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トランプ政権を見通すためのざっくり視点

トランプ政権の行方をざっくり見通してみた。

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Nov 17, 2016 by Kazama Shin Reporter

3 Lines Summary

  • ・選挙戦での発言をあてにしてはいけない
  • ・「アメリカ・ファースト」だけは変わらないはず
  • ・日米関係は大いに変わる可能性がある

トランプ次期大統領はどんな政治を行うのか。
興味は尽きず予想もつかないが、すでに氾濫しつつある雑多な情報に翻弄されないために、私個人は次のようなざっくり視点が有用だと考えている。

選挙戦で言っていたことは変わって当たり前

選挙戦では勝つためのメッセージ、発言だ。
念願の当選を果たした今、トランプ氏が考えているのは、どういう大統領として歴史に名を残すか。それだけだろう。
こだわり続けて反発を招き何もできずに終わっては話にならない。約束を違えない範囲で現実的に動くのは当然だ。
当初は1200万人とされる不法移民すべてを強制送還としていたのを、当選後のCBS「60ミニッツ」のインタビューでは、犯罪歴のある200~300万人にスケールダウンした。
不法移民であってもなくても、犯罪者の処罰(外国人なら強制送還も)は当然のことで、誰も反対できるものじゃない。
そういう地点に軟着陸してきた。
今後も現実路線への修正が起きても驚かない。

変わらない一線は「アメリカ・ファースト」

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とは言え、選挙戦では全部大袈裟でした…という訳にはいかない。
トランプ氏に一票を投じた有権者にはトランプ政権の支持者であり続けて欲しいし、それが歴史に名を残すための王道だ。
彼らのトランプ支持理由はそれぞれだろうが、最大公約数は「アメリカ・ファースト」だと思う。
私個人はこのスローガンを『アメリカでアメリカ人が豊かに安全に暮らすことを最優先させる』ことだと噛み砕いている。
それは十分に漠然とした言い方ではあるが、内政外交の諸政策を立案・検討・評価・選択する場合の定規として、意識してみる価値があると思う。

共和党の力を借りていない強み

「アメリカ・ファースト」は労働者に手厚く、公共事業を推進など、伝統的な財政保守主義や共和党的な独立自尊意識と衝突する部分がある。
いわゆるソーシャル・イシューでもトランプ氏は保守本流ではなく(上記の「60ミニッツ」でも同性婚を容認)、何かと共和党との不和が取りざたされるだろう。
その場合のポイントは、トランプ氏は共和党の力をほとんど借りずに選挙戦を勝ち抜いたこと。
つまり、党に対する負い目はないこと。
そして、この選挙で議会上院と下院はそれぞれ共和党が多数を守ったが、民主党との議席数の差は縮まった。
であれば、共和党議会と共和党の大統領が協力して結果を出すのが、2年後の中間選挙で(共和党下院の全員と上院3分の1の改選対象者が)再選を果たし、勢力を拡大するためには上策というものだ。
議会との調整はトランプ・ペースで進みそうだ。

その最たる例が、共和党の上院No.1であるミッチ・マコーネル院内総務がトランプ当選を受けて「新大統領が望まないのならTPPで無理することはない」と述べてTPPを葬り去ったことだ。
マコーネル氏は自由貿易推進派で議会のレイムダック・セッションでTPPを承認するキーマンと目されていたが、あっさりと豹変した。
新薬のデータ保護期間を問題視していたとはいえ、これが新しい権力者との折り合いのつけ方ということなのだろう。
蜜月の100日は前延長ですでに始まっている。

日米関係でかつての常識は通用しない

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在日米軍の経費負担や核兵器保有など、トランプ氏の以前の発言について心配を募らせている人も少なくないだろう。
どこまでが選挙用の発言で、奈辺に真意があるのかないのか、それらはいずれ明らかになってくると思うが、今から覚悟しておくべきことがある。
それは、「経済・貿易問題で酷い対立が生じても、それが安保関係に及ぶことはないのが日米関係」といった類の、かつての常識=安保至上主義?歯止め論?は通用しなくなるということだ。
トランプ氏の対日観が、主に80年代の日米貿易摩擦(自動車紛争)やバブル期の海外不動産の買い漁りを基礎として建てつけられたことはその通りだろう。
ならば「話せばわかる」のか?
分かってもらったとしても「アメリカ・ファースト」が勝るのではないか?

ビジネスマンの話法を意識すべき

トランプ氏は現在70歳。
大統領は人生の最終章と言える。
時間は限られている。
その際に、自分がこれまでやってきた物の見方考え方を敢えて変えるだろうか。
私はそうは思わない。
経営者として成功し、大統領選挙を勝ち抜いたやり方を続けるだろう。
それはコストとベネフィット、短期と中長期、ファイナンシングなどの損得勘定を理詰めで行うこと。
そして何よりも、負けを断固拒否し「勝つ」ためのガッツを重視し、最後に究極のディールも厭わないことだ。
スタイルとしてはトップダウン、トップセールスとも言える。
その意味で、安倍総理が早速、トランプ氏と直接会談するアプローチは間違っていない。
トランプ政権と付き合っていくには、それくらいの常識破りが必要になってくる。

“トランプ大統領”就任までのカウントダウン

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風間晋
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