花見の場所取り。新入社員に命じたらパワハラ?
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花見の場所取り。新入社員に命じたらパワハラ?

弁護士の見解はどうなのか

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Mar 23, 2018 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・新入社員へのパワハラになる可能性がある
  • ・場所取りは「労働時間」に該当すると判断されれば、残業代が出る
  • ・ブルーシートを敷いただけでは場所取りをしたことにはならない

気象庁が3月17日、東京都心で桜の開花を発表したほか、各地から開花の便りが続々と届いている。

一方で毎年のように物議を醸すのが「場所取り」の問題だ。

会社の花見で朝早くから場所取りをした場合、残業代は出るのか?
新入社員に花見の場所取りを命じたら、パワハラになるのか?

弁護士法人L&Aの伊勢田篤史弁護士に話を聞いた。

場所取りをした場合、残業代は出るのか

ーー休日に開かれる会社の花見に参加した場合、残業代は出る?

花見に参加していた時間が、「労働時間」に該当すると判断されれば、残業代が出る可能性があります。

 
残業代が出るかどうかについては、花見に参加していた時間が「労働時間」にあたるかどうかが問題となります。

そして、「労働時間」にあたるかどうかは、労働者が使用者(雇用主)の指揮命令下に置かれているかどうかにより判断されます。
具体的には、(1)強制の程度や(2)業務関連性の程度等で判断されることとなります。

ひとくちに「会社の花見」といっても、社員全員の参加が事実上強制されているケースもあれば、部や課の有志のみのケースもあるでしょう。

前者であれば、(1)強制の程度も強く、(2)業務関連性も強いといえ、労働時間に該当する可能性は高いといえるでしょう。一方で、後者の場合には、(1)強制の程度も低く、(2)業務関連性も低いといえ、労働時間に該当する可能性は低いでしょう。

花見に参加していた時間が「労働時間」に該当する場合には、各職場の状況にもよりますが、通常平日の業務にて法定労働時間(1週40時間)を超えていると考えられるため、残業代が発生する可能性は高いでしょう。

ーー会社の花見で朝早くから場所取りをした場合、残業代は出る?

こちらも、花見に参加していた時間が、「労働時間」に該当すると判断されれば、残業代が出る可能性があります。


朝早くの場所取りについても、「労働時間」に該当するかどうかが問題となります。

社員全員の参加が事実上強制されたお花見であれば「労働時間」とされる可能性が高い一方で、有志のお花見であれば「労働時間」とされる可能性は低いといえるでしょう。

なお、平日の場合には、始業時間までが、いわゆる前業として残業代の対象となります。

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場所取りを命じるとパワハラになる可能性がある

ーー今、世間はパワハラに非常に敏感になっているが、新入社員に花見の場所取りを命じたら、パワハラになる?

パワハラと評価される可能性があります。

パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます(厚生労働省HP)。

つまり、(1)「職場内での優位性」を利用する行為であり、(2)「業務の適正な範囲」を超えた指示・命令の結果、(3)社員に対し精神的・肉体的苦痛を与え、又は職場環境を悪化させた場合には、パワハラに該当するといってよいでしょう。

もちろん、従前の人間関係、発言状況や内容等にもよりますが、新入社員に花見の場所取りを命じる行為はパワハラと評価される可能性が存在するものといえるでしょう。

お花見は、本来社員の懇親の場であったはずです。新入社員のみに一方的に重い負担を負わせることなく、全員が楽しめるよう工夫すべきといえるでしょう。

ブルーシートを敷いただけでは場所取りをしたことにはならない

ーー2年前、ブルーシートを敷くだけで事前に良い場所を確保する行為が物議を醸したが、ブルーシートを敷いただけでも場所取りをしたことになる?

シートを敷いただけで、その場所を独占的に使用する権利が発生することはありません。


都市公園法6条1項において「都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない」と定められています。

これに違反した場合には、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法38条2項)。

ブルーシートを敷いただけでは、もちろん公園管理者の許可を受けたことにはならず、場所取りをしたことにはならないでしょう。

事実上、ブルーシートでの場所取りが黙認されているケースもありますが、これは公園管理者が黙示的に許可を与えているものと解釈することが可能です。

ただし、非常識な場所取り等は黙示的な許可の範囲を超えたものとして不法占拠となる可能性があります。

なお、公園の他の利用者が不法占拠だとして、ブルーシートを撤去することは認められておりません。勝手にブルーシートを撤去した場合には、不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性がありますので注意が必要です。

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弁護士法人L&A パートナー弁護士・公認会計士 伊勢田篤史
慶応義塾大学経済学部卒。大学在学中に公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て2014年弁護士登録(67期)。東京弁護士会所属。法務と財務の両面から、企業経営に関するコンサルティングを行っている。

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