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若者は「ニュース」を読む? 課題は“SNSネイティブ”の取り込み

フジテレビ「新・週刊フジテレビ批評」~the批評対談「拡大する“ネットニュースサービス”の行方(11月12日・19日放送)」より:第3話

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Nov 28, 2016 by Shimizu Toshihiro Reporter

3 Lines Summary

  • ・各ニュースメディアは若者をまだ取り込めていない。
  • ・本質的には隙間時間の奪い合いになっている。
  • ・ユーザー側にリテラシー教育をしていくことが必要。

【 スマートニュース  】松浦茂樹 メディアコミュニケーションディレクター
【東洋経済オンライン】武政秀明 副編集長
【    ホウドウキョク   】清水俊宏 戦略チーフ
【週刊フジテレビ批評コメンテーター】原田曜平 博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー

「インターネットネイティブ」と「SNSネイティブ」の断絶

原田
若者たちはそれぞれ皆さんのメディアをどのくらい見ていますか?

松浦(スマートニュース)
ゼロではないですが、決して多くの量を占めている訳ではありません。

武政(東洋経済オンライン)
若者向けのコンテンツがそれほど充実しているわけではありませんが、グーグルなどで検索した時に、気がつかないうちにウチの記事に来ているとか、ツイッターのタイムラインで気がついたらウチの記事に来ていたということはあるので、意図せずして届いていることもあります。

清水(ホウドウキョク)
ホウドウキョクは30代40代に“刺さる”ようなコンテンツを中心に作るようになってきています。
従来ターゲットとしていた若者についても、SNSからの新規流入などの形で呼び込みたいと思っています。

原田
いずれにせよがっつり若者をつかめている状況ではないということですね。
大雑把に言うと、30代以上は若い時からインターネットに触れた“インターネット世代”で、今の10代20代は“SNSネイティブ”だと思います。
この“インターネットネイティブ”と“SNSネイティブ”の間に結構な断絶があるんです。
SNSネイティブが、たまたま誰かがツイッターでリツイートしたので東洋経済オンラインに行きつくということはありますが、いきなり東洋経済オンラインに行きつく団塊ジュニア群のメンタリティとは多少違ってきています。
ここをどう取っていくかというのが、たぶん次の課題になってくるかと思います。

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松浦
若い世代はコミュニケーションの合間にニュースがあって、ニュースを欲しいと思って取りに来る訳ではありません。
あくまでもLINEやツイッターなどのSNSのコミュニケーションで取り交わされる「ネタの1つ」としてまず消費されるところから見つけてもらわないことには始まらない、というのが1つの考え方です。

原田
大人になってもなかなか政治やニュースに関心を持ちにくい世代になっています。
会社で働いていてもSNSで友達と会話し続けている訳で、そこからなかなか離脱していかない傾向があります。
彼らの多くが一番大事なのはLINEなので、LINEニュースは比較的読まれていると思います。
しかし、やはりその内容が『トランプ現象』よりも『彼氏にフラれない何箇条』とか、もはやニュースと呼べないものをずっとシェアし合う。
そういうメンタリティの中年が、ひょっとしたら10年後には生まれる可能性があります。
そういう人たちにどう対応していくかが課題でもあります。
ヤフーでニュースを見る人もすでに中年化していると思います。
若い人はLINEニュースとかメリーとかキュレーションサイト、しかも学生たちがバイトで書いていたりするような記事を見ているんです。

ニュースのライバルは「ゲームなど娯楽」

武政
今、本質的には隙間時間の奪い合いになっています。それこそスマホのゲームですらライバルになっています。
ポケモンGO!が流行った時にはやはりアクセスが若干落ちました。
1日24時間というのはみなさん変わらないので、出している情報は無限ですが、その24時間をどう奪い合うかになってきます。 

松浦
ニュースでお互いにライバル視している余裕はないんです。啓蒙も含めてみんなニュースで戦わなければいけない。
ゲームやいろいろな娯楽に対して、各社様々な切り口で対応していかないと“ニュース”自体が読まれなくなる。
隙間時間の中でもうニュースが相手にされなくなってしまうという危機感は非常にあります。

