「時代に合わない」「マイナス面も」専門家が語るJASRAC問題
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「時代に合わない」「マイナス面も」専門家が語るJASRAC問題

音楽教室からの著作権料徴収を決めたJASRACについて、速水健朗が音楽プロデューサーと弁護士にインタビュー

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Feb 08, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・JASRACは時代に合わない
  • ・お手本の演奏とコンサートは同じなのか
  • ・著作権法にマイナスかもしれない

JASRACは音楽教室での演奏を「公衆の前での演奏」と見なし、著作権料を徴収する方針を明らかにした。これに対しヤマハ音楽振興会(約3300教室)は、「教育目的での演奏は営利目的での演奏とは異なる」と反発。ネットでも否定的な意見が飛び交う炎上状態になっている。日本の歌謡史に関する著書もある速水健朗のジャッジは?

JASRACは「無理筋」

バグコーポレーション代表・音楽プロデューサー  山口哲一さん

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音楽教室の演奏が著作権法に触れるのかは法解釈の話なので弁護士や専門家にゆだねます。音楽プロデューサーであるボクの個人的な見解としては、ちょっと無理筋なのではないかなと思いますけど。

今騒ぎになっているのは、著作権法の解釈が正しいか正しくないかという事ではなくて、「音楽が好きな人が楽器を練習しているところからお金を取る」事に対する不満ではないのかなと感じています。

JASRACは時代に合わない

いろんな会社が音楽を商用に使っているからには、原理原則として作詞家・作曲家にお金が支払われるべきであると思います。ただJASRACはネットでの評判が良くない。その原因は、徴収分配の透明性が今の時代に合わなくなってきている事だと思います。

今はデジタル技術が発達しているので、透明化しようと思えばできる時代じゃないですか。すでに、通信カラオケに関しては完全にできていると思います。どこの教室でどんな曲を演奏したのか、100%透明じゃないと払う方も納得できないし作家の方も気持ち悪いですよね。

アーティストはJASRACを信じて作品を託している

騒ぎが大きくなってから、いろんな作曲家やアーティストから「私は著作権料いらない」というような発言が出ているようですけど、JASRACって作曲家とか音楽出版社から楽曲を「信託」されている存在なんです。「信じて託されている」わけです。だから信託している制度上、「私の歌だけを外して」というわけにはいかない。それは分かったうえで発言されているのだと思いますが、心情としては理解できます。

国内市場の取れるとこから取ってやろうという姿勢に見えてしまうのがマイナスなんでしょう。音楽自体はネットの広がりによって、むしろ使われる場面は増えていると思うので、どういうロジックでお金を取っていくのがいいのか、もっと研究する必要があるんではないかと思います。

法的に越えなければいけないポイントがある

骨董通り法律事務所 弁護士  岡本健太郎さん

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著作権法上、著作物を公衆に直接見せる、または聞かせることを目的として演奏する権利のことを「演奏権」と言います。音楽教室の演奏が、演奏権使用料の対象に「なりえる」か「なりえない」かと聞かれれば、「なりえる」と思います。ただし、法律的には何点かクリアしなければいけないポイントがあります。

まずは、音楽教室の誰が「演奏行為の主体」なのか、もう少し明らかにする必要があると思います。例えば、教師が「演奏の主体」で、「公衆」に当たるものが生徒であるというものが分かりやすいでしょう。

お手本の演奏とコンサートは同じか

もう一つのポイントは、「聞かせているかどうか」です。教師は実際にどう演奏するのか考えますと、短いフレーズをちょっとやって「これやりなさい」と指示する場合もあると思いますが、それは果たして「聞かせている」と言えるのでしょうか。「聞かせている」というのは基本的にコンサートですとかイベントで歌を流すようなことを前提としているんです。

もともと演奏に関してJASRACが著作権使用料を徴収していた対象というのは、いわゆるコンサートであるとか音楽イベントであるとか、そういったものだったと思います。それが徐々に範囲を拡大して、例えばフィットネスクラブや、ダンス教室や、カラオケなど、そういったものまで含むようになってきています。

仮に、教師側が「演奏の主体」であれば、生徒が入れ代わり立ち代わり教室に入って教師の演奏を聞くと言えるので、それは「公衆」に聞かせていると言えると思います。しかし、短いフレーズの演奏も聞かせていると言えるのでしょうか。

著作権法にマイナスかもしれない

著作権法の目的は、文化の発展にあります。クリエイターの方にインセンティブを与えて、よりいいものを作っていただこうという考え方です。

その著作権法の考え方からすれば、音楽教室は音楽を利用したり楽しんだり、裾野をどんどん広げてくれるわけです。今回のJASRACの行為が、音楽教室に影響を与えるのであれば、著作権法にとってマイナスの面があると言えるかもしれません。

速水健朗のまとめ

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いろいろな議論が出る中で、宇多田ヒカルさんは「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」というツイートをしました。宇多田ヒカルさんは英語が堪能なので、「学校」という言葉には英語の「スクール」と同じように音楽教室の意味合いも含んでいるのでしょう。ただ学校の授業では著作権料は無料で、今回は音楽教室の話です。

JASRACの今回の徴収はグレーゾーンだなっていう気がします。演奏者、公衆、聞かせるための演奏であるかというところに一つ一つ照らし合わせてみると、ボクは微妙かなと思いました。

2月6日放送「あしたのコンパス」より
番組を動画で見る→https://www.houdoukyoku.jp/archives/0004/chapters/27189

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