台湾は、米本土防衛の最前線に
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台湾は、米本土防衛の最前線に

台湾山頂に聳える巨大レーダーの正体

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Mar 23, 2018 by Nose Nobuyuki Reporter

3 Lines Summary

  • ・中国空母「遼寧」艦隊が、20日、台湾海峡通過
  • ・米国の「台湾旅行法」成立、米国務省高官の台湾訪問に中国は反発
  • ・台湾を重視する米国の安全保障事情

台湾の巌徳発国防相は、21日、立法院(議会)の外交・国防委員会で、18日から19日に掛けて、東シナ海で訓練を行っていた中国の空母「遼寧」を中心とする中国艦隊が20日、台湾海峡を通過したと明らかにした(参照:上資料写真)。

台湾の防空識別圏に入ったため、軍用機でスクランブルを行い、台湾軍は軍用機や軍艦で警戒に当たったという。
1996年、中国が台湾周辺にミサイルを撃ち込んだのに対抗して、米海軍が、空母インディペンデンス、同ニミッツの空母戦闘群を派遣したが、今回は、中国が空母を見せつけたことになるだろう。
なぜこんなことが起きるのだろうか。

米国では、3月16日に、トランプ大統領の署名で、米政府高官が台湾へ旅行し、また、台湾高官の米国訪問を可能とする「台湾旅行法」が成立し、米国務省のウォン次官補代理(下写真右端)が20日、早速、台湾を訪問。
蔡英文総統(下写真左から2番目)とともに、在台北米国商工会議所の会合に出席し、「米国は台湾の近い友人であり続ける」と述べた。

これについて中国外務省の報道官は「すでに米国に厳重抗議した」と反発しており、「遼寧」の台湾海峡通過も反発の一環との見方もある。

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2016年12月2日、大統領選に勝利したトランプ「次期」大統領は、台湾の蔡英文総統と電話会談を行った。
1979年に国交断交して以来、初の出来事だったが、この時のトランプ氏は、まだ、正式な大統領には就任していなかった。

米トランプ政権は、中国の反発が予想される中、なぜ、台湾との関係強化を進めるのだろうか。

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英国は断言は出来ないが、軍事的に見れば、いまや、台湾は、アメリカ本土防衛の第一線とも見える部分がある。

台湾の樂山という山の上には、民間の衛星からも見える巨大な「EWR」(参照:上画像)というフェーズド・アレイ・レーダーが立っている。
これは、米国の戦略弾道ミサイル警戒用のAN/APS-123 Pave Paws早期警戒レーダーをベースに開発された長距離レーダーで、建屋の高さは30m以上、探知距離は3500㎞とも5000㎞ともいわれる強力なもの。

おおもとが、米戦略レーダーなので、万が一の際、中国の奥地から発射されるICBM大陸間弾道ミサイルや、中国が、南シナ海の中に作った人工島で囲まれた海域から出撃する弾道ミサイル原子力潜水艦から発射される弾道ミサイルも捕捉できるだろうとみられる。
言い換えれば、米本土防衛に絶好の眼が台湾にあることになる。

アメリカン・ファーストを掲げ、米本土防衛を重視するトランプ政権にとって、中国の南シナ海進出が進み、中国の戦略ミサイル搭載原潜の活動の場に手が出しにくくなれば、弾道ミサイル警戒用の絶好の眼を持つ台湾との関係を強化したくなるだろう。
逆にいえば、米本土防衛のために、台湾にある巨大レーダーを米国は防衛せざるを得ず、従って、米国は、台湾防衛をさらに重視せざるを得ないのではないか。

台湾の巨大レーダーが、日本の防衛に役立つかどうか、筆者には不詳だが、米国が、もしも、自国の安全保障のため、台湾との関係改善を目指すなら、日本も米=台湾関係の変化から目を離すべきではないだろう。

↓この記事は5分動画「日刊安全保障」の抜粋です↓
https://www.houdoukyoku.jp/archives/0032/chapters/29385

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