パナソニック社員が「本当に欲しい家電」は何?
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パナソニック社員が「本当に欲しい家電」は何?

SXSW2018での挑戦

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Mar 13, 2018 by Shimizu Toshihiro Reporter

3 Lines Summary

  • ・パナソニックが米イベントSXSWに出展
  • ・社内公募から選ばれた「未来のカデン」が並ぶ 
  • ・新しいものづくりのアプローチで意義は大きい 

未来のカデン

「歯のホワイトニングって、したことありますか?」

説明役の女性に声をかけてみると、まず尋ねられた。筆者は経験がない。正直にそう答えると、彼女が担当する「家電」が生まれた背景を語ってくれた。

「私の姉がホワイトニングをしたんですが、そのあとすごく痛がっていたんです。なので、私は怖くてできないんです」

彼女はパナソニックの女性社員。同僚にも、ホワイトニングで痛みを覚えた人がいたという。

歯を白くしたいけど、時間やお金がかかるだけではなく、痛みが伴う。ホワイトニングにはあまり関心がないという人は筆者も含めて多いだろうが、彼女たちにとっては大きな“社会課題”だ。

家の中で手軽に、痛みがない形でホワイトニングができないか。

そうした課題を解決するために、有志の社員たちが集まってアイデアを練り上げたのが、「Sylphid」という名前の装置。

知覚過敏のもとになるのは化学物質であることに注目し、それを使わないでホワイトニングをするために、パナソニック独自の「機能ミスト」技術を活用。

ホワイトニングに有効な二酸化炭素を発生させ、マウスピースのようなものを口にくわえているだけで表面がどんどん白くなっていくという。

ミストに味や香りをつけて、気分によって変えられるように工夫。ボトルもコレクションしたくなるようなオシャレなデザインになっている。

「化学物質を使用したホワイトニングで挫折した人や抵抗感を感じている人に使ってもらいたいです」

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大企業の技術と社員のアイデアを掛け合わせる

ただし、「Sylphid」は“未来のカデン”だ。細部まで設計されていて、実際に目の前に形になって置かれているが、商品化されていない。

本当に需要はあるのか、アイデアを実現するには何が足りないのか、何を加えるとより良いものになるのか、海外の人たちに見てもらってブラッシュアップするために、遠くアメリカまでやってきた。

こうしたアプローチの商品を具現化することは、大企業ではなかなか難しいことが多い。

しかし、パナソニックは様々なアイデアを戦わせて新しいものを生み出すため、米テキサス州オースティンで開催されているイベントSXSW(サイス・バイ・サウスウエスト)の目抜き通りに「パナソニック・ハウス」を展開し、連日多くの人が訪れている。

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ストーリーをもつアイデア

SXSWへは2017年に引き続き2回目の参加で、展示されているのは社内公募で選出されているもの。

ホワイトニングの「Sylphid」のように、どのアイデアもストーリーを持っているのが特徴だ。

犬用の電動歯ブラシを持ってきたチームは、ペット好きの社員が中心。飼い犬の歯周病ケアをしなければいけないのに嫌がって難しい現状を憂慮。徐々に慣れさせるために振動を変化させる工夫をしたプロトタイプになっている。

ただ、単なる製品づくりが目的ではない。

どこを磨いたのかデータ化することや、新しく犬を飼う人のための教育プログラム、飼い主同士の情報共有なども想定。ペット市場で「飼い主のコミュニティー形成を促すプラットフォーマーになる」という位置づけの事業だ。

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飼い犬の写真を見せながら説明

そのほか、高齢者と離れて暮らす家族間のコミュニケーションを支援するアイデアでは、「ゆるいつながり」がテーマ。

遠くに住む家族がいまどうしているか知りたいが、いつも電話をするのはお互い少し重たい。

会話などをしなくても、そこにいて何をしているか、光の色で知らせるというサービスだ。

これも離れて暮らす祖母とのコミュニケーションにフラストレーションを感じていた社員の発想だという。

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実家の祖母が装置に近づくと、孫の家で装置が光る

そのほか、手作り感にこだわったおにぎりロボットや、調理トレーニング用のスマートレンズなど、様々なアイデアが並んだ。

インタラクションに重点

また、今年からはビジネス、社会、テクノロジー、カルチャーなど様々な有識者らを招いたセッションを連日開催。パナソニックと来場者とのコミュニケーションだけでなく、来場者同士のインタラクションにさらに重点を置くようになっている。

新規事業の創出や人材育成を目指す組織「ゲームチェンジャー・カタパルト」のプランニングリードを担当する鈴木講介さんは今回の取り組みについて「満足している」と語った。
 
「『去年もパナソニックハウスに来て面白かったから、今年もパナソニックハウスを目当てにSXSWに来たんだ』という方がいて、すごく嬉しかったです。テーマを作った人間が一生懸命説明しているので、説明の中で共感をもらったというコメントをもらいました」

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鈴木講介さん

さらに、パナソニックがSXSWに出す意義を、こう強調した。

「社会課題とか、問題意識はすごく細分化されていて、それぞれに寄り添っていくのは大企業としてのチャレンジだと思っています。SXSWはミュージックやフィルムなど様々なバックグラウンドを持った方が集まって、まだコンセプト段階でも色々な視点でアイデアをいただけるので、良い場だなと思います」

パナソニック・ハウスの開催は13日(米国時間)まで。ここで披露されたアイデアがさらに新しい形で世の中に出てくる日も近いのかもしれない。

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https://sxswhoudoukyoku1.peatix.com

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パナソニック・ハウスのアイデア品を東京都内で公開

https://sxswhoudoukyoku2.peatix.com

「SXSW」を知らずに、未来は見えない
vol.16

パナソニック社員が「本当に欲しい家電」は何?(この記事)

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