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「原発避難いじめ」はなぜ起こってしまうのか?その原因は、大人にあった

特集「被災地、東北の今」第4回

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Mar 08, 2017 by Shimizu Toshihiro Reporter

3 Lines Summary

  • ・大人が福島を理解していないからいじめが起きる
  • ・川内村でも避難先の学校が嫌という子どもがいる
  • ・浪江町では子どもたちが590校にバラバラのまま

『いままでなんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた』

福島第一原発事故を受け横浜市に自主避難をした男子生徒が、転校先の学校でいじめにあって書いた手紙。被害生徒は名前に「菌」と付けられ、いじめは次第に暴力にまで発展。さらには、金銭の要求へとエスカレートした。その額はおよそ150万円にのぼるという。

そして、いじめの報告書が出ても何も対応をしなかった学校や市の教育委員会に対して出した手紙には、『ばいしょう金あるだろうと言われむかつくし ていこうできなかったのも くやしい』と綴られていた。

今、問題視されている「原発避難いじめ」。その原因はなんなのか、そして私たちがすべきことは?『はじめての福島学』といった著書や講演でありのままの福島について発信を続ける立命館大の開沼准教授、2016年に避難指示が解除された福島県川内村の遠藤村長、今も避難生活が続いている浪江町の馬場町長の3人に話を聞いた。

開沼博准教授(立命館大)

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いじめは今さらクローズアップされていますが、5年前からありました。「福島は菌」と言われることなんて、メディアでは語られませんが、あちらこちらで語り続けられています。

いじめは「太っている」とか、「暗い」とか、理由をつけてするものです。そんな中、今の日本では「福島」が因縁をつけやすい対象になっているのは事実だと思います。

「放射線量が基準値以下だ」とどんなに説明しても、2割の人は絶対に受け入れません。ただ、8割の人は「基準値以下なら」「超微量なら」と受け入れられるんです。

しかし、修学旅行で「福島へ行く」と決めると、2割の保護者が反対する。そして、それを受けた大人が「やっぱり、そうですよねぇ」と認めて、結局取り下げてしまう。

「大人が現状を理解していないことからいじめが起きている」という現実から目をそらしてはいけないと思います。

遠藤雄幸村長(福島・川内村)

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当然いじめなんて許されていいわけないですが、どう解決していくかは非常に難しい問題です。

川内村でも、避難先の学校に行くのが嫌で、川内で学校を早く再開してほしいと訴える親御さんがいました。ストレスでどうしても馴染めないという子どももいて、「早く川内に帰りたい、川内の小学校に戻るから再開してね」と。

県外には馴染めない環境があったり、ひょっとしたら横浜で起きたいじめ問題で発せられたような言葉を言われたりした可能性もあります。

でも、最終的には打たれ強くなってほしいなと思います。自分で問題にぶち当たって解決していってほしい。ただし、それができない子どもがいるのも事実ですよね。

馬場有町長(福島・浪江町)

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学校教育は悩ましいです。

震災が起きた2011年、新学年が始まるのは4月4日頃でした。3月11日から2週間ほどしかない。町民は全国に避難したので、子どもたちも親と共に動いて、生徒はバラバラになってしまった。

自分の子どもが4月4日に入学するとしたら、どこを選びますか?今いる場所の小中学校に入れますよね。

浪江には小学校が6校、中学校は3校ありました。しかし、そこは避難指示が出ていて通えない。会津に行った親御さんは、会津の学校に子どもを入れてしまう。それは当然です。原発避難者の浪江の子どもだけ学校に行かないなんて、とんでもないですから。

今、住民票を移していない浪江の子どもたちが、避難先の小中学校590校に分かれて勉強しています。590校ですよ。

現在、浪江町内に小中一貫の学校を作ろうとしています。しかし、学校の主役は生徒です。生徒がいないところで、学校が成り立つのかどうか。非常に厳しい問題です。

「原発避難いじめ」について最も注目する点は三者それぞれ違ったが、「こんな理不尽は絶対に許されない」という考えは共通している。いじめは「周囲の無関心」が一番怖い。自分自身がいじめに加担していないとしても、現状から目をそらし、問題を解決しようと取り組んでいる人たちの声に耳を傾けようともしていないならば、「理不尽」は絶対になくならない。

【特集「被災地、東北の今」】

第1回  自分の無力さを痛感した――。被災地出身者が語る、あの日

第2回  「原発事故よ、ありがとう」震災から6年、福島の高校生がセリフに込めた深い意味

第3回  「被災者」というレッテルに苦しめられた。『しんさいニート』の著者が明かす、311以降の日々

第4回  「原発避難いじめ」はなぜ起こってしまうのか?その原因は、大人にあった(この記事)

第5回  数十秒で死ぬ場所? 福島第一原発内のローソンは「生茶」も「うまい棒」も買える

第6回  震災とVRの意外な関係性。福島第一原発の中に入ってみると…。

第7回  隣町のコンビニ時給は1300円。避難指示解除でもハッピーエンドではない被災地の課題

第8回  知られざる、「原発20キロ圏内」での暮らし。そこで奮起する人々の姿

第9回  福島は、原発は、将来どうなる?「あの人」の意見が聞きたい。

第10回  『原発に最も近い映画館』が教えてくれた価値

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