ヤマト値上げ!ネット通販の未来を古市憲寿が真剣に考える
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ヤマト値上げ!ネット通販の未来を古市憲寿が真剣に考える

ヤマト運輸の値上げでネット通販や日本社会はどう変わるのか2人の専門家に聞く

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Mar 12, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・今のヤマトは仕事が増えるほど赤字
  • ・値上げすれば日本経済も元気になる
  • ・「がんばれヤマト」は広報戦略の勝ち?
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宅配ドライバーの人手不足が深刻化する中、業界最大手のヤマト運輸が料金の値上げを検討していることが分かった。ネット通販大手のアマゾンジャパンなど大口の顧客だけでなく、個人が送る荷物についても全面的に値上げする方向で、2017年秋にも実施するという。消費税増税を除けば全面的な料金の値上げは27年ぶりとなる。

古市憲寿の印象

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服や本はもちろん、電化製品、野菜もネットスーパーがあるし、今はなんでもネットで買えちゃいます。そこで配送に負担がかかるのはもっとだ、と思う一方で、こうなることが分かってなかったのかな?という気もするんですよね。特にAmazonとヤマトが契約した段階で、おおよその荷物の増加量は分かるわけで、なにが想定外だったんでしょうね。

ヤマトは仕事が増えるほど赤字

第一生命経済研究所経済調査部・首席エコノミスト  永濱利廣さん

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普通のビジネスモデルなら取り扱う量が増えれば増えるほど儲けが多くなるんですが、ヤマト運輸の場合は多くなるほど赤字になってしまう。そもそもの価格設定がちょっとおかしい状況になってましたので、そこを直さないといけません。

元々は佐川急便が手放したネット通販の荷物を、ヤマト運輸が引き受けたんですが、やっぱりぜんぜん収益が上がらないんですね。更にいうとドライバーの方も高齢化が進んでいるので、まったく首が回らない状況です。おそらくネット通販の荷物量が予想を超えて爆発的に増えてしまったのではないでしょうか。

ヤマトが次に打つ手は

すでに取り組み始めているものでは、いつでも荷物を受け取れる「宅配ロッカー」を全国いろんなところに設置しています。また、再配達の手間を省くため、LINEを使って届け先の在宅を確認してから配達するサービスも進みつつあるようです。端的に言えば、コンビニで荷物の受け取りが普及すればいいんですが、保管しておく場所がないなどの問題もあってなかなか難しいようです。

サービスの見直しだけでなく労働環境も改善するため、比較的物流の数が少ない正午から14時くらいの時間は、配達をやめてしっかりと休憩を取るようにする改善案も出ています。あと配達の一番遅い時間を現在の21時から繰り上げる案もあるようです。

値上げで日本経済が元気になる

日本は諸外国と違って、長年にわたってデフレを放置したため、値下げしても物が売れず人手が余る状況にあります。こうなると、厳しい中で物を売ろうとしてサービスが過剰な方向にいく事になります。まさに今の宅配ビジネスはデフレの中でできた過剰なサービスになっているんです。

それが今アベノミクスによって、完全ではなくてもデフレではない状況になりつつあるんですが、経営者が臆病になっているので、なかなか値上げが出来ないという構造的な問題点があると思います。本来は、企業が前向きに値上げをすれば、より儲かるわけですから、そのお金を労働者に分配できるようになるはずです。好循環がまだ十分に進んでいない状況なので、自分の給料もそんなに上がってないという状況だと思います。

逆に言うと、ヤマト運輸が値上げに動くことで、他の企業も値上げに前向きになるかもしれません。これで賃金が上がっていけば、今のデフレが少し好転するという期待も出てきます。いずれにしても、ヤマト運輸の動きが一社にとどまらず宅配業界全体にも影響を及ぼすのは悪い事ではないでしょう。

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そもそも給料が安すぎる

働き方改革総合研究所代表取締役  新田龍さん

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ヤマト運輸のドライバーは全く足りていない状況です。そもそも運送業界全体で人数が足りない。それに加えてAmazonなどのネット通販の荷物が増えすぎているんです。

運送業界の労働環境はいっぱい内部告発がありまして、大手企業であればだいたい朝7時半~8時ぐらいに営業所に行って、配達し終わるのが21~22時ぐらいが一般的ですね。(※最低でも13時間労働)賃金は、基本給がベースにあってヤマト運輸の場合、配送数に応じてインセンティブが払われます。ただこの金額は非常に少ないそうです。また残業代は、最近になってようやく過去の分も遡って支払うことになった会社がある一方、まだまだ払われていない状況もあるようです。運送業界全体の平均給与は約27万円と言われていて、労働時間が長い割に給料は安いと言えます。

「がんばれヤマト」の裏を読む

ヤマト運輸の場合、過去何回か値上げをしているんですけども、そのたびに根強い反発がありました。うがった見方かもしれないんですが、今回はいきなり値上げするのではなく、去年末ぐらいからヤマト運輸の過酷な労働環境の実態がちらほら漏れ聞こえてきて、1、2月にAmazonとバトルがあったとか、今ではヤマト運輸を応援する風潮になっていて、これがもし、広報が狙った通りなのであればすごいと思いますね。

日本は便利に慣れすぎ

ドライバーの低賃金については業界全体の問題なので、ヤマト運輸の値上げが成功すれば、他社も追随して最終的に全体の賃金アップに繋がればいいと思います。これからも物流は増えていくでしょうけど、今回の値上げなどの施策が浸透すれば当分は大丈夫だと思います。

本来でしたら運送業がなければ配送できないわけですから、うちが手を引くかもしれないぞと強気に出てもよさそうなものですが、日本では荷物を出す側の立場が強くなってしまっています。海外の多くの国では郵便会社などが請け負っているようです。再配達を有料化をしていたり、再配達はせずに最寄りのスーパーとコンビニで受け取るようにしているそうです。我々がちょっと便利に慣れ過ぎているところもあるのではないでしょうか。

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古市憲寿のまとめ

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ボクはちょっとだけノルウェーにいたことがあるんですけど、郵便物は基本的に最寄りの郵便局までしか届かないんですよ。家や部屋まで届けてくれないのが当たり前で、郵便局からは重い物でも自分で持って帰らなくちゃいけない。コンシェルジュがいるような高級マンションは違うかもしれないですけど、基本的には郵便局留めなんです。日本の方がはるかに安くて便利な宅配サービスが根付いていますけど、今更これをやめるっていうのは無理な話だと思います。だから便利なものを手放さずに、いかに消費者にとってちょうどいい負担をするかっていうことが大事なんでしょうね。物流のクオリティって国や業者ごとにすごい差があって、日本は極めてクオリティが高い国の一つなんじゃないですかね。

自動運転やドローンなどの技術も、実用化はまだ難しいでしょうし、しばらくは地道にドライバーの待遇や給料を改善していく事が必要なのかなと思います。

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