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311を忘れない…準備進む「受援マニュアル」は災害の救世主か?
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311を忘れない…準備進む「受援マニュアル」は災害の救世主か?

災害時の支援を円滑に受け入れるための「受援計画」というマニュアルが14府県で策定された

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Mar 04, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・311当時は原発が爆発したらどうするか考えてなかった
  • ・熊本地震で起きた「受援ミスマッチ」
  • ・必要なのは「備蓄」と「在宅訓練」
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大災害時に他自治体から派遣される応援などを円滑に受け入れるため14府県が「受援計画」と呼ばれる対応マニュアルを策定したことが分かった。14府県の大半は、2011年の震災後に計画をまとめ窓口を一元化するなど混乱回避の具体策が明記されているという。国は2012年に受援計画の策定を都道府県と市町村に策定を要請。現在「策定予定なし」の都道府県はゼロとなっている。

古市憲寿の印象

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日本は震災が多い国ですけど、外部から大量にボランティアなどの人が来たら、どうやって指揮系統に組み込めばいいのか、事前に準備しておかないと難しい場合が多いんでしょう。

大村晟アナウンサー:気持ちは嬉しいけど人を余らせてしまうことが解消されるといいですね。

原発が爆発したらどうするか考えてなかった

立命館大学衣笠総合研究機構准教授  開沼博さん

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今回のマニュアルを作る意味は、想定できる範囲のことをすべて想定し、あるいは想定できてないことは何だろうと考える事をやっておくことにあると思います。私たちが想像できる事象は氷山の一角で、見えないところにある事の方が本質だったりするんですよね。例えば、原発事故に対応するための非難訓練は実施されていたんですが、その内容は、原発事故が起こりそうなので皆で逃げて、収まったので帰りましょうというものだった。それ以上の事を想定しなかったというのが福島第一原発の問題。爆発したらどうするとか、長期避難になってお年寄りが弱ったらどうするとか、そういうことまでは考えてなかったんですね。

映画「シン・ゴジラ」では、霞が関がやられて総理官邸を遠方に移す描写がありました。他にも、偉い人がみんなポロッとあっけなく死んだりしますが、現実はもっとあっけないはずで、そういう前提も考えなきゃダメだと思います。首都が機能しなくなった時に、どこに大々的な司令塔を置くのかとか、大量の避難者が出た時にどうするのかとか。

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311では避難する中で多くの人が亡くなったんですが、その半分以上は震災から3か月以内、それもお年寄りが中心だったんです。被災した地域は、まあ田舎だから空き家とかに避難できたんですけど、東京郊外の団地ですでに孤立化しているお年寄りは、どうするんでしょう。どこに行く場所があって、どうやって移動するのか、多分多くの人が答えられないはずです。そういうところまで考える必要があると思いますね。

今すぐできる対策

例え想定外のことでもみんなで普段から考えるためにマニュアルを配るだけでは足りないとも言えます。学校教育の中や地域活動の中で、義務づけまではいかなくても、ロールプレイをしたりワークショップを開いたり、できる範囲でやって欲しい。誰もがワークショップに行くというわけではなくても、聞いたことがあるぐらいにしてもらいたいわけです。

東京では「東京防災」という黄色い表紙の冊子が配られましたが、どれだけの人が中身を読んだんでしょう。例えば東京でも地域ごとに商店街みたいなものはありますから、そういう所のリーダー的な人が防災意識を高めていくことなら、直近でもできると思います。

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熊本地震で起きた「受援ミスマッチ」

防災システム研究所所長  山村武彦さん

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東日本大震災の時は、自治体そのものが被災しました。施設ごと流されたり、職員も被災したことによって能力そのものが半減したわけです。もともと被災地の沿岸部にある市町村のほとんどは小規模で人員も少ないですから、そこに職員の被災が重なって応急対応などは非常に難しかったですね。受援マニュアルがあるとかないとかという問題ではなく、絶対のマンパワーが足らない。

熊本地震での失敗

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そのあとになって受援マニュアルが必要だっていう話になったんですけど、じゃあ以降の震災で役立ったのでしょうか。東日本から5年たって起きた熊本の地震を見てみると、実際にはちゃんとした受援マニュアルはなかったんですね。

国の対応は比較的早かったと思います。政府はプッシュ型の支援をやっていますと言っていましたが、実際には事前の調整不足で地元自治体と連携が取れていませんでした。たとえば、物資を送りますよと言っておきながら、到着時刻が不明で職員を24時間待機させなきゃならず、疲弊してしまう。

また、地元の情報は上位自治体にも上がっていませんでした。例えば、避難所に入らない車中泊の人たちがいたんですが、避難者としてカウントされていなかったんですね。そういう人たちが避難所に物資を取りに来るわけですけども、カウントされてないから物資が足りない。そういったことも混乱に拍車をかけ、受援体制のミスマッチを招いたんですね。

熊本地震で学んだことが生かされた鳥取県中部地震

大規模災害が起きると、一般の方々がそれを学習するという効果があります。例えば、熊本地震の後に鳥取県中部地震が発生したんですが、最大震度は6弱でほとんど建物は壊れていないんです。それなのに家に入らず駐車場に避難する人がたくさんいた。これは、熊本で連続して起こった地震の怖さを目の当たりにした人がたくさんいたからでしょう。受援マニュアルも、直前に起きた災害の学習効果を踏まえて柔軟性を持たせ、非常にきめ細かく対応できるようにしておくことが大事でしょう。

必要なのは「備蓄」と「在宅訓練」

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私は、ペナルティまではなくてもいいので「備蓄」を推進する条例と「在宅避難訓練」が必要だと考えています。日本は備蓄が少ない国なんです。昔はスーパーマーケットのバックヤードに在庫がありましたが今はありません。熊本地震の時、私が車中泊の人にインタビューしてみると、水と食糧があれば家に帰れるという人がたくさんいた。

避難所に行く人というのは、被災地にいるすべての人のせいぜい20~5%なんです。残りの80~95%の人は、電気ガス水道電話が止まった中で暮らさなきゃいけない。だからそこで暮らす訓練をしようというわけです。例えば、半日だけ電気ガス水道電話を止めて在宅避難訓練をやれば、何が本当に必要なのか分かるでしょう。

古市憲寿のまとめ

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これから起こるであろう首都直下地震とか南海トラフ地震では、特に東京都という日本の司令塔が被害を受ける可能性があるわけです。そうなったときのためにマニュアルはやっぱり無いよりはあったほうがいいとは思うんですね。

それに加えて山村さんが仰っていたのは、自治体レベルの受援計画だけではなくて、各家庭や個人レベルの啓蒙とか訓練が必要だという事でした。備蓄とか、電気がないときはどうするとか、水が止まったらどうするとか、そういう事を考えた方がいいんじゃないかという事ですね。

もうすぐ、震災から6年ですか。来年以降も、制度や生活などあらゆる面で震災の経験を生かしていければいいなと思います。

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