サウジ国王、ようこそ日本へ!日本とサウジの思惑を読み解く
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サウジ国王、ようこそ日本へ!日本とサウジの思惑を読み解く

サウジと日本の協力体制の先にあるのはバラ色の未来かそれとも…

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Mar 16, 2017 by compass Reporter

3 Lines Summary

  • ・早くもサウジでは不満が噴出している
  • ・サウジ国民は“働く”意味を分かってない
  • ・日本 VS 中国の「中東商戦」
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来日しているサウジアラビアのサルマン国王は安倍総理との会談に臨み、双方が両国の経済協力を柱とした「日・サウジ・ビジョン2030」に合意した。会談ではサウジアラビアが目指す脱・石油依存に向けた経済改革などについて話し合われ、安倍総理は日本からの投資や技術協力などを一層進める方針を伝えた。サウジアラビアと日本はこれからどうなっていくのか、ジャーナリスト佐々木俊尚が2人の専門家に聞いた。

佐々木俊尚の印象

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原油価格は今、1バレル50ドル台ぐらいですか。一時の3分の1ぐらい、ものすごく下落してて今じゃあ石油を売ってもあまり儲からない。

しかも、世界中で電気自動車とか電化が進んで原油のニーズがどんどん落ちてきたり、アメリカはシェールガスからシェールオイルっていう新しい石油を作ったりして、これからの石油ビジネスは大変。そこでサウジアラビアは、お金はたくさんあるので石油以外のビジネスをやろうというんだけど、本当に成功するのかな。

だってサウジは、国民の約3分の2が公務員で、教育も医療も全部タダっていうこの世の楽園みたいなとこなんだけど、働いたことがない人だらけなんだよね。今まで石油以外のビジネスをやったことない国が、果たしてうまくいくのでしょうか。

サウジ国内は早くも不満噴出

星槎大学客員教授  佐々木伸さん

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サウジアラビアは国家収入の8割を石油の輸出から得ているわけですが、サルマン国王の息子である副皇太子のムハンマド国防相が掲げている「ビジョン2030」は、石油に依存しない国家を作ろうということで、国外から様々な産業や投資を呼び込んで国を発展させようとしています。

一方で、こういった改革は当然 身を切らないと成功しないんですが、すでに給料のカットや、ボーナスのカットが実施されていて、多くの不満が噴出しています。

サウジ国民は“働く”意味を分かってない

私は、最大の問題になるのは「国民の意識改革」だと思っています。一般のサウジ国民は、私たちが考えているような“働く“という意味を分かっていない。一日中だらだらすごしても給料もらえるので、汗水流して働くという意識が極めて低いんですね。

サウジの人口は、3200万人と言われているんですけれど、そのうち1000万人以上がパキスタンやインドから来ている外国の労働者です。実際に仕事を取り仕切って働いているのは、こういう外国人労働者なんです。

改革の先頭に立っているムハンマド副皇太子は、去年600億円のヨットを一目見てキャッシュで買ったとことが話題になりました。旗振り役の人がこんなありさまで、改革が上手くいくのか、国民も分かっていると思います。いちばん意識を変える必要があるのは、サウジアラビアを取り仕切っている王家だと言えるでしょう。

石油大国だから“とりっぱぐれ”ない

サウジアラビアから経済協力の申し出があったのは、渡りに船だと思います。原油の3割以上を供給しているサウジとの絆を強化できますし、日本が進出する市場としても人口の半分以上が若者なので非常に有望な国だと思います。

これまで、日本が外国で仕事をした場合、最後になって“ごねられる“ことが多かったんです。しかしサウジの場合は国王のお墨付きがありますし、石油大国だから“とりっぱぐれ”もないでしょう。

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日本は“外”で儲けろ

立命館大学政策科学部教授  上久保誠人さん

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日本のメリットは“外で儲ける”という事に尽きます。要するに日本国内では、もうインフラなどは一通り終わってしまったわけです。だからゼネコンや重工業は外国に出向いて儲けなくてはいけない。

もう一つのメリットは“技術の維持”です。国内で仕事がなくなると、その仕事に必要な“技術”も廃れてしまいます。外で仕事をすることによって技術を守れるし、さらに新しい技術も開発できます。

日本 VS 中国の「中東商戦」がスタートする

ただし、中国もまったく同じように動いてくるでしょう。日本と中国の国際経済における関係というのは、全く変わりません。日本だけが、サウジと仲良くさせてもらうわけにはいかないし、全部日本から買ってもらうわけにもいかない。

インドネシアやインドに高速鉄道を売り込んだ時もそうでしたが、基本的に中国は安売り攻勢をしかけてくるでしょう。日本は、技術やサービス面で自信を持ってやるべきだと思います。

中国はイランとの協力関係はかなり昔からやっています。国王が来日したと言っても、サウジや中東諸国が日本の安泰なマーケットになるわけじゃないでしょう。中東ではサウジと同じように、石油ビジネスしかないという状況の国も多くあります。そういう国では、サウジと同じことを考えていると思います。日本は、サウジだけではなく、そういう国に対してもドンドン働きかけていくべきでしょう。

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佐々木俊尚のまとめ

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もともと日本って輸出国でしたよね。テレビとか冷蔵庫とか自動車とかを海外に売ってきたんだけれど、市場が飽和してしまった。そこで内需を増やして頑張ってきたんだけど、人口も増えないし成長も上限があるわけです。だから、やっぱりある程度は海外に出なきゃいけない。

ただ、もうテレビや冷蔵庫は売れないので、10年ぐらい前からインフラが注目されているんですね。海外ではインフラの市場はまあいっぱいあるんです。その中でも中東は結構大きい。サウジには、日本からいろんなビジネスが入っていくようですね。

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「凸版印刷とサウジの住宅省がVR技術を応用した住宅販売サービスの研究」って何だろう。サウジの大金持ちに、VRの家を見せて売るのかな?

仕事がうまくいけば日本は潤うんだけど、その仕事がサウジという働いたことがない人たちの国に根付いて経済的に安定するのかは別の問題。ただ、サウジに安定してもらわないと、日本の大事な原油輸入国なのでものすごく大変なことになる。ここは頑張って、日本とサウジが一緒にやっていくしかないんじゃないのかな。

総じて結論として言うと日本としては願ってもない良い話だと思います。中国に取られないよう、ビジネス化をどんどん進めてインフラビジネスをガンガン輸出していってほしいですね。

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