「古い企業体質が時代に合わなくなった」東芝を待ち受ける茨の道
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「古い企業体質が時代に合わなくなった」東芝を待ち受ける茨の道

東芝は経営危機を脱することができるのか?

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Feb 26, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・半導体事業は早く切り離した方がいい
  • ・原発事業の先行きは厳しい
  • ・東芝の企業体質は時代遅れ

2月20日、経営再建中の東芝が分社する半導体事業の株式売却を通じて、1兆円以上の資金を調達する方向で調整していることが分かった。
分社する半導体の主力製品「フラッシュメモリー」の新会社の価値は1兆5000億円規模と試算されており、1兆円以上を調達するには3分の2以上の株式を売却する計算になる。
1兆円以上の資金を調達すると、新会社の経営の主導権を握られるが、東芝の幹部は「東芝の信用不安を払拭するのが優先で、やむを得ない」としており、できるだけ多くの資金を調達して経営危機を乗り切る方針だという。
解体も囁かれる東芝、直面する経営危機を脱することができるのか?古市憲寿が専門家2人に聞いた。

古市憲寿の視点

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半導体って東芝の稼ぎ頭だったわけですけど、それを売らなければいけないという状況に陥っているっていうことなんですかねぇ。
東芝は白物家電とかはもう中国との会社を作って80%の経営権も向こう(中国)にいっているわけで、どんどんいろんなことがなくなっていって、じゃあ結局、何が残るんだって言ったら、半導体もなくなっちゃったら原発事業とかインフラ事業とかになっちゃうんですかね。

ウエスチングハウスを買ったのは完全に失敗

慶應義塾大学大学院准教授 小幡績さん

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東芝の敗因は3つあって、まずはウエスチングハウスを買ってしまったことです。
東芝は昔から原発をやっていて技術にはそれなりの自信を持っています。
その中で、アメリカの原子力大手のウエスチングハウスっていう会社を買って、世界での原発事業のトップカンパニーになるっていう戦略をリーマンショックの前にとった。
ウエスチングハウスを買ったっていうのが完全に失敗だったということだと思います。

東日本大震災後の強気が裏目に出た

2つ目の敗因は、東日本大震災後の対応。

東芝は東日本大震災の後も原発事業について強気だった。東日本大震災で世界の原発事業は変わってきて、原発のコストが高くなる流れがあれで決定的になった。
そういうことになったことを信じずに、また元に戻るのを期待して原発事業の拡大を進めたということですね。

直接的な敗因はウェスチングハウスとの契約内容

3つ目の敗因は、ウエスチングハウスとの契約内容

一昨年に原発サービス会社CB&Iストーン・アンド・ウエブスター(S&W)を買収して、実際にかかった工事費用が予定工事費用より上回った場合、その費用を全部ウエスチングハウスが負担することになり、それを東芝が保障するっていう契約にしてしまったことが直接的な敗因です。それさえしなければ、こんな風に7000億円も損をするとか、半導体事業を売るとか、そういう事態にはならなかったですよね。

半導体事業は早く切り離した方がいい

半導体事業を守るっていう意味からすると、早く切り離してあげた方がいい。東芝の中にいると資金制約があるので。

東芝の半導体事業っていうのは多額の投資が必要で、多額の投資の上でうまくいけばものすごく儲かるビジネス。今、ちょうど調子がいい。ビジネスサイクルとかいろいろ問題もありますが。

だから早く切り離して自由に投資できるようになって、お金がいっぱいある人がスポンサーとか株主とかになったほうが半導体事業にとっては伸びる余地が増える。
それが日本の産業っていう言い方をしていいか分からないんですが、世の中、世界全体にとっては良い半導体ができた方が、早く切り離してどこか他のところがリードしたほうがいいと思います。

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東芝の企業体質は時代遅れ

経済アナリスト 池田健三郎さん

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週刊誌の報道を含め、いろんなものを見ていますと、今日的なガバナンスのあり方とか、マネージメントのあり方とかが、かなり古めかしい昔の大企業と言いますか、時代遅れと言いますかね、そういう企業体質をしています。ここまで古めかしいのかと、ちょっとびっくりするくらいのカルチャーが残っているんです。

昔、社長や会長とかをやった80歳、90歳のおじいちゃんにひじょうに高い報酬を払い続けているとかですね、そんなことも報じられているんですけど、そういうことが出てきてしまうほどに古い企業体質を引きずっているので、改革ができない、変われない、新しいことが進められない、処理が遅いと、そういうネガティブなイメージが企業全体に広まってしまったということが大きいですよね。

痛々しいまでにひどい報道対応

報道などの対応もいろんなところで言われていますけれども、通常はそれぞれの部署、とくに広報とかIRという部署はですね、企業を守る重要な花形の部署なんですが、そこが痛々しいまでにひどいですよね。

スタッフはいろんな準備をしているんだろうと思うんです。それが全く生かされないほどに、経営層がバタバタしていて、物事が決められないとか、決まったはずのことを直前になってひっくり返すとかですね、そういう風なことをやっていたんだろうと推定せざるを得ないですよね、ああいう状況を見ていますと。

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東芝を待ち受けるのは茨の道

(白物家電もほぼ売却し、医療事業も売ってしまった)となると、目ぼしい事業は原発ぐらいになってしまいます。

でも、それもご存じのとおり、茨の道ということなんですね。

全世界的に見れば、まだまだ原子力を一生懸命やっているところもありますから、そこにグローバル企業としてきちんとした技術力をもって臨んでいくことに活路がないかと言うと、まだ可能性はあると思います。

でも、ひじょうにリスクの高い事業で、原子力発電所もひじょうにオペレーションが難しいわけで、そういう事業をやっている会社が決算発表を見ただけであんなにガタガタになっていることから見ると、それをこういう会社に頼むのかなというのは素人でも分かる話なので道は遠いですね。

古市憲寿のまとめ「古い企業体質が時代に合わなくなった」

東芝はいろんな意味で時代遅れの風潮をそのまま引きずっている、昭和の会社というか。だからサザエさんのスポンサーとしては相応しかったわけですよね。昭和の、それも幻想なんだろうけど、3世代で住んでいて一戸建てを持っていて、そこでみんなで囲んでテレビを見る、そんな昭和みたいな、それこそサザエさん的な状況をいまだに引きずっている会社で、それが時代に合わなくなったということが一個あるんだと思います。

今後、東芝がどうなのかってことはまだ分からないですけど、半導体部門は少なくとも優秀であるという評価だからいろんな企業に買われるでしょう。
残った東芝自体は、うーーん…どうなるんでしょうねぇ。

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2月22日放送「あしたのコンパス」より
番組アーカイブhttps://www.houdoukyoku.jp/archives/0004/chapters/27397

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