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「トランプノミクス」めぐる神経戦の行方
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Nov 22, 2016 by Chida Yuichi Reporter

3 Lines Summary

  • ・インフレ期待が金利押し上げ。投資マネーは株式・ドルへ
  • ・しかし、インフレ過熱で「利上げペース加速」の可能性
  • ・新興国からアメリカへのマネー還流は世界経済のかく乱要因

「金利上昇」「株高」「ドル高」へ。

トランプノミクスへの期待から世界のマネーの動きは激変しました。

大型減税やインフラ投資によるアメリカ景気の回復、積極財政への思惑が広がり、金融緩和で金利が抑えられてきた局面は一変し、インフレ期待が金利を押し上げる状況が生み出されています。

アメリカでは、10年債利回りが11月18日に一時2.36%と、およそ1年ぶりの高水準となり、金利上昇の流れは、日本やヨーロッパにも波及しています。

投資マネーは、アメリカの「インフレ・高金利」を前提に、株式・ドル投資のうま味を求める流れに転換しつつあります。

トランプノミクスへの期待は、東京市場でも急速な「円安株高」を現出させています。

アメリカFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が、議会証言で12月の利上げを示唆したこともあり、円相場は、21日には半年ぶりに1ドル=111円台にまで下落しました。

トランプ氏の政策期待と円安を追い風に、日本株買いも加速していて、トランプ氏勝利の9日に急落した日経平均株価は、翌10日には下げ幅を取り戻し、その後も上昇基調が続いています。

輸出企業では、実際の円相場が想定為替レートより円安水準となっているところも多く、採算の改善が見込めることで、業績底入れへの期待が強まっています。

しかし、このトランプ相場が今後も一本調子に続くかは不透明です。

選挙期間中に繰り返されてきた「保護主義」的・「内向き」の政策についての過激な発言が、選挙後は、なりをひそめるなど、トランプ氏の本音ははっきりしませんでしたが、21日、就任初日のTPPからの離脱通告の意向を表明しました。

トランプ氏の政策が、市場が想定するような成長の姿に結びつかない場合、インフレへの期待は縮小します。

さらに、波乱要因となるのが、FRBの利上げシナリオへの影響です。

失業率が十分に低いなかで、拡張的な財政政策により景気が刺激され、インフレが過熱すれば、来年以降の利上げペースが速められる可能性があります。

ドル高のあおりで、新興国の株や債券に投資してきたマネーが、アメリカに還流する動きはすでに出ていて、この先、アメリカの利上げ加速で、新興国からアメリカへの資金流出が急激に進む事態になれば、新興国景気に水を浴びせることになり、世界経済のかく乱因子となります。

期待が大きく先行したトランプ相場は、景気刺激効果がどこまで続くのか不確実な様相を呈したままで、波乱の種を根強く内包しています。

トランプノミクスの実現性に未知数の部分が相当に多いなか、トランプショックの第二ステージは果たしてあるのか。

リスクオンが続く市場ですが、この先、政策の帰趨を見極めようと、神経戦を余儀なくされる展開が予想されます。

“トランプ大統領”就任までのカウントダウン

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