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「人生100年時代」の新社会保障制度
小泉進次郎議員の提言

学生からは、働き方や生き方についての質問が相次ぐ

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Nov 08, 2016 by Suzuki Makoto Reporter

3 Lines Summary

  • ・2020年以降は人生100年の時代
  • ・雇用形態を問わない“勤労者皆社会保険制度”の創設
  • ・「長く働くほど得をする」年金制度改革

「いま9歳の子どもの50%は100歳まで生きます」

自民党の若きエース、小泉進次郎議員は、早稲田大学に集まった学生に対してこう言った。

10月27日、早稲田大学の政治講座にゲスト講師として招かれた小泉氏は、当初は農業や復興支援についてスライドを使いながら語っていたが、話題が社会保障制度改革に及ぶと、言葉にがぜん熱が入り始めた。

なぜならその前日、小泉氏は自民党若手議員らとともに「人生100年時代の社会保障へ」という提言を発表したばかりだったからだ。

前述の発言は、ロンドン・ビジネススクール教授でベストセラー「ワーク・シフト」(プレジデント社)の著者でもあるリンダ・グラットン氏の新著「ライフシフト」(東洋経済新報社)から、小泉氏が講演などでよく引用するという言葉だ。

今回の提言で小泉氏らは、2020年以降は「人生100年を生きる時代」になるとしたうえで、「20年学び、40年働いて定年を迎え、20年の老後を過ごす」ことを前提に設計されたいまの労働法制や社会保障制度は持続できなくなるとしている。

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人生100年時代

小泉氏らが提案した「人生100年時代」の新たな社会保障制度は、大きく三つだ。

一つめは「勤労者皆社会保険制度」の創設。終身雇用を前提にした現在の社会保障制度では、企業の社会保険は正規雇用者のみを対象としている。しかし社会のグローバル化、IT化により、人材が流動化し働き方が多様となる社会では、雇用形態を問わず勤労者全体にセーフティネットを張り巡らすことが必要となるとする。

二つめは「人生100年」に向けた年金制度改革だ。現在の制度では、平均寿命が延びるほど年金支給期間は伸びていく。しかし今後、AIやロボットなどの技術革新により、高齢者はより長く働くことが可能になるため、支給開始年齢の引き上げ議論と合わせた「長く働くほど得をする」年金制度へ改革が必要だと訴えている。

そして三つめは、「健康ゴールド免許」の導入だ。安全運転を続けたドライバーがゴールド免許を得られるように、健康管理に努力した人、つまり国の医療費削減に貢献した人にはゴールド免許を与え、診察料の自己負担が一部軽減されるという仕組みだ。さらに湿布薬やうがい薬など「ちいさなリスク」は自己負担とする。

これら三つの改革に共通する哲学は、「自助を最大限に支援する」ことである。

そもそも100年も生きたくない人はどうすればいいのか?

小泉氏が三つの改革案を説明した後の質疑では、学生から「人生100年時代」の働き方や生き方についての質問が相次いだ。

ある学生は、高齢者が働き続ける社会について、「若者の職が奪われるのではないか?高齢者が増えると企業内に活気がなくなるのではないか?」と不安を述べた。

小泉氏は、「会社によってはそうなるかもしれない」と認めたうえで、ロート製薬を例に挙げて、今後は兼業や副職を認める企業が増えるので、高齢者も一企業に留まることがなくなるのではないかとの見通しを述べた。

また、別の学生は、「そもそも100年も生きたくない人はどうすればいいのか? 認知症になった人も100年生きなければいけないのか?」と、人生100年時代そのものへ疑義を呈した。

これにはさすがに小泉氏も苦笑し、「IOTやロボットなどのイノベーションによって、これからの100歳の高齢者像は、こういう100歳ならいいよねという風に変わるのではないか」と答えていた。

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我々の未来

超長寿社会の到来と少子化による人口減少社会を生きることになる我々には、果たしてどのような「ライフシフト」が待っているのだろうか?

ひとつだけ確かなことは、未来にこれまでと同じレールは引かれていないことだ。

小泉氏らの提言は「人口減少をチャンスとしてとらえ日本の強みに変えていくことが必要だ」とする一方で、「一時的に痛みが伴う改革から逃げてはならない」という言葉で締めくくられている。

「人生100年時代」がすぐそこに迫る中、これから社会に出る学生から、間もなく「老後」を迎える会社員まで、あらゆる世代の不安を払しょくする制度設計が求められることになる。政治に寄せられる期待は大きい。

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