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福島は、原発は、将来どうなる?「あの人」の意見が聞きたい。

3月11日放送の報道特別番組「東日本大震災から6年 先見えぬ廃炉『福島の未来』」より

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Mar 15, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・「廃炉施設をダークツーリズムの拠点に」夏野剛さん
  • ・「復興にプログラム評価の発想を入れるべき」三浦瑠麗さん
  • ・「原発をイデオロギー論争の種にしないことが大切」古市憲寿さん

ホウドウキョクでは、今年3月11日に「東日本大震災から6年 先見えぬ廃炉『福島の未来』」というテーマで報道特別番組を放送しました。

番組内では、
①早ければ廃炉が完了するといわれる「2040年の福島の未来」のあるべき姿について
②私たちは、どう廃炉、そして原発がかかえる問題に向き合うべきか? そして解決に向け、まず取り組むべきことは何だと思うか?
について、識者からコメントをもらい、その一部を紹介しました。

この記事では番組では紹介しきれなかった、そのコメントの全文を紹介します。

慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授 夏野剛さん

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①早ければ廃炉が完了するといわれる「2040年の福島の未来」のあるべき姿について

以下の「2つの道」しかない。
1)原子力の怖さ、テクノロジーの反面作用に関する一種の聖地と位置付け、核についての広島と同じように、廃炉された施設をチェルノブイリのようにツーリズムの対象にしたり、カンファレンス施設などを作って、カンファレンスを誘致するなど、一つの拠点とする。いわゆるダークツーリズムの拠点であるが、修学旅行需要なども見込めるので必ずしも暗いイメージだけでない観光地化が可能ではないか。

2)もう一つの道は逆に原子力の拠点地化することだ。引受先のない中間処理施設や最終処理場の立地も含めて日本の原子力産業の聖地とする。今後世界中で原子炉の廃炉が課題となるが、廃炉ビジネスを日本の得意産業としていく道。また未来のための核融合発電の研究拠点も福島に集約する。核融合は核分裂と違って危険性が遙かに低いので、福島から廃炉と新技術の両方が生まれ世界に拡がっていくような拠点とする。

もしかしたらこの両方を成立させることもあるかもしれません。どちらにしても近隣住民の方々の理解を得ることが大前提ではありますが。

②廃炉作業が難航していますが、私たちは、どう廃炉、そして原発がかかえる問題に向き合うべきか? そして解決に向け、まず取り組むべきことは何だと思いますか?

何もない状態に戻すには、作る以上のコストがかかることを全国民が認識した。この際、国としてどう立ち向かっていくかを考えなければならない。これまで原発を建設運営してきた電力会社を含めたすべての企業は国の管理下に入り、事業の利益をすべて使って廃炉技術を磨いていくしかない。民間企業という建て付けでは到底立ち向かえない問題であることはもはや誰もが認識しているのではないか。

ジャーナリスト 佐々木俊尚さん

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①早ければ廃炉が完了するといわれる「2040年の福島の未来」のあるべき姿について

2040年だとまだ廃炉は完了していないでしょうね。ただ、その頃には、いたずらに廃炉作業の遅れを非難するのでなく、風評被害をまき散らす人もいなくなり、静かに国民全員で廃炉への道のりの進み具合を見守るような空気になっていることを祈ります。


②廃炉作業が難航していますが、私たちは、どう廃炉、そして原発がかかえる問題に向き合うべきか? そして解決に向け、まず取り組むべきことは何だと思いますか?

廃炉は容易ではないし、必要な技術もたくさん開発していかなければなりません。これを後ろ向きにとらえず、未来に向けて必要な技術を我々が生みだしていくのだ、という気概を持つことが大切だと思います。


国際政治学者  三浦瑠麗さん

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①早ければ廃炉が完了するといわれる「2040年の福島の未来」のあるべき姿について

私はまず、広い福島が風評被害のせいであれだけ美味しいお米などの価値を十分に認められないのが残念でなりません。あらゆる場面で科学的知見に基づく比較とリスク勘案をしていかないと、特定の地の人だけが重荷を背負わされることになる。

他方で大きな改革も必要です。復興にきちんとプログラム評価の発想を入れ、何を選択と集中で残し発展させていくか、何を残さないかが問われるべきです。ダークツーリズム案などの可能性がなくなったのも残念ですが、次善の案として線量の比較的高い地域にはメガソーラーを敷き詰めるといいと思います。元どおりにするより合理的ですし、あくまでも未来を象徴できますから。

②廃炉作業が難航していますが、私たちは、どう廃炉、そして原発がかかえる問題に向き合うべきか? そして解決に向け、まず取り組むべきことは何だと思いますか?

廃炉に関する専門的知見はありませんが、いくつかの情報管理については気を配っていくべきでしょう。モニタリングカメラは国産にすべきだと思います。その上でこの高度な経験による知見を国際的に共有財産とすべきでしょう。

原発は経産省の非現実的なエネルギーミックスを見直す必要があります。原発とて民意を無視はできないですし、そもそも村おこし、町おこしのためならリスクの高いものはもう必要ありません。日本海側にずらりと並ぶ原発は安全保障の観点から高リスクです。まずは研究炉や戦略的に場所や数を絞った新型炉を残しつつ、大幅に数を減らしていくべきでしょう。


社会学者 古市憲寿さん

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①早ければ廃炉が完了するといわれる「2040年の福島の未来」のあるべき姿について

広島の原爆ドームは、根強い撤去論がありました。その姿を見ると、悲惨な戦争のことを思い出してしまうというのです。しかし今、原爆ドームは平和都市・広島の象徴であり、観光名所にもなっています。あとから博物館は作れますが、現代社会でも、まだ「本物」が持つ力は大きいのでしょう。東浩紀さんたちの『福島第一原発観光地化計画』は、これからも何度でも見直されていいのではないかと思います。

②廃炉作業が難航していますが、私たちは、どう廃炉、そして原発がかかえる問題に向き合うべきか? そして解決に向け、まず取り組むべきことは何だと思いますか?

原発問題は、沖縄問題と同様に、極めて部外者が語りにくい話題になっていると思います。でも、それって本当はおかしいですよね。原発を、イデオロギー論争の種にしないことが大切だと思います。その意味で、現地に「共感」だけしたフリをして、ツイッターって文句ばっかり言っている人って、本当に何の役にも立ってないですよね。

3/11放送 番組アーカイブはこちら
https://www.houdoukyoku.jp/archives/0008/chapters/27607

【特集「被災地、東北の今」】

第1回  自分の無力さを痛感した――。被災地出身者が語る、あの日

第2回  「原発事故よ、ありがとう」震災から6年、福島の高校生がセリフに込めた深い意味

第3回  「被災者」というレッテルに苦しめられた。『しんさいニート』の著者が明かす、311以降の日々

第4回  「原発避難いじめ」はなぜ起こってしまうのか?その原因は、大人にあった

第5回  数十秒で死ぬ場所? 福島第一原発内のローソンは「生茶」も「うまい棒」も買える

第6回  震災とVRの意外な関係性。福島第一原発の中に入ってみると…。

第7回  隣町のコンビニ時給は1300円。避難指示解除でもハッピーエンドではない被災地の課題

第8回  知られざる、「原発20キロ圏内」での暮らし。そこで奮起する人々の姿

第9回  福島は、原発は、将来どうなる?「あの人」の意見が聞きたい。(この記事)

第10回  『原発に最も近い映画館』が教えてくれた価値

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