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Pepper元開発リーダーが語る。パラリンピックは「肉体的に劣る人々が頑張っている勝負」ではない

パラリンピックの奥深さを語るトークセッション

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Jan 31, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・パラリンピックとは、「神経科学の戦い」である
  • ・パラリンピックはオリンピックよりも「人間の未来」を見ることができる大会
  • ・オリンピックは「日本のテクノロジーすごくね?」の場だと思っては、ダメ

リオパラリンピック閉会式のコンセプト「POSITIVE SWITCH」を考案したワン・トゥー・テン・ホールディングス。今月27日、オフィス移転パーティーにて「2020に向けたテクノロジー」と題したトークセッションが行われた。

登壇したのは、人型ロボット「Pepper」の元開発リーダーで現在はロボットベンチャー「GROOVE X」の代表取締役を務める林要さん、「WIRED日本版」編集長・若林恵さん、東京五輪組織委員会チーフ・テクノロジー・イノベーション・オフィサーの宇陀栄次さん、超人スポーツ協会共同代表で慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉さんの4名。

ワン・トゥー・テン・ホールディングス代表の澤邊芳明さんが進行役を務めたこのトークセッション、一体どんな話が飛び出したのか?

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ワン・トゥー・テン・ホールディングス 澤邊芳明代表

パラリンピックは「神経科学の戦い」

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「GROOVE X」代表取締役 林要さん

林要さん「パラリンピックという観点で最近、気づいて面白いなと思ったことが、僕は『Artificial Intelligence=AI(人工知能)』と言われるような機械学習を使うんですけど、機械って何かができなかったときの補完が難しいわけですよ。

たとえば『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』と呼ばれるような真っ暗闇の中でご飯を食べる状況だと、人って視覚が奪われて他の神経が過敏になるんですよね。このスイッチというのがとてもじゃないけど当面、機械学習じゃできないと思うわけで。

それを翻って考えると、オリンピックというのは『肉体の戦い』かもしれないけど、パラリンピックっていうのは僕は『神経科学の戦い』じゃないかと思うわけです」

パラリンピックは「肉体的に劣っているけど頑張っている人たちの勝負」ではない

林さん「どこかが動かない、どこかの動きが定型と違う、それにもかかわらず、そこが失われているがゆえに他が伸びるんですよね。こんなことは他の機械ではあり得ないわけですよ。どこかの機能がなくなったら、なくなっただけですね。

車の左前のタイヤがパンクしたらそれで終わりですよ。その残り3輪を拡張することができるっていうのは、まさに人間の適応能力。動物の適応能力のすごいところだなぁと。
そうやって見るとパラリンピックっていうのは『肉体的に劣っているんだけど頑張っている人たちの勝負』ではなくなってくるんですよね」

オリンピック・パラリンピックは日本のテクノロジーのすごさを見せる場ではない

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「WIRED日本版」編集長・若林恵さん

若林恵さん「もちろんテクノロジーみたいなものは重要なんですけど、『なんか日本のテクノロジーってすごいよね』みたいなことでプレゼンテーションしても多分しょうがないんですよね。
オリンピックっていうのは日本人が発明したものでもなくて、世界持ち回りでやるものをたまたま預かるっていう話なので、日本人が『俺ら、すごくねぇ?』みたいなことをやる場ではないんだろうって僕は思ってるんですよ。
日本は『未来はこういうもんだ』っていうのをちゃんと言えないと、あんまりやる意味がないんだろうなぁという気はするんですよ。
とくにパラリンピックというものに対する力の入れ方。広義でいうとダイバーシティの問題とかになってくるわけで、そういう問題をどこまで大きいもの、先の長いものとして考えて、ちゃんと社会に根付かせていく足掛かりにすることが大事なんじゃないと思っています」

社会問題を解決するテクノロジーを世界に発信するのはいいこと

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公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会チーフ・テクノロジー・イノベーション・オフィサー 宇陀栄次さん

宇陀栄次さん「僕が考えているのは、これから先の技術革新というのは社会問題を解決するテーマになってくるんじゃないかなと思っています。
1995年にWindows、2000年にYahoo!、2005年にGoogle、2010年にAppleと、この20年ぐらいはソーシャルテクノロジーが社会問題を解決する時代になっているんです。
環境、エネルギー、医療といった分野の一部分でも解決できるようなものをみんなの力で集めて、それを世界に発信するというのはひとつあってもいいなぁと思うわけですね」

新しいテクノロジーを使った競技が「超人スポーツ」

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超人スポーツ協会共同代表 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 中村伊知哉さん

中村伊知哉さん「超人スポーツと言うのを去年から始めたんですけど、これは新しい技術を肉体が纏うことによって誰もが超人になれるようなスポーツを作ろうということで始めました。
オリンピックで行われているスポーツはほとんどが19世紀までにできたスポーツで農業社会のスポーツだったわけですが、工業社会、20世紀にモータースポーツできました。じゃあ21世紀を生きる僕たち情報社会のスポーツって何だろうっていうことを始めてみようと思って、今、新しい技術を使って競技を作っています。
できれば2020年、オリンピック・パラリンピックと同じ頃に超人スポーツ世界大会を開きたいなと。
そこで新しい技術のショーケースと言いますか、これからの技術を全部、東京から日本から世界に発信するという場を作りたいと思っています」

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