ココが違う!トランプ大統領に「できること」と「できないこと」
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ココが違う!トランプ大統領に「できること」と「できないこと」

ついに始まったトランプ政権にもできないことがある。2人の専門家が指摘した大統領の限界とは。

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Jan 26, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・アメリカ大統領は内政に弱い
  • ・他の国も自国ファーストでOK
  • ・オバマ政策が継続されるかもしれない

ついにドナルド・トランプ大統領が誕生した。就任式後、トランプ政権はさっそくTPPの離脱方針を表明。NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の方針も発表した。一方、何かと争点の多い中国政府はノーコメントを貫いているが、台湾の蔡英文総統はTwitterに祝賀メッセージを投稿した。果たしてトランプ大統領によって世界はどう変わるのか?

暗い演説をやっちゃった

学習院女子大学長  石澤靖治さん

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多くの人は、トランプ氏が選挙期間中に言ったことは票を稼ぐためのレトリック(あや)であって、実際に大統領になったら現実的な方向にシフトしていくという希望的観測を抱いていたわけですが、結局、就任演説では、理想を語ることもなく、アジ(扇動)演説というか暗い演説をやっちゃったなという感じです。

オバマ大統領の就任演説では拍手が鳴りやまなかったのに、今回は「これで拍手しなきゃいけないの?パチパチ…」と感じるときがありました。熱狂的な支持者は、選挙の時と同じことを言ってくれたと喜んだと思いますが、それ以外の人は、ちょっと違うんじゃないか…と、シラケたんじゃないですか。

たぶんトランプ大統領は、直接的に実害のない公約はガンガン進めていくんだと思います。具体的に言うと、TPPは発効もなにもしていないから拒否することは簡単です。NAFTAの場合は、メキシコ製品が高くなるような実害は出るでしょうが言った手前やらざるを得ない。

自分たちが経済的な血を流すことや、肉体的な血を流すこと…これは戦争という意味ですが、こういったことが具体的な形で目の前に現れない限り、やっていくでしょう。ISISを叩き潰すため、遠くの戦争にお金と人を投入することはあるでしょう。逆に中国と全面的にやり合うことは考えていないと思います。

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アメリカ大統領にも限界がある

アメリカの大統領の権力は、外に向けては強いんです。ただ、内政は議会の承認が必要だったり限界があります。共和党は議会の上下両院で多数派をとりましたが、それでも何でもできる訳ではない。

トランプ大統領のやろうとしていることは財政出動が必要なことですから、そうなると共和党の財政保守派を納得させなくてはならないんです。要はTwitterで民衆の心をどれだけ掴み続けることができるかということなんじゃないかと思います。

トランプ大統領はニクソンにそっくり

マスメディアのあり方は、トランプ政権での大きな焦点になるでしょう。これまで否定的な情報が出てくると、メディアが否定的な情報をあえて流していて、真実はTwitterにあるというようなことを言っているわけです。アメリカではここ20年ぐらいで主要メディア離れが急速に進んでいて、TwitterなどSNSの個人から発信される情報と比較されています。

これは1969年から74年まで大統領を務めたニクソン氏とよく似ています。ニクソン元大統領は、完全にメディアと敵対していました。当時はTwitterなど自分で発信する武器がなかったわけですが、今回の状況はかなり違っていくのでしょう。

他の国も自分ファーストでOK

東洋英和女学院大学大学院客員教授  中岡望さん

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就任演説では、目新しい話は特にありませんでした。道路や橋など従来作ったインフラに投資すると言っていますが具体的にどうするという話はありません。外交政策に関してはアメリカファーストなんだけども、ほかの国も自分の利害をファーストにおいても構わないという言い方をしています。

従来のアメリカは、いろんなファンダメンタル(基礎的事項)を担いながら、世界をまとめていこうという感じがあったんですが、お互い勝手にやりましょうと変わってきています。

ツイートが政策になるわけじゃない

トランプ大統領は、要するにオバマ元大統領が出した移民に関する政策は全部覆すという言い方をしています。週明け早々からは移民に関する様々な指示を出してくるでしょう。ただNAFTAに関しては簡単にはいかないでしょう。もともと議会で承認された一つの法律ですから、一方的に大統領が決めるというわけにはいかない。

たとえば、メキシコに対する国境税財の問題が出ていますけれど、下院議長のポール・ライアンは、そんなことしない、させないと言っています。トランプ大統領がTwitterでつぶやいた事が、そのまま政策になるというわけではないんです。

トランプ大統領は中国を知らない

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多分トランプ政権にとって最大の問題は中国政策でしょう。しかし、トランプ大統領自身は、大きなイシュー(論争点)だとは考えていないと思います。たぶん中国や台湾のことは知らない。

閣僚も外交政策を熟知しているわけじゃなくて、だいたい長官に就任すると1週間から10日ぐらいかけて徹底的にブリーフィングをするんですよ。ちょっと面白いなと思うのは、すでにだいたいの閣僚は指名が終わっているんですが、各省の中堅クラスである実働部隊は、実はかなりはオバマ政権時代の人が、そのまま残っているんですよ。3~4割はオバマ政権のスタッフなので前政権を継続したブリーフィングが行われる可能性があるそうです。

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ただ、共和党の中には、台湾派の人が多いんです。要する共和党主流派には、台湾を重視する意識があります。そうは言いながらも米中関係というのはそう単純な話ではないでしょう。

速水健朗のまとめ

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大統領の権限でできることと、議会の承認がいるものがあるんですね。簡単に言うとTPPは、まだ法案として議会を通っているものではないので、このまま進めないのは大統領権限でできます。一方、NAFTAを見直すためには議会の承認が必要です。

トランプ大統領の共和党は議会の主流派になっていますが、何でもかんでも大統領の言うがままではない、というのは非常に重要なところですよね。

中国・台湾の問題は今一番みんなが気になっている部分でしょう。オバマ政権時代の実働部隊が3~4割残っていると聞いてボクは非常に安心しました。アメリカって政権が入れ替わると、何千人単位でごっそりスタッフが異動するんですけど、3~4割が残っていて、新しい長官などにレクチャーを行う。それが終わってみないと、具体的な外交政策は出てこないし、米中関係もトランプ大統領が思っているほど単純ではないという事実を突きつけられ、わりと現実的な外交が行われる可能性もあるわけです。

1月23日放送「あしたのコンパス」より
番組の動画を見る https://www.houdoukyoku.jp/archives/0004/chapters/27008

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