「日本の防災は意識が低い」防災ガール達の挑戦
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「日本の防災は意識が低い」防災ガール達の挑戦

防災業界の楽しさを広めたい

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Mar 11, 2018 by Suzuki Makoto Reporter

3 Lines Summary

  • ・海外から見る日本は防災の技術は高いが、意識が低い
  • ・ビーチにオレンジフラッグ設置や普及活動をしている
  • ・『防災ガール』は災害時に常に助ける側になりたい

東日本大震災から7年。

被災地ではあらたな悲しみと復興に向けた希望が入り混じる。

震災を機にIT業界から転身し、『防災ガール』を立ち上げた田中美咲さん。

20~30代の女性を中心に、「退屈」で「面倒」に思われがちな防災を、女性だからこその感性で「続けられる」ものに変えてきた。

田中さんにこの1年の取り組みと挑戦を振り返ってもらい、いまの日本の防災に何が足りないのか聞いた。

海外が見る日本の防災技術は「本当に素晴らしい」

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ーーこの度、メディアNPOスパークニュース(本部・パリ)主催の「世界の女性社会起業家21人」に選ばれたんですね。おめでとうございます。

ありがとうございます。
いつの間にか設立から5年たってしまったのですが、フェイスブックで1万「いいね!」され、海外の防災団体からも注目されてきたのは、やはり5年間続けてきたからだと思います。


ーーこの1年は海外の防災団体とも、積極的に交流してきましたね。

インドネシアで行われた、国際交流基金主催によるアジアの防災リーダーを集めたプログラムに、日本代表として参加してきました。
プログラムは、参加各国の防災の課題を見に行って、皆で解決するというものです。各国の防災レベルがわかったことは収穫でした。

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左から2人目が防災ガール代表理事の田中美咲さん

ーーほかの国と比べて、日本の防災レベルはいかがですか?

東京と仙台でもこのプログラムが行われたのですが、彼らは「日本の防災技術は本当に素晴らしい」と絶賛していました。
ここで言う技術とは、テクノロジーという意味ではなく、たとえばワークショップレベルのカードゲームとか、被災地域の記録写真の撮り方とか。
記録写真を見て彼らは「被災地でカメラを向ける行為ができるんだ」と。定点観測写真を見て「こうやると復興のスピードがわかるんだ!うちの国もやろう」とか。

また、日本では被災者がポジティブにプレゼンしていてすごいとも言っていました。他の国では被災者は「語り部」的に悲しく話すのが多いそうなんです。


ーー日本人にとっては当たり前のことが彼らには驚きなんですね。逆に田中さんが、他の国を見て気づいたことはありますか?

他の国には、「防災の担い手がカッコいい」という空気感があって、これは日本には無いなあと感じました。防災はどこでも花形部署で、企業の防災担当や防災NGOは、人命を守る人でカッコいいと。
日本は防災の技術は高いが、意識が低く、本当にもったいないなと感じました。

『防災ガール』の活動の柱 #beORANGE

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ーー日本で防災と言うと、防災服にヘルメットつけたオジサンがバケツリレーやっているイメージですから。だからこそ、『防災ガール』なんですよね。

いまの若い世代は、SNSで伝えたくなる、シェアしたくなるというのが評価の基準です。防災情報はいままで「怖いよ」「危険だよ」と伝えれられてきました。

今は、「堅苦しい」「難しい」ものではなく、まず「シェアしたくなる」かどうかを考えて、「日常生活に入れたくなる」デザインにするよう意識しています。


ーー『防災ガール』の活動の柱の一つとして、#beORANGE(ハッシュタグビーオレンジ)がありますね。オレンジ色を使ったフラッグを津波避難ビルに設置したり、フラッグで地震の発生を海上にいる人に伝えることで、津波からの避難を加速させるプロジェクトです。

2016年から始めている#beORANGEですが、去年4月から宮崎県の全域でスタートしました。宮崎大学の学生さんや宮崎に移住した起業家、そして地元の人たちなど、行政より民間が主導ですね。
各ビーチでオレンジフラッグを設置したり、地域の人やライフセーバーにオレンジフラッグの普及活動をしたり。
サーファーも「自分たちがやらないでどうする」と立ち上がってくれました。
鎌倉や逗子から宮崎に来て手伝ってくれるサーファーもいます。

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ーーオレンジフラッグの浸透具合はどうですか?

最初は、ほとんどの方がオレンジフラッグの意味を知りません。
ビーチで観光客に「今津波が発生したらどこに逃げますか」とアンケートを取ると、95%の人が、津波が来る場所を「逃げる場所」と答えました。しかし、オレンジフラッグを知らなくても、フラッグを掲げてあると「あそこは避難する場所かもしれない」と答えるんですね。
そもそもなぜオレンジなのかというと、空や海の青、砂の白の反対色になるのがオレンジで、ほかの色は遠目に見ると黒くつぶれてしまうのですが、オレンジはずっとオレンジなんです。

また、オレンジには「協力して助け合う」という意味もあるのです。

災害時に「常に助ける側」になりたい

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ーー宮崎のほか、湘南でも新たな動きが生まれましたね?

去年の8月、南海トラフ地震で被災が想定される139市町村の防災計画と津波避難計画など、ソフト面の対策を私たちで評価してランキングを発表しました。
神奈川県の葉山町が1位になったんですけど、葉山の町長に「勝手に評価して、勝手に1位になっているんですけど、賞状を渡していいですか?」と聞いてみると、町長が「ぜひ」と。
町長にお会いすると、「これは僕たちも広めなければいけない」とおっしゃられて、防災意識の高い鎌倉、そして逗子も入って防災ガールと何かやろうというお話になりました。


ーーなぜ葉山町が1位になったのですか?評価基準は?

防災計画がそもそも策定されているかどうか、これは基本的に全市町村がクリアしているんですけど、その上で私たちの基準で、情報の検索がしやすいかどうか、観光客や外国人への対策が載っているかどうかなど、ソフト面の充実度を評価して点数化しました。
葉山町は地域住民が自ら防災計画を作っていたり、ワークショップの回数が多かったり、防災に対する姿勢が計画上でよくわかりました。

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ーーなるほど。今年はどんな取り組みを予定していますか?

石井食品さんと非常食ではなく、回復食を作ろうとしています。
石井食品さんは行政向けの非常食を作っているのですが、これまで被災者に直接会ったことがなかったというので、開発メンバー全員を泊まり込みで熊本に来てもらいました。
石井食品は完全無添加に取り組んでいて、災害時だけでなく普段から食べても元気になる回復食を共同開発しています。

また、防災ガールは、災害時に「常に助ける側」になりたいと思っています。なので、拠点を被災リスクの少ない滋賀県の長浜に移しました。
長浜では、「防災の新しい概念」を日々模索中です。
いま学生やママさんたちなどの防災団体が増えています。
防災ガールは、これからも防災業界の楽しさを広めていきたいと思います。

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