世から見たらすごいこと”と評価できるのではと自画自賛していました。私も働き方改革は大きいと思いますが、気になるのは少子高齢化。これはどうしようもなくて、これが進むと日本の経済は絶対に縮んでしまう。

縮んでしまう中で、身の丈にあった経済成長は何なのか、身の丈に合った日本の幸せとは、というコンセンサスがあまり取れていない気がします。まずこれがベースにあって、その上にあるのが働き方改革で、それをどれくらいAIがフォローしてくのか。
やみくもにAIを使って経済発展させるのか、それともある程度のところで落ち着いていいから、小さな幸せを求めていくのか、「こういう風にしますよ」と決めなくていいけど議論は必要ではないかと思います。それははマスコミの仕事かもしれないし、政府がやってもいいのかもしれないですし。

あとはアベノミクスもそうですけど、大都市の大企業に対する対応・政策のような気がするんです。働き方改革って地方の小さい従業員が10人もいないような企業にとっては、ピンと来ないところもあります。でも実際都心の東京に住んでるのは1000万人だからそちらも考えなくてはいけないし、一方で日本全体のほとんどを占めるのは中小企業だろうし、その辺をもうちょっと配慮したうえで議論を進めるべきなのかなと思います。

小川美那:
私が担当している都庁では、職員は20時に帰ることになっていて、タイムカードを押しにバーッと走っていくんですけど、「あらこの人また戻ってきたのかしら」と思ってしまう人がいたりします(笑)。

私が初めて都庁の記者クラブに行ったのは2016年で、小池さんが都知事になる前です。その時は、都の職員の方が、記者クラブにプレスリリースを持ってきてくれますが、同じ一枚の紙を10人くらいが持ってきて、紙に書いてあることを読み上げるんです。

30~40代の働き盛りが多くて、私が「紙だけを持ってくるために使う時間、もったいなくないですか?」と聞いたら、「コミュニケーションを取りたいから」と言われて。意図もわかりますが、結局一番の働き盛りが何時間も使って歩いて回っていたんです。

そして、小池都知事が「20時に帰りなさい」と言ったら、仕事をみんなで手分けしなければならなくなって、持ってくる人たちが3人ほどになりましたが、読み上げることは変わらない。これまでの習慣になった作業を変えないと、生産性や効率を上げるのは難しいと思いました。

私も「2017国際ロボット博」に行きましたが、そこで出展していた大学の教授たちに話を聞いたら、今後の働き方改革のロボットの使い方のポイントは2つだそうです。今年のテーマだった「共に働く共同」が1つで、今まではロボットが工場で派手な作業をしていましたが、2017年は人間が横にいてもロボットとぶつかったり、怪我をしないことがテーマでした。

上手に共に働けるようになれば生産性、働き方すごい変わる、ということと、規制緩和がされていないから、日本のロボットは私たちのオフィスに来れないじゃないですか。そういう工場の中だけですごい日本の技術じゃなくて、どうやって工場の外に出せるかが、働き方改革につながるということです。

人と共にAIやロボットを活用すること、工場の外にどう広がりを持たせられるか、それで私たちの仕事も変わるんじゃないかと思いました。

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山田経済部長

鈴木:
そういえば「働き方改革」で思い出しましたけど、2017年にプレミアムフライデーって始まったじゃないですか。そもそも月末の金曜日に設定するのは制度設計上あり得ないですよね(笑)。

大山:
全然考えてない役人の発想ですよ。

鈴木:
当初は、商戦期待で居酒屋が早めに開けたりしていたけれど。そもそもプレミアムフライデーを霞が関ができていないですよね。

大山:
民間企業は、なおさら月末締めで一番忙しいですよね。

鈴木:
2018年はないんだろうなと…。

――「人生100年時代構想」もあります。バリバリ働けるとしたら皆さんは80歳でも働きますか?

鈴木:
健康寿命がどれくらいかというのはあるけれど、「セカンドライフ」や「サードライフ」を本当に考えないといけないですよ。これまでは40年働いて老後20年だったのが、老後40年になっちゃうんですから。

健康な高齢者が働く場を作ることと、高齢者も働こうという意思を持つことが必要ですよね。今、定年を迎えた男性は圧倒的にテレビ視聴が多いようです。ある意味私たちの大切なお客様ですが(笑)、本来であれば働ける人がその状態ではあまりにももったいない。

最近では、立命館アジア太平洋大(APU)の学長にライフネット生命保険の共同創始者だった出口治明さん(1948年生まれ)が就任されましたが、ああいった方がどんどん出てくると、高齢者の働き方もいい方向に進んでいくのかと思いました。

智田:
人材をうまく活用して、高齢者の人も人手不足の適材適所で働いていただく、一方で社会保障制度をめぐる状況はこの先さらに厳しくなりますから、しっかり稼いでいかないと、自らの生活基盤が人生100年時代と合わなくなってしまいます。なので、70代あるいは80代になっても働かざるを得ない状況になっていくと思うんですね。

今まで一つの会社でずっと働き続けて、引退して年金というスタイルはもうダメになりますから、それに代わる新しいものをきっちりと構築して、全社会的にそれがうまく回っていかないとなかなか難しいところがありますよね。需要と自分自身の働き方がマッチングできるかどうかも大きな課題です。

鈴木:
最近工事現場で働いている高齢の方をよく見ますが、中国の観光客が日本に来てびっくりすることは道路で働いている高齢者と、皆が現金を使っていることだそうです。

山田:
中国はそうですよね、もう現金持たないですもんね。現金レス社会。

大山:
高齢者が工事現場で働いている理由は、やっぱり生産年齢人口不足・労働力不足・人手不足で、要は今、黒字人手不足倒産とかあるじゃないですか。
企業の99.8%が中小企業で、勤労者の6割台半ばの人が中小企業の人で、そういうところがこれから独自の技術やサービスを売って、企業として持続して行くには、たぶん高齢者の人の労働力もなきゃいけないんです。

「80代まで働くか」と聞かれると、蓄えがいっぱいあったら早く辞めたいですよ(笑)。けれど退職して、子供の教育費や住宅ローンが終わった後の、残りのお金がどのくらいあるか。平均寿命と健康寿命で様々なバリエーションに合うように65歳でも75歳でも、体力にも合った仕事の種類を増やすことは政府も民間もすぐにやるべきことだと思いますね。

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イラスト=さいとうひさし

【ホウドウキョク座談会】2017年と2018年はどんな一年?
vol.18

2018年は「AI」がポイント。企業はどう取り入れていくのか?(この記事)

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