「ミャンマー軍が僕を撃った」ロヒンギャ難民の子供たちの声
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「ミャンマー軍が僕を撃った」ロヒンギャ難民の子供たちの声

難民キャンプで暮らすロヒンギャの子供たちを取材

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Jan 08, 2018 by Sasaki Makoto Reporter

3 Lines Summary

  • ・難民キャンプには30万人を超える子供たちであふれる
  • ・子供たちはミャンマーで想像を絶する経験
  • ・体にも心にも傷を負った子供たち

最悪の人道危機とも言われる「ロヒンギャ難民危機」。その現場を訪ねた。

ミャンマーの少数民族「ロヒンギャ」は主に、ミャンマーの西部・ラカイン州に居住している。仏教徒の多いミャンマーでは少数派のイスラム教徒だ。

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上空から撮影した難民キャンプ

ミャンマー政府は、ロヒンギャ住民に対し、バングラデシュから入ってきた「不法移民」であるとして、長年にわたり国籍を認めていなかった。

難民キャンプで暮らす子供たちは30万人以上

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ロヒンギャの多くは迫害から逃れるため、ミャンマーから隣国・バングラデシュを目指し、難民となっている。ミャンマーとの国境に近い町のコックスバザールから車で1時間ほどのところにある難民キャンプはすでに過密状態にある。

しかし、65万人を超える人たちが生活する難民キャンプには、ミャンマーでの迫害から逃れようと、今でも1日に100人以上のロヒンギャ住民が流入していて、、キャンプは広がり続けている。

難民のうち半数以上が子供たちで、その数は30万人を超える。キャンプ内には子供があふれていた。

キャンプ内では事故も多く、子供たちにとって安全な場所ではない。実際、FNNがキャンプを取材している最中にも、子供が交通事故に遭ったという騒ぎがあった。

食料の配給所では、多くの子供たちが食料をもらおうと並んでいる姿があった。

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この日に配られていたのはビーフカレー。
持ってきた容器やビニール袋にご飯やカレーが盛られていくが、配給は1日1回。
食べ盛りの子供たちにとって、お腹いっぱいになる量ではない。

配給の列に並んでいた少女は「家族10人で分けるんです。足りると思いますか?」と我々に疑問を投げかけた。

頭を撃たれた少年

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モハメド・イドリース君(10)

2017年8月には、ラカイン州でロヒンギャの武装勢力と治安部隊との衝突が発生した。

ミャンマーでの治安部隊による攻撃で、想像を絶するような経験をしている子供たちが多い。

モハメド・イドリース君(10)の右の頭部には、深い傷があった。「頭の傷を見せたくない」と頭にスカーフをつけて生活をしている。

2017年8月末にミャンマー軍がイドリース君の暮らす村を襲撃し、頭を撃たれたという。

「ミャンマー軍が僕を撃ったんです。パパが僕を担いで山を超えて、ここ(バングラデシュのキャンプ)まで来ました」

何とか生き延びたイドリース君は、いまだに傷の痛みがあり、頭痛もして、よく眠れないという。

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モハメド・イドリース君(10)

ムハンマド・ショバイド君(12)は、銃弾がお腹を貫通し、腹部と背中に傷を負った。自分の村にミャンマーの治安部隊がやってきて、銃撃されたという。

「傷が痛む…」と話すショバイド君は、治療をして生還し、今は家族と生活している。

村で起きたことを描く少年

子供の傷は体だけではない。
国連の学校で子供たちに絵を描いてもらうと、子供たちは、自身がミャンマーで実際に目にした悲惨な体験を描き始めた。

先生たちは「自由に描いていい」と指示を出したが、何人かの子供たちがミャンマーで家族たちが殺害されたシーンを自発的に描き始めたのだ。

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モハンマド・レドワン君(10)は、「この人がこの人を撃った。軍の人です。軍が銃撃してきて。殺された人の首を切ったんです。殺されているのはイスラム教徒です。これは大きなナイフです」と自分の村で起きたことを説明してくれた。

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モハンマド・レドワン君(10)

こういった子供たちの姿を目にしたUNICEFの先生は「ある生徒は経験した悲しい出来事を話し、ここで絵に描いています。兄弟が殺された場所で、もし正義がないまま戻ったら拷問されると心配しています。子供たちは正義が実現するまでミャンマーには戻らないと言っています」と話した。

ミャンマーには帰りたくない…

ミャンマー政府とバングラディッシュ政府は、11月23日にロヒンギャの人々が帰還する合意書に署名をし、2018年1月中にも期間作業が始まる可能性が出てきている。

しかし、恐ろしい記憶が残るミャンマーには誰も帰りたくないという。

現在、母親ら家族と暮らしている12歳の少女は、目の前で父親が殺害された様子を語った。

「パパは首を切られたんです。パパが殺されたのを思い出すから、ミャンマーには戻りたくない。軍は私たちに村を去るよう命じました。2日、山を越えて難民キャンプにきました。銃撃が始まってから、もう平和はありません」

ミャンマー側がロヒンギャへの対応を変えない限り、帰還は難しいという現実。子供たちが安全に暮らせるには、まだまだ多くの課題が山積している。

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佐々木亮
Reporter
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ロヒンギャの武装グループに取材。なぜ攻撃を続けるのか?
Jan 08, 2018
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Sasaki Makoto
Reporter