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それって本当に生産性の向上になる? 形だけのワークライフバランスにサヨナラを!

特集「仕事の“生産性”って何だ?何なんだ!」第1回

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Mar 20, 2017 by editors room Reporter

3 Lines Summary

  • ・日本の労働生産性は世界的に低い
  • ・コスト削減だけが生産性ではない
  • ・生産性=アウトプット÷インプット

社会で蔓延する形だけのワークライフバランス

かつてから日本は生産性が低いと言われてきた。事実、日本の労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中20位(2015年)、先進主要7カ国のなかで最も低い。日本的な終身雇用制度や長時間労働の慣習化がその一因になっているという意見もある。

こうした状況を打破すべく、近年は政府が掲げる働き方改革の名の下に、多くの企業でさまざまな施策が講じられている。定時退社時間の設定や残業規制がその一例だ。

過重労働に対する規制強化なども関連しているだろうが、労働時間が一方的に減らされても、抱える仕事量は減らないという状況はなかなか無理がある。それにも関わらず、多くの企業では制度整備からスタートする。

結果として、形だけのワークライフバランスが成り立ち、就業時間で終わらなかった仕事を自宅に持ち帰ったり、残業時間を報告しないで仕事を続けるといった悪しき事態に陥ることも。はたして、これが理想的な働き方と言えるのだろうか。答えはNOだろう。

生産性の中身について意識的な会社は多くない

そもそも仕事の“生産性”という言葉の中身について、一体どれだけの人が具体的なイメージを持っているだろうか。なかでもホワイトカラーと呼ばれる層においては、何をもって生産性の高い・低いを判断するかの基準が具体的にわからず、四苦八苦しているケースも多い。それだけ“生産性”という言葉のなかには、さまざまな要素が含まれている。

「一般的に生産性は、インプット(成果を生み出すための人材・時間・情報・スキルなど)に対するアウトプット(成果)の比率で考えられます」

そう話すのは、複数の企業で働き方改善に関わるコンサルティングを行なっている沢渡あまね氏。

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沢渡あまね氏

インプットに比べてアウトプットが大きければ生産性が高く、逆にインプットに比べてアウトプットが小さければ生産性は低いことになる。だが、この関係について、きちんと把握している企業は意外と少ないという。

「多くのリソースを費やしたにも関わらず、成果はそれほど上がらなかった。そんなケースに陥ることは少なくありません。そういった状況を生み出しているのにも関わらず、生産性を向上させようといくら一生懸命になっても難しいのが正直なところ。まずは、自分たちの仕事がどのようなインプットに対してどのようなアウトプットを生み出しているのかを正しく認識することが大切です」

生産性の向上には、マイナスを減らし、プラスを増やすこと

このインプットとアウトプットの比率を測る際に考えたいのが、良い仕事と悪い仕事の区別だという。たとえば、ひとつの成果を出すためにどのようなプロセスを踏んだのか考えてみてほしい。会議は何回あったのか、試行錯誤する時間はどれくらいあったか、資料の提出は何回発生したのか。そうすると、いろいろなことが見えてくるそうだ。

「生産性を向上させるためには、『減らす』と『増やす』が大事。ただ無駄をゴリゴリと減らすだけの働き方改革は長続きしません。チーム内のコミュニケーションなどを増やすのも大事。たとえば形だけの2時間の定例会議があったら1時間に減らす。その代わり、30分雑談の時間をつくってみるといいと思います。単純に1時間の削減効果だけを狙おうとすると、うまくいかない。増やす勇気も大事です。そうすることで社員同士のコミュニケーションが高まるとともに、信頼関係が深まって一体感が生まれ、長い目で見てチームとしての生産性が高まります」

“生産性の向上”と聞くと、効率性にばかり目が行きがちだが、それ以外にもさまざまな要素が関わっているというわけだ。

もちろんそのなかに社内制度の見直しやコストの削減もあるのだが、それが一方的な押し付けになってしまえば、かえって士気の低下を生むきっかけになる可能性も高い。だからこそ、この連載ではさまざまな角度から、個人や企業が生産性を高めていくための方法について考えていきたい。

沢渡あまね氏
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。現在は複数の企業で「働き方見直しプロジェクト」「社内コミュニケーション活性化プロジェクト」「業務改善プロジェクト」のファシリテーター・アドバイザー、および新入社員・中堅社員・管理職の育成を行っている。主な著書に『仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方』『職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方』『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』など。

文=村上 広大(EditReal)
イラスト=浜名 信次(Beach)
モーションデザイン=濱本富士子(Beach)

仕事の“生産性”って何だ? 何なんだ!
vol.1

それって本当に生産性の向上になる? 形だけのワークライフバランスにサヨナラを!(この記事)

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