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大麻と覚醒剤…どちらも違法薬物なのに罪の重さが異なるワケ

このところ相次ぐ薬物事件。代表的な違法薬物「大麻」と「覚醒剤」で罪の重さが異なる理由とは?

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Nov 29, 2016 by gogo Reporter

3 Lines Summary

  • ・「大麻取締法」は代表的な薬物を規制する薬物四法のひとつ
  • ・大麻は昭和初期に産業用などで使われていたため、罪が軽く起訴される確率も低い
  • ・覚醒剤に使用罪があるのに対し、大麻には使用罪がない

先月25日に大麻取締法違反の容疑で逮捕された元女優の高樹沙耶被告。今月25日までには長野県の音楽イベントなどで大麻を使用する大麻コミュニティーが一斉摘発。男女22人がこちらも大麻取締法違反の容疑で逮捕された。

このところ大麻絡みの事件が相次いでいるが、サン綜合法律事務所の弁護士・押久保公人さんによると、大麻事件は覚醒剤事件に比べ、罪が軽く、起訴される確率も低いという。一体なぜなのか?

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大麻、覚醒剤はともに薬物四法で規制

薬物四法では代表的な4つの薬物が規制の対象になっています。

1つ目は「大麻」。それから「覚醒剤」。この2つはよく報道で聞くかと思うんですけど、四法の中には「あへん法」というものもありまして、アヘン戦争のあへんなんですけれども、これは昭和前半の時代に制定された法律になります。この法律で取り締まられた例は昔はあったんでしょうけれど、私は聞いたことがありませんね。最後に、「麻薬及び向精神薬取締法」というのがありますが、「大麻」「覚醒剤」「あへん」に該当しないようなものを、そのときどきの状況に応じて追加したりして制定しています。

さらに薬物四法の特別法というものがありまして、通称名は「麻薬特例法」というんですけれど、薬物犯罪を事業のようにしてやっている人が対象で、最高で無期懲役まで規定されているんですね。薬物の日本の規制は大体こんなところになります。

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大麻は昭和初期に産業用などで使われていたため罪が軽い

「覚醒剤」と「大麻」というのはもちろんモノが違うんですけど、昭和初期の頃に大麻というのは伝統的にいろんなものを使われていたと。

例えば、産業用の縄で使われていたというのがあって、「大麻取締法」と「覚せい剤取締法」は昭和20年代に制定された法律ですけれども、大麻がいろんなことに使われていたという観点もあって、一般的には覚醒剤は罪が重くて、大麻は覚醒剤に比べると軽いと。簡単に言うと、そういうことになります。

覚醒剤はかつて合法的に売られていたが、中毒性が高いため罪が重い

とはいえ、覚醒剤も昔、薬として売られていたと。覚醒剤を今、隠語的に「シャブ」という言い方をして、「シャブ中」という言い方をすると思うんですけど、年配の方ですと、「シャブ中」ではなく「ポン中」という言い方をする人がいるんですね。

ポンが何かというと「ヒロポン」という名前の薬が実はありまして、これは覚せい剤の成分が入っていたものなんですね。今でいう栄養ドリンクとか、元気になるものとして売られていたんです。

その時は合法的に売られていたものなんですけれど、中毒症状が出たということで規制の対象になったんですね。覚醒剤も大麻と同じような経緯はあるものの、中毒性が非常に高いものとして厳しく取り締まられているということです。

罪の重さ:「覚醒剤」はMAX20年、「大麻」はMAX7年

覚醒剤を輸出入・製造した場合には1年以上の懲役で、20年がMAXになります。

一方、大麻を輸出入・栽培した場合には7年以下の懲役なので、懲役のMAXに違いがあります。大麻の7年以下というのは一番下は1カ月なので、これもだいぶ違いがありますよね。

売る目的ではない自分で使うための「単純所持」や自分で使ったときの罪は覚醒剤は10年以下の懲役なのに対し、大麻は「単純所持」の罪を5年以下と定めていて、覚醒剤の半分以下になります。こんなふうに法律上も違いが出ているということです。

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起訴される確率:「覚醒剤」は80%、「大麻」は50%

実際に裁判所が下す刑の傾向は、法務省が毎年出している『犯罪白書』によると、平成26年度では、覚せい剤取締法違反だと起訴される確率が80%。立件されたうち、起訴されたのが80%ということです。

大麻取締法違反だと、これが50%ぐらいと。なんで全部起訴されないのかというと、覚醒剤と比較したときの罪の重さの違いで先ほど言ったように、大麻の方が罪が軽いので持っていても必ずしも起訴されるわけではないんです。

所持していた量も罪の重さを左右

あとは持っている量。覚醒剤ですと、ほんのちょっとの量でかなり効くので、ほんのちょっと持っていただけでも駄目なんです。

それに対して大麻の場合、少ししか持っていない、しかも前科もないとなると、今回は逮捕拘留だけで訓戒して「次やったらだめだよ」ということで起訴猶予となることがあります。

なぜかというと、大麻草の草の部分だと多くの場合タバコとして吸うんですけど、ある程度の量がないと一回分にならなかったりするんですね。そういったことから罪の重さに差が出ているんです。

大麻は使っても罪にならない?

「大麻の使用が罪にならないんですか?」という質問に対する答えとしては、「半分合ってますけど半分間違っています」ということなんですね。

まず、大麻取締法には大麻を使用したことによって罪になるという規定はないんです。つまり、覚醒剤は使用罪があるのに対し、大麻は使用罪がないんです。なぜないかというと、先ほども言ったように伝統的にいろんなところで使われているなかで、何らかのかたちで吸引・接種するようなことがあって、それを使用だと言われると非常に難しい。

産業で大麻を取り扱っている人は使用と出てしまうということもあって、使用罪は最初、規定されていなかったんですね。それがいまだに規定されていないということなんです。

ただ、使用するためには持っていなければならないので、持っているということは犯罪なわけで、「使用が罪にならないか」と聞かれると「半分合ってるけど半分間違ってる」ということになるわけです。

元女優・高樹沙耶被告の判決は?

初犯でとくに前科もなければ、執行猶予になるかなとは思います。

11月25日「ホウドウキョク×GOGO」より
番組アーカイブhttps://www.houdoukyoku.jp/archives/0008/chapters/26203

薬物の闇
vol.7

大麻と覚醒剤…どちらも違法薬物なのに罪の重さが異なるワケ(この記事)

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