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清水
ただ、自分たちも若い時に、『新聞を読まない、本を読まない、もうこの若い世代はダメだ』と言われました。
実際、新聞をとっていない友人は、本当にニュースを知りませんでした。
しかし、それに比べると今の若い世代は、新聞もとらずテレビもあまり見なくても、SNSやLINEニュースで意外とニュースを知っていたりするんですよね。
そういう意味では、むしろ今の若い世代の方がニュースを知る可能性はあるんだと思います。
もちろんやり方を考えないといけないし、すぐにできるような甘い話ではないですが、『もう若者はダメだ、ニュースは見ないから相手にするな』とあきらめたら、それこそきっとダメだろうなと思っています。

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誤報・炎上にどう対応する?

武政
事実関係の間違い、例えば数字や固有名詞の間違いがあった場合には、すぐに直してやはり謝ることです。
また、解釈の問題等によって炎上している時に一番やってはいけないのは、追加燃料を投下することです。
例えば開き直ってまったく違う見解を載せたりすると、さらに反論がエスカレートしていき、“炎上”という名前の通りで、さらにガソリンを投下することになってさらに燃え上がり、そして、別のガソリンを投下して燃え上がり…、その繰り返しになってしまう。
自分たちが信念をもって出した記事であれば自信をもって勝負する。
ただ事実の間違いというのはやはりダメでしょということです。

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松浦
もちろん誤報が出た場合は、その媒体元が発表して謝ります。
これは新聞でもテレビでも同じですが、記事の信頼の担保性という点では、編集とライターの関係と同じだと思っています。
ライターが書いてきた記事を編集が一次ソースの細かいところまでいちいち検証はできません。
そこはやはりコミュニケーションをしっかりと取っていく。
媒体が持っているブランド、コミュニティという部分は、結果的にスマートニュースのトップを見てもらうことになっていますが、名前も知られている新聞社・雑誌社が入っているので、そこがある意味、信頼の担保性になっていくと思います。
結局、炎上というのはコミュニケーションのミスなので、ソーシャルネットワークも含めて“お問い合わせの声”を現場レベルでも経営陣も必ず見るようにしています。
そういうコミュニケーションを絶え間なく続けていけば大きな事故にはつながらないんです。
ただ、そこのコミュニケーションをせずに一方的に送るということをやり続けると、ネットでも絶対に炎上します。

清水
テレビ局はどちらかというとネット上で狙われやすい。
『視聴者提供の映像』と称してまったくの偽物が送られてくることもあります。
ただ、フジテレビの報道全体に、こういうものには引っかからないためのノウハウがあるので、そういう意味では安心しています。
ただ、気を付けていても間違うことはあります。例えば公的機関が間違った発表を出して、それをそのまま流してしまうケースもありえます。
やはりそうした時にはきちんとテレビと同じ形で訂正をするなどの措置を考えています。
いつの間にかスッと消すのではなく、追記として『どこどこの部分は違いました』と正直に書くのが大事だと非常に強く感じています。

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原田
やはり情報リテラシーが人によって非常に下がってきています。
もっとネット上には有象無象の情報もあって、そればかり見て信じてしまう人も出てきています。
だからメディア側よりも、むしろユーザー側にリテラシー教育をしていくことが必要だと思います。
そうしないともう対応できないような状況になってきています。
 
松浦
テレビ・新聞・雑誌などはもう成果物という形で出てきているので、その過程が明らかにされることはなかなかありませんでした。
しかし、ネットはアーカイブされていて、調べようと思えばその間違いの過程をみんなで調査することができます。
そこを意識せずに結果の部分だけちゃんとしようとしてコンテンツを作ると、過程が明らかになった場合に『何だこれは!』という事態になってしまうんです。
それも今、記事化されているので、ある意味そういうネット上の間違いの過程を記した記事というのも、啓蒙の一つになればいいと思います。

(第4話に続く)

第1話:「スマニュー」「東洋経済」「ホウドウキョク」は似た者同士?
第2話:「スマニュー & 東洋経済 & ホウドウキョク対談!『見られる時間』と『読まれるタイトル』」
第3話: 若者は「ニュース」を読む? 課題は“SNSネイティブ”の取り込み(この記事)

対談の動画はこちらからどうぞ。

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『新・週刊フジテレビ批評』番組HPはこちら

